2022年11月27日(日)、東京の両国国技館にて高専ロボコン全国大会が開催されました。
高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。
今年のテーマは「ミラクル☆フライ〜空へ舞いあがれ!〜」。
ロボットが飛ばした紙飛行機を得点箇所に乗せることで得点を競います。
ロボコン史上最高難度と言われた今大会ルール、発表当時は「一体このルールに対応できるチームはどれくらいあるの…?難すぎん…?」と囁かれておりましたが、全国大会ではどのチームもしっかりルールに対応してきて非常に見応えのある、熱戦が続く全国大会となりました。
本記事では(素人である)筆者の考察などは載せず、試合結果と各賞の記録、個人的感想に留めたいと思います。
また本記事はYoutubeでの全国大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。
競技ルール
ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 19:10〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。
ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。
全国大会決勝トーナメント
1回戦
1 ★小山高専 vs 大島商船高専 0−0(審査員判定 赤チーム)
2 呉高専 vs ★大阪公大高専 4−5
3 香川高専(詫間) vs ★奈良高専 44−Vゴール(参考得点23点)
4 旭川高専 vs ★石川高専 13−34
5 都城高専 vs ★一関高専 0−1
6 長野高専 vs ★群馬高専 1−13
7 ★福島高専 vs 有明高専 6−1
8 ★大分高専 vs 徳山高専 Vゴール(参考得点20点)ー8
9 ★香川高専(高松) vs 鈴鹿高専 31−15
10 苫小牧高専 vs ★熊本高専(八代) 2−8
11 ★和歌山高専 vs 秋田高専 195−3
2回戦
1 国際高専 vs ★小山高専 3−4
2 ★群馬高専 vs 東京高専 22−6
3 富山高専(本郷) vs ★福島高専 1−3
4 大阪公大高専 vs ★奈良高専 0−Vゴール(参考得点65点)
5 ★石川高専 vs 一関高専 16−0
6 ★大分高専 vs 香川高専(高松)Vゴール(参考得点15点)ー20
7 熊本高専(八代) vs ★和歌山高専 2−276
準々決勝
※ワイルドカードは徳山高専です!
1 小山高専 vs ★奈良高専 0−Vゴール(参考得点35点)
2 石川高専 vs ★群馬高専 9−14
3 福島高専 vs ★大分高専 3−Vゴール(参考得点16点)
4 ★和歌山高専 vs 徳山高専 69−7
準決勝
1 ★奈良高専 vs 群馬高専 Vゴール(参考得点21点)−15
2 ★大分高専 vs 和歌山高専 Vゴール(参考得点15点)−45
決勝
★奈良高専 vs 大分高専 Vゴール(参考得点22点)−2
開始38秒で奈良高専がVゴール達成!
エキシビション(決勝前に実施)
大会結果・各賞
ロボコン大賞
徳山工業高等専門学校 「双宿双飛」
優勝
奈良工業高等専門学校 「三笠」
準優勝
大分工業高等専門学校 「國崩し」
アイデア賞
長野工業高等専門学校 「信州ずくだせランド」
技術賞
和歌山工業高等専門学校 「とば~す君」
デザイン賞
有明工業高等専門学校 「AppRoachIng」
アイデア倒れ賞
都城工業高等専門学校 「華て!カババッ!」
特別賞
本田技研工業株式会社
富山高等専門学校(本郷) 「SKY×FAMILY」
マブチモーター株式会社
大阪公立大学工業高等専門学校 「AIRsROCK」
株式会社安川電機
熊本高等専門学校(八代) 「fourtress」
東京エレクトロン
旭川工業高等専門学校 「吹雪」
田中貴金属グループ
香川高等専門学校(詫間) 「prize」
セメダイン株式会社
大島商船高等専門学校 「とうきくん」
株式会社牧野フライス製作所
都城工業高等専門学校 「華て!カババッ!」」
感想
というわけで、高専ロボコン2022全国大会で優勝に輝いたのは、圧倒的強さを見せた奈良高専の「三笠」でした!
そして栄えあるロボコン大賞に選ばれたのは、徳山高専の「双宿双飛」!
徳山高専、初戦が大分高専(全国大会ではVゴール3回達成して決勝まで進んだ)との対戦だったりワイルドカードで復活した準々決勝でも和歌山高専(本大会最高得点)との対戦だったりで、トーナメントの成績こそ対戦カードの運命で奮いませんでしたが、その技術力-とぬるぬる動く変態機構-が審査員から高く評価され、見事大賞獲得です!
確かにあの紙飛行機を一枚ずつ吸い上げてぬらぬら飛ばす動き、ずーっと見入ってしまう不思議な魅力がありました。
そして人の手で飛ばすような、優雅な紙飛行機の軌道…!
もちろんそれだと試合に勝つのは難しいので、ほかのチームはそういう戦略を取りづらかったんだと思います。
しかし、「紙飛行機を飛ばす」「それをロボットが行う」というテーマの最根本をとことん追求した、ロマンあふれるロボットでしたね!
勝つことを徹底したロボットとテーマを深く追求したロボットとで、優勝と大賞を分け合った大会になったと思います。
個人的には、有明高専の「AppRoachIng」がすごく好きでした!
夜の飛行場を再現し、飛ばした紙飛行機がランディングゾーンの滑走路に見事着地したときは「やったー!」と声が出てしまいました。
それにしても今回の全国大会は、試合でロボットがうまく動かないというチームもほとんどなく毎試合毎試合熱戦が繰り広げられるので、3〜4時間きゃーきゃー言いっぱなしの大会でした。
出場した高専生、関係者のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした!
そしてありがとうございました!
また来年、春にまたルールが発表されるまで楽しみに待っております〜〜!