Daisy Bellの憂鬱

日々の出来事の記録(秋は高専ロボコン)

高専ロボコン2022 中国地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月9日(日)に東広島運動公園体育館で行われた、高専ロボコン中国地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

official-robocon.com

この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、8高専16チームで争う中国地区大会。
注目は全国大会常連校・呉工業高等専門学校でしょうか。しかし中国地区大会は、年によって結構全国大会出場校が変わる印象です。つまり、どのチームにも全国大会出場の可能性が十二分にあるということ!
どんなロボットが出てくるのか楽しみです。

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの中国地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

www.youtube.com

競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 15:05〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

中国地区大会出場校

全8高専からA、Bの2チームが出場。合計16チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝、推薦2)

予選ラウンド 対戦結果・メモ

中国地区大会の予選ラウンドはA〜Dの4グループに分けて行われました。
各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する4チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、予選第3試合あたりから細かく分けようがない感じになってきて全部ベタ書きになったりします。そのへんはご了承ください。

第1試合

A:★広島商船A vs 米子B 2−0
広島商船:ロボットは左と右で狙いを変えている(左は遠く、右は手前)。移動は自動制御で四輪で縦横無尽で移動するスピードにも注目してほしい。
メモ>近くは高めに打ち上げて狙う。
米子:タッチパネル式のコントローラー。タッチパネルをスクロールして操作することで、発射の強さ・角度を細かく調整できる。また1つのラックにたくさんの紙飛行機を積むことができ、入れ替えも簡単なので、スピーディーな補充にも注目。近くに確実に得点を重ねたい。
メモ>1回で2発ずつ紙飛行機を射出。

B:宇部B vs ★松江B 0−0(審査員判定 1−2)
宇部:弓矢のように紙飛行機を遠くまで飛ばす。狙うは5点のベースB!
メモ>一回で装填・射出できるのは1機のみ。弓で矢を飛ばすような大掛かりな動きでの射出は見てて面白いかった!
松江:横一列に7機の紙飛行機が並ぶ。ゴムの弾力で一斉に飛び立ち、広範囲の得点を狙う。
メモ>7機同時射出は安定。近くも遠くも狙えてたので、うまくいけば乗せてた可能性高かった!

C:米子A vs ★宇部A 0−0(審査員判定 0−3)
米子:2つの発射装置。左はバネで大型の紙飛行機を、右はローラーで小型の紙飛行機を飛ばす。鳥取をPRするために作った鬼の妖怪のロボットとヘルメットにも注目してほしい。
メモ>鬼の頭部分から飛び出す大きな紙飛行機が迫力あった!滑走路を狙っていたけど、なかなか届かず…。
宇部:やりたいことを詰め込んだロボット。モーターひとつで飛行機の装着から発射までができる仕組み。大会直前に飛行機を補充する部分が壊れてしまい(!)今回補充部分は断念。横向きのベースAを狙って得点を積み上げたい。
メモ>2機ずつ射出。得点できなかったけどスポットに何回かかすったりと惜しい!

D:★呉B vs 津山B 2−0
呉:上と下で別の発射装置を使う。まずは上の発射装置で手前のスポットを確実にとり、その後上下の装置で遠くの滑走路・ベースを狙いたい。発射時に使用するシリンダーは呉高専独自の強力なものを更に改良。その発射のスピードにも注目してほしい。
メモ>手前を狙うときは一度にたくさんの紙飛行機を飛ばす。遠く狙うときは2機ずつ。遠く狙いの紙飛行機はスピード速い!
津山:カラフルな装飾と個性豊かな飛ばし方が特徴。飛ばし方は3つで、ヘリコプターの羽を参考にした回転式、遠くのポイントを狙う竹板のバネ式、カーブを描く滑走路プレートではベースを狙っていく。
メモ>今日ロボットが完成してぶっつけ本番!スタートできず…。戦隊レンジャーモチーフのデザインは凝っててかわいかった。

第2試合

A:★徳山A vs 呉B 16−0
徳山:発射装置は4つ。1つに装填する紙飛行機は150機!合計600機の紙飛行機を連続で飛ばせる。紙飛行機が詰まることを防ぐため、ファンで吸い上げることで確実に一番上の紙飛行機を掴む。
メモ>上段2つ、下段2つの射出機構から連射!飛行機掴むときの動きが餅つきみたい。得点力も高い!
呉:2種類の発射方法でVゴールを狙う。200機近くの紙飛行機を搭載できるので、とにかく数で圧倒したい。
メモ>連射はスムーズだし遠くのベースBを狙えるだけの距離も速度もあった。運要素もあるのかなかなか得点に繋がらず…。

B:津山A vs ★大島商船B 0−0(審査員判定 0−3)
津山:今年の狙いはみんなの視線を集めること。バネを使ってまるでやり投げのように紙飛行機を飛ばす。紙飛行機の形にも注目してほしい。
メモ>アームで飛ばす途中で飛行機が落ちてしまい、なかなか前に飛ばせず…。けどなんか健気で好き。
大島商船:大島商船の伝統、木で作られたロボット。ロボットの足回りは重機のように帯状に板をつないで回転させながら進むキャタピラー式。木の音にも注目してほしい。発射部分は手で紙飛行機を飛ばすようにアームを使って得点を狙う。
メモ>アームの動きがゆっくり。紙飛行機の軌道が人がふんわり投げてるみたいにゆるやかですごくきれい!

C:松江A vs ★広島商船B 0−3
松江:左と右の異なる発射方法で、主に遠くの滑走路とベースBを狙う。左はローラーで右は機械の上にあるフックで紙飛行機を引っ掛けて飛ばす。連射スピードにも注目。
メモ>ふわっと浮かせて手前を狙ったり、遠くを狙ったり一度に3機飛ばしたり、色々な戦い方ができるロボット。
広島商船:ロボットと同じくらいこだわったのが紙飛行機の折り方。紙飛行機を折るために型から作成。熱したアイロンで紙飛行機を折った。
メモ>ベースA狙いで得点!紙飛行機の形にブレが少ないからか、同じ場所に連続して狙えていた感じ。

D:★大島商船A vs 徳山B 1−0
大島商船:9月までリモート授業…なので去年の部品なども使って1ヶ月で作製。ゴムの力を使って3機ずつ飛ばす。正確な発射に注目してほしい。
メモ>順調に飛ばせてるし、動きも軽いので何往復もできる
徳山:1ヶ月に及ぶ校内の停電(!)に見舞われながらも作製。車輪の部分は前後左右自由な動きができるメカナムホイールを採用。角度を変えることなく平行に移動することができる。滑走路一点集中で大量得点を狙う。
メモ>移動はできるものの、紙飛行機を射出できず…。次は打っているところをぜひ見たい!

第3試合

A:米子B vs ★呉A 1−11
両チームとも1試合めは0点だったものの、ロボットは順調に動き紙飛行機も飛ばせていたので今試合ではぜひ得点してほしい!
呉、今大会で初めてのベースBに得点!ベースAにも2機得点。ベース狙いの戦略がうまくいった感じ。

B:★宇部B vs 津山A 0−0(審査員判定 2−1)
両チームともアームをぶん回して紙飛行機を飛ばすスタイル。
宇部は一貫してベースBの一点狙い。射出シーン、なんか見入ってしまう魅力があるよね。
津山の紙飛行機は植物の種に着想を得た、飛ぶというよりはハラハラと舞い落ちるような形のものも使っている。今回は前方に飛ばせてて、あと少しで得点という紙飛行機も多かった!

C:米子A vs ★松江A 0−0(審査員判定 0−3)
米子は鬼のロボット。マシンも紙飛行機も大きい!愛嬌あるよね。
松江は紙飛行機を装填するときがスッと入っていって気持ちいらしい(アナウンサー談)。遠くまでふわっと紙飛行機を飛ばして滞空時間が長い。

D:津山B vs 徳山B 0−0(審査員判定 0−3)
津山の3つの発射方法がある戦隊ロボと、徳山の350機の紙飛行機大量搭載ロボの対決。
津山はスタートできず、徳山はテイクオフゾーンに行くものの飛ばせず…。

第4試合

A:広島商船A vs ★徳山A 1−10
確実性重視の広島商船と、大量射出の徳山の対決。
広島商船がスタート時にトラブル。40秒ほどで復帰、射出成功。
その間に徳山はどんどん大量の紙飛行機を飛ばす。主に滑走路を狙いで得点を重ねる。ベースAに乗せるのも成功!

B:★松江B vs 大島商船B 3−1
松江は紙飛行機を(どこを狙うというわけではなく)色んな方向にばらまくスタイル。
大島商船は一投にかける!
先に得点したのは大島商船。ふんわりときれいな軌道でスポットへの着地成功。しかしその後すぐに松江がベースAに乗せて逆転。

C:宇部A vs ★広島商船B 0−3
大会直前に装填部分が壊れてしまい最低限の紙飛行機の搭載で挑む宇部と、紙飛行機の折り方(アイロンで折ってる)にとことんこだわった広島商船の対決。
宇部はベースAを狙いつつ、その流れでロボットから対角線上にある遠くの滑走路も狙えるという感じ。狙い通りベースAで得点!

D:★呉B vs 大島商船A 2−0
両チームとも最初の試合ではスポットで得点したチーム。
呉はスタートと同時に相手から一番近いスポットを狙いに行った。呉は紙飛行機の再装填なしで3箇所のスポットAを連続で狙いにいけるので、自陣に近いスポットから狙うより先に相手陣に近いスポットまで行って戻ってくるルートの方が操縦が楽だし、ロボット同士の衝突・進路妨害のリスクも減りそう!(その戦略を可能にするロボットのスムーズな動きとスピードもすごい)

 決勝トーナメント

準決勝

第1試合 ★徳山A vs 松江B 12−3
開始10秒ほどで徳山が大量の紙飛行機の射出開始。その後松江もベースAに乗せて得点。
徳山は滑走路で得点を大量に稼ぎつつ、ベースAも同時に狙うため得点力が高い!
でも松江も再装填のためスタートゾーンに戻ることも多かったのに、毎回安定した7機同時射出で第4試合に引き続きベースAに乗せたのもすごかった!

第2試合 呉B vs ★広島商船B 3−6
呉、開始20秒でスポットに2点分乗せた!広島商船も開始40秒すぎにベースAに得点。
確実に点を取れる場所を序盤で狙っていく呉の戦略と、終始ベースAを狙う広島商船の戦略対決。
呉も後半ベースA付近を狙って何回か射出するものの、飛行機の曲がり方がうまくベースAにハマらず…!

エキシビション

第1試合 津山A vs 米子B 0−0
バネを使ったやり投げスタイルで紙飛行機を飛ばす津山と、タッチパネル式のコントローラーを使う米子の対決。
津山、どうしても上に投げちゃう…!ふわっと落ちる紙飛行機の形が変わってる。
米子はふわっと紙飛行機を飛ばせてるけど、スポットに乗らず…!でも装填機構から射出機構に紙飛行機移すときの動きがシンプルだけど見てて面白かった。

第2試合 ★広島商船A vs 呉A 2−0
左右で別の場所を狙える射出機構&自動制御の移動の広島商船と、予選でベースA,Bに乗せた実績のある呉の対決。
広島商船は遠くの滑走路狙いの射出を試みたけど、うまく届かなかったので近距離狙いに素早く切り替え。
呉はひたすらベースB狙い!得点はできなかったけど、惜しいものも多く見ていて面白かった!

勝戦

★徳山A vs 広島商船B 10−0*
徳山は安定の大量射出で滑走路で大量得点。
広島商船も今までの試合と同様、1機ずつの連続射出でひたすらベースAを狙う作戦でしたが、得点ならず…。
徳山がとにかく大量に紙飛行機を飛ばしてくるので、空気の流れが変わるのか視野が遮られるのか広島商船は今までよりもベースAが狙いづらそうな印象を受けました。

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉徳山高専Aチーム 双宿双飛(ソウシュクショウヒ)
  • 〈推薦〉呉高専Bチーム Aspectacle(アスペクタクル)
  • 〈推薦〉大島商船Bチーム とうきくん(トウキクン)

中国地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定3チームの皆さん、おめでとうございます!

優勝は全試合ふた桁得点で勝利した、圧倒的得点力の徳山高専Aチームでしたね!
紙飛行機吸い上げ方式(勝手に私が呼んでるだけ)が可能にしたスムーズな連続大量射出、お見事でした!飛行機吸い上げるときの動きがなんか健気で好き。

高専Bチームは、ロボットの上段下段で全く異なる射出、テイクオフゾーンの位置取りなど多彩な攻撃が魅力的でした。
「呉高専独自の強力なシリンダーをさらに改良」したとのこと、全国大会でもその発射スピード楽しみにしています!

大島商船高専Bチームは、なんといってもあの美しい紙飛行機の軌道!ロボットが紙飛行機を投げた瞬間、時間がゆっくり過ぎていくかのような感覚に陥りました。
ほとんど木で作られているというロボットのデザイン性も素敵。
全国大会でもぜひ、国技館に優雅な時間をもたらしてください!

そのほかのチームも、造形にすごく凝っていたり、奇抜な発想でワクワクさせてくれた中国地区大会でしたね!
全国大会出場が決まった2チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

あと、会場の応援にティラノサウルスの着ぐるみ来てたね?(ティラノサウルスリレーのある鳥取高専の応援…?)