Daisy Bellの憂鬱

日々の出来事の記録(秋は高専ロボコン)

2024年高専ロボコン テーマと大会日程

photo by Romain HUNEAU(https://unsplash.com/ja/@honni)

今年も高専ロボコンの季節がやってきます!

official-robocon.com

 

2024年の競技課題は、

『ロボたちの帰還』

ざっくり言うと、メインロボットから小型ロボ飛ばして、小型ロボは着地先にあるモノを回収して戻ってこ〜い、といった課題。

ロボット1がエリアA*1からロボット2を(エリアB*2を越えて)エリアC*3に着地させ、ロボット2はエリアCにあるボールを回収したり、ボックスを持ってエリアAに戻ってくる…みたいな。

正直私も細かいことはよくわかってないよ!
ロボットが宙を舞うとか2021年高専ロボコン大賞のアクセル姉さんかよ。

ロボットを遠くに飛ばすというルール設定は、2024年1月に月面へのピンポイント着陸に成功した小型月着陸実証機SLIMなどからも着想を得ているようです。*4

よくわかってないなりに、2024年のルールブックと大会日程について下記にまとめました。

地区大会の観覧募集はすでに始まっているところも多いので、観覧にご興味ある方はお早めに!

2024年度ルール関連資料

最新ルールブック(2024年7月9日修正版)

最新FAQ(2024年8月9日版 VER.4)

フィールド図面(2024年4月17日) 

 

大会日程

地区大会

関東甲信越地区大会

9月22日(日) 千葉ポートアリーナ
観覧募集 8/30 応募期限、応募多数の場合は抽選)←募集終了

中国地区大会

9月29日(日) 岡山県津山総合体育館
観覧募集 9/16 応募期限、先着順)

四国地区大会

9月29日(日) 香川高等専門学校高松キャンパス第一体育館
観覧募集 9/6 応募期限、応募多数の場合は抽選)

東海北陸地区大会

10月6日(日) プラサヴェルデ 多目的ホール
観覧募集 9/16 応募期限、応募多数の場合は抽選)

近畿地区大会

10月6日(日) 舞鶴文化公園体育
観覧募集 先着順)

北海道地区大会

10月13日(日) ウインドヒルくしろスーパーアリーナ
観覧募集 応募多数の場合は抽選)

九州沖縄地区大会

10月13日(日) 早水公園体育文化センター
観覧募集 9/18 応募期限、応募多数の場合は抽選)

東北地区大会

10月20日(日) 鶴岡市藤島体育館
観覧募集 9/20 応募期限、応募多数の場合は抽選)

 

全国大会

11月17日(日) 両国国技館

*1:スタートゾーン含む

*2:エリアBはあらゆるロボットの接地不可。ここをどうやって越えるかが前半の肝っぽい

*3:着地スポットとボールやボックスが置いてあるオブジェクトゾーンを含む。ロボット2がエリアC内で最初に接地した場所によって得点が変わる

*4:ルールブックP.1「はじめに」より

2024年初夏、出産しました

前の記事はこちら↓

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photo by Fé Ngô(https://unsplash.com/ja/@fengo)

前の記事をアップしてからわりとすぐに、破水して第一子を出産しました!

予定日全然先だったから油断していた。
そして無痛分娩希望でしたが、結局緊急帝王切開で生みました…。

なんかもう色々あって、陣痛の痛みも、硬膜外麻酔で痛みが和らぐ経験も、急遽手術室に運ばれて帝王切開で赤子を取り出されるのも、ひととおりやったぜ!

生むまでに70時間かかったぜ!白目剥いたぜ!

でも私も子も、病院の定める通常の入院日数で元気に退院しました。
むしろ大部屋で同室だった人(彼女は私と同じ日に自然分娩で出産)の方が入院長引いていた…。
まぁ入院生活が精神的に辛すぎて、一刻も早く退院したいがために術後気合いで起き上がって早めに歩行訓練始めたのが功を奏したのかもしれん。

なお精神的に辛かったのは、お医者さんや助産師さんが冷たいとか感じが悪かったとかではありません。
主にホルモンバランスのせいです。

まぁ緊急帝王切開で夜遅くに病室に担ぎ込まれたためなのか、病室とか新生児室の使い方の説明をほとんどされていないことに入院生活も半分以上過ぎた頃になってやっと気付いたりしたけどさ…。

私の数日後に入院した隣のベッドの人に説明してるのがたまたま聞こえて
「そ、そうだったのか…知らなかった…」
「だからあのとき授乳してたら微妙な顔されたのか…*1
みたいなことが複数発覚し、「な、何だよ、『わからないことは質問してくださいね★』って言われても、そもそもの前提条件や基本ルールを教えてくれなきゃ質問も出ないよ…」とぶつくさする事もあった。

が、まぁスタッフの方々は死ぬほど忙しそうだったし、出産直後で頭がろくに働いていない妊婦の相手など慣れてるだろうし、なにより皆さんとても丁寧で親切だったので何でもいいです。*2

というわけで、妊娠中日記がものすごく中途半端なところでぶった切られているのですが、2024年の高専ロボコンも始めるので並行して続きを書くかしたいと思います。

妊娠・出産日記と高専ロボコンが同時に語られるカオス。

*1:毎日の新生児の体重測定時刻を全く知らされていなかったので、測定時刻の直前に母乳あげてしまったらしく助産師さんに「あ…いえ、なんとかします」って言われて「?」となった

*2:そのわりにネチネチ自分のブログにまで書いている

2023年秋、聞いてない、副乳(妊娠初期 その5)

前回記事はこちら↓

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photo by Giulia Bertelli(https://unsplash.com/ja/@giulia_bertelli)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

妊娠中は様々なマイナートラブルに苦しんだり、自分の身に実際に降りかかってみて初めて知る身体の変化が多々ある。

私の場合、妊娠中一番最初に「そんなの聞いてない!」とびっくりしたのは副乳だった。

副乳とは

人間の乳房は左右に一つづつあるのがふつうです。
生まれつき乳房の数が多いのを多乳房症といい、過剰な乳房を副乳といいます。
副乳は哺乳動物の乳房のある位置に相当するところ、すなわち、わきの下から正常乳頭を通り太ももの内側に至る弓なりの線上にみられることがほとんどです

下記ページより引用

jsprs.or.jp

通常の乳首の下あたりにもうひとつ(あるいは複数)小さめの乳首がある人もいる、というのは、私の双子の甥っ子が二人ともそうなので知っていた。

手術で切除もできるみたいだが、二人ともそのままにしているので*1「まぁそういうこともあるよなー」と私自身は特に気にすることもなかった。

しかし妊娠が確定してから数週間後のある日、お風呂で全身を洗っている折、自分の脇の下に今まで感じたことのないしこり?のようなものと、それがかすかに熱を帯びていることに気付いた。しかも両脇である。

「え、なんかちょっと痛い気もするし、なにこれ…」

しこりとか僅かにせよ熱を帯びているとか若干の痛みがあるとか、安定期に入る前だしつわりもまだあるし、なにより未知すぎてとにかく恐怖を感じた。

とりあえず風呂から上がり、「妊娠 脇の下 しこり」でGoogle検索する。

正直インターネットの妊娠・出産情報は(妊娠中日記を書いておいてアレだが)医学的根拠に乏しいものや徒に不安を煽るだけのものもあるので、身体の異変については主治医や通院先のお医者さんに確認することは必須だと思うのだけど、とにかく「これはよくあることなのか、それとも稀な事案なのか?」というのを確認したく検索してみた。

するとまぁ、「副乳である可能性が高い」といった感じ。

副乳? 私が知ってるやつとだいぶ違うぞ??

上記の引用元URLなどを確認すると、副乳とは乳首の数が多いといったわかりやすいものから、今回の私のように脇の下のしこりっぽい膨らみなど、要するに脇の下から太ももの内側までの間で「大昔哺乳類として乳首があったっぽい場所」に出現する(現代では)過剰な乳房・乳首といったものであった。

脇の下なんかにある場合はただの脂肪と思わがちのようで、生理のときに少し腫れたり、今回の私のように妊娠・出産でホルモンの分泌量が大きく変化し初めてその存在に気付くケースも多いらしい。

ちなみに女性の場合、出現率はおよそ5%程度とのこと。*2

なんか私って、アスパラ食べたあとの尿の匂いの変化に気づけるとか、「日常生活に大きな支障はないが、あっても別に役に立たない、そこそこマイナーだがめっちゃレアというわけでもない」という身体的特徴を結構持っているのだな…。

(ちなみにアスパラの話しはこちら→ 2023年秋、心拍を確認する(妊娠初期 その1) - Daisy Bellの憂鬱

まぁとにかく、そこまで「Emergency!Emergency!」というわけではなさそうで安心した。

後日の健診時、改めてお医者さんにも確認してもらったが

「これは多分副乳だね〜。ずっと痛いとか腫れがひどいとかだと別の病気がある可能性もあるけど、保冷剤とかで冷やして痛みや腫れが落ち着く程度なら心配するほどではないよ〜。様子見で大丈夫」

とのことで、一安心。

しかし地球を我が物顔で牛耳ってるつもりになっている人類も、妊娠でおっぱいが増えるとか、所詮「脳がでっかくなってちょっとほかの哺乳類より進化したっぽくなってる」だけでやはり動物なのだな…。
そして我ながら、おっぱいが増えただけでこんなに動揺してしまうだなんて…。

それにしても、妊娠といったらつわりとか貧血とか、平たく言えばメジャーな異変や不調についてはよく語られるけど、自分が経験してないから知らないだけであって「え、そんなことがあるんですか…」というマイナートラブルが山のようにあるのだろう。

改めて、それぞれ色々抱えながら妊婦さんみんな頑張ってるよ! 偉いよ!

不安なことは都度お医者さんや看護師さん、助産師さんとかに確認して、一個一個乗り越えていこうね!(誰だよ)

*1:双子はすでに成人・就職しております

*2:これは平時でも「明らかに乳房・乳首っぽいもの」と認識出来るものの数値なのかも? 10〜20%としてるHPなどもあるので、私のように妊娠などで一時的にはっきり表れるものも含めるともっと数値が高くなるのかも

2023年秋、つわりは軽くても辛いものは辛い(妊娠初期 その4)

前回記事はこちら↓

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photo by Zohre Nemati(https://unsplash.com/ja/@zohre_nemati)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

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世の中には、つわりで全く動けなくなる人もいる。
特定の食材のみならず水さえも飲み込むのが辛くなったり、世間にごくごく一般的に漂う香り(ご飯の炊きあがった匂いとか)でも吐き気をもよおしたり、ロクに食事が取れないまま数週間、場合によっては数カ月を過ごす人もいる。

それに比べれば私のつわりはわりと軽かった。
どちらかと言えば食べてないと気持ち悪くなる食べづわりで、一見普通に食事をするので他人から見ても「つわり軽そうでよかったねー」という感じだった。

しかし重い人に比べたらマシという話しで、本人としては辛いもんは辛いのだ。

空腹がちらっとでもやってくるとすぐ「おええェェェ…」と気持ち悪くなるので、常に何かを食べていないと落ち着かない。
しかし食べ過ぎたら食べ過ぎたで、元来胃腸が丈夫でない私はすぐに消化不良を起こす。
そうなるとまた別の「おええェェェ…」状態となる。

さらに「おええェェェ」となってトイレに駆け込んでみたところで、別に吐くわけでもない。
何か出るわけでもないのに、ずっとなんとなく「おええェェェ」となってるのだ。

もちろん吐く方が胃酸で歯や食道がやられたりするし、体力も消耗するし、何より自身や胎児への栄養状態は大丈夫なのかと不安になるだろう。
それに比べたら「食べられるし吐かないならいいじゃん」というご意見はごもっともだし、私だってそう思う。

でも繰り返す。辛いもんは辛いのだ。そしてその辛さは個人で抱え込むよりほかない。

さらにつわりでは、特定の食べ物しか受け付けなくなったり、妊娠前は平気だったのに急に特定の食べ物が食べられなくなったという話しをよく聞く。

私の場合、一切受け付けなくなったのは人工甘味料であった。

妊娠前から人工甘味料の甘さは好きではなく、オ○ンジーナが「糖質25%カット、より軽やかな飲み心地を実現しました」とか言ってオラ○ジーナエアリーにリニューアルついでに人工甘味料(アセスルファムK)を使い始めたときは「人工甘味料の甘さまっず、ふざけんな」(個人の感想です)とキレたものよ。好きな人すいません。*1

とはいえ人工甘味料絶対にNGというほどではなく、調理方法によっては気にならなかったりなんなら気付かなかったり、仮に入ってることに気付いても「あー、この甘さ人工甘味料か、まぁいっか」と適度に受け入れられるシーンも多かった。

それくらいの緩い「人工甘味料あんま好きじゃない」派だったのに、つわりが始まった途端に過激な「これ人工甘味料入ってんじゃんまっずもう買わない」派に鞍替えしたのだ。

そんなのつわりが落ち着くまで人工甘味料を避ければいいじゃんという話しなのだが、繰り返すが私は「食べづわり」だった。
吐き気をコントロールするために常に食べ続けていると、体重が急激に増加する。
じゃあカロリー低くてさっぱり食べられるもの、ゼリー系飲料とか飲もう…と思うと、大抵そのようなカロリーオフ商品には人工甘味料が含まれている。

辛い…今思い出しても辛い…。

結局どうやって乗り切ったのかあんまり覚えていないが、納豆をそのまま食べたり炭酸水を飲んで気を紛らわしていた気がする。
あと港常のあんずボーを凍らせて1日1本食べていた。あんずボーがなければストレスで発狂していた可能性さえある。*2
ありがとう港常のあんずボー…。

「つわりがあるのは赤ちゃんがお腹の中でちゃんと育っている証拠★」

「ママになるために身体も変化してるんだよ★」

「ママだけでなく赤ちゃんも頑張ってるんだよ★」

「赤ちゃんの魂がママの魂と調和する過程で起こるものだよ★」(スピリチュアル寄り)

などなど、つわりの辛さを肯定するための謎の上からアドバイスが世の中には存在するが、そんなもん

うっせぇ黙っとけ!!
今私を救ってくれるのはあんずボーだけだ!!

である。なんでこんだけ西洋医学は進歩した風を装っているのに、こんなにつわりで苦しむ妊婦が多いのだ。
まぁ今でも一応つわりが重い人向けに処方してもらえる薬もあるし、2023年末のケンブリッジ大学による研究発表によってやっと具体的な原因が特定されつつあるようではあるが…。

妊婦のつわりの原因を特定、重症化予防の可能性も 英ケンブリッジ大研究 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

とにかくつわりが辛くて、上記のようなふわっとしたアドバイスには心の中で悪態をつきまくっていた。
しかし悪態をつきまくっているせいか、攻撃性が上がり頭が妙に冴え、仕事は異様に捗った。

そういう意味では、やはり振り返ってみるとつわり、総合的には軽い方だったと言えるのだろうな…。

でもこうやって自分の体験をほかの人の体験と照らし合わせてみると、つわりが重いとか軽いとか、そもそもそういう評価軸で語るものでもないのでは?という気もしてくる。

あまりにも個々の体験が千差万別すぎる。

でも食べられない起き上がれない吐き気が止まらないタイプのつわりだった人が、朝昼晩きっちり食べ合間にあんずボー食いながら仕事はガシガシやってた私のような人間から「つわりの辛さって人それぞれですよね、私も辛かったです」とか言われたら場合によっては腹立つだろうな…という気もする。*3

やはりここは、自分の体験は自分事として大切にしつつ、タイプは違えど同じ現象を味わった者として、先人やこれから体験する人に可能な限りの思いやりやいたわりを持って接していきたいね…ということで、私のつわり体験記の総括といたします(なんじゃそりゃ)。

*1:個人的にはジュース飲んでる時点で糖質カットも何もないだろ…と思うのだが…

*2:人工甘味料NGなのは自然派志向ゆえではなく単純に味が嫌いだったので、あんずボーに含まれる果糖ぶどう糖液糖は気にならない

*3:状況によっては、生理やつわりのことを全く知らない男性よりも、生理やつわりが軽かった女性の方がそれで苦しむ女性に対して当たりが厳しいという話しも聞くしね…

2023年秋、とかくこの世は産みづらい〜出生前検査するか否か(妊娠初期 その3)

前回記事はこちら↓

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photo by Jess Bailey(https://unsplash.com/ja/@jessbaileydesigns)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

 

お金の話しにビックリしつつも「まぁそんなもんか…」と納得したところで、出産までの大まかな流れを教えてもらう。

そして看護師さんから「現時点でご希望かはともかく、ソラリスさんの年齢だと一般的にどうしても色んなリスクが上がってくるから、少しでも選択肢にあるのならちょっと丁寧に説明したいのだけど…」と告げられ、とある検査の説明を受ける。

出生前検査である。

出産費用については夫婦共々若干無頓着であったが、出生前検査については妊娠する前から夫婦で話題にしていたし、妊娠検査薬で陽性が出たあとも少し話し合っていた。

夫婦の意見としては、「夫婦二人とも40歳超えている分障害児が生まれるリスクは上がるだろうし、年齢的にも明らかに障害があるとわかっている子を育てるのも身体的・経済的に厳しいのでは」「病院で詳細を聞いて、検査することも検討していこう」といった感じだった。

「ちなみに今の時点で検査を受けたいとか、絶対に受けたくないといったご希望はある?」

「あ、年齢が年齢なので、検査を受けることも考えてはいて…」

「そうなんですね。じゃあ、説明させていただきますね」

看護師さん曰く、一口に出生前検査といっても色々な種類があり、

などがある。それぞれメリット・デメリットがあり、(説明を受けた中で私が記憶している範囲だと)

クアトロテスト → 母体血清マーカー検査の一つ。比較的安価に受けられるが、年齢が検査結果に反映されるため、胎児に問題がなくても(40歳を超えていると特に)染色体異常の可能性が高めに出る。

NIPT → 妊娠中の母体の血液から染色体異常を調べる。安全性は高く精度も高いが、費用も高い。実施施設にもよるが15万〜20万くらい。

羊水検査 → 羊水を直接採取して検査する。お腹に直接針を刺して羊水を採取するため、稀ではあるが検査による流死産の可能性がある。夫婦いずれかでも染色体異常の保因者、高齢出産、クアトロテストやNITPなどで胎児の染色体異常の可能性を指摘された場合などに行われる確定診断検査。

といった感じ。

「うちでできるのはクアトロテストだけなんだけど、さっきも言ったとおりほかの検査と比べると年齢が検査結果に反映されがちな検査なんですよね…。実際は赤ちゃんに特に問題がなくても、年齢要因が強く出て陽性になったら、本来必要なかった不安やストレスを抱えることになるかな…と。こちらとしては、ソラリスさんの場合は検査をご希望なら最初から精度が高いNIPTを検討した方がいいんじゃないかなぁと思います。でももちろんクアトロテストが無意味なわけではないので、そこは考え方や費用も含めて判断してもらえれば」

なおクアトロテストとNIPTの価格差、10万円以上…。まぁこの際値段はともかく。

「念のため」とか、「身体・経済的なことを考えて」とか、実際に現実に直面するまではそれっぽい理屈となんとなくの感情で「まぁ受けるのもありだよなぁ」と思っていた。
けれどもいざ対峙せざるを得ない状況に立たされると、状況と感情の折り合いをつけるのもなかなか難しい。

つまりは「障害があるとわかったらどうするのか」という一歩踏み込んだ議論を本気でしなければならない。

・「明らかに障害があるなら今回は諦めよう」(=人工妊娠中絶する)

を選ぶのか、

・「障害があっても産んで育てていく」

を選ぶのか。

でも障害があっても産むのなら、そもそも検査自体やらなくていいんだよなぁ…(事前にわかっていることで準備できることはたくさんあるけれど)。

そして出生前検査は、(母体保護法によって22週以降はいかなる理由があっても人工妊娠中絶を行うことができないこともあり)受けるならだいたい15週前後までに、検査結果が出るまでの時間や確定診断検査に進む可能性も考えると遅くとも18週頃までに受けるように指示される。

NITPは10週頃から受けられるとはいえ、ある程度妊娠の可能性を意識しているカップルであれば妊娠2ヶ月頃にはおそらく病院へ行くだろうし、妊娠が成立していればそのタイミングで胎嚢と心拍を確認するだろう。
そこから数週間経ってからの出生前検査となる。そしてもちろんその間もお腹の中のヒトはどんどん育っていく。

最初見た時はただの袋とドクドク動く細胞の塊でしかなかったものが、出生前検査を受ける頃には「頭と体と、なんか手っぽいものは見える」状態にまではなっているのだ。

これは私の個人的感覚及び感想だが、胎嚢と心臓くらいならまだ「細胞だー」という感じだが、頭と体と手まで見えてくると、一気に「超初期のヒト」という感覚になる。

超初期とはいえヒトっぽい形になりつつあるヒトを、検査結果によって中絶するという判断を私は下せるのだろうか…。

とはいえ、出生前検査の結果で人工妊娠中絶を選択した先人たちを批判するつもりは一切ない。
色々な事情があるし、検査結果を判断材料としてそのまま受け入れた人、悩みに悩んだ末に中絶した人、判断材料としてあっさり受け入れたことにしないと心の均衡が保てなかった人、100人いれば100通りの事象だ。

そして検査で障害があるとわかっても産んだ人達も、その後どうなったか、どう思ったのか、それは他人が闇雲に妄想したり首を突っ込んだりする問題ではないと個人的には思う。

「この世の中に障害を持って生まれてくること自体本人も家族も苦しい、だから回避すべき」という意見も、「どんな子どもでも自分の子ども、受け入れてやっていく」という意見もどちらも理解できるが、どちらの方が優れているか、優しいかは私にはわからないし、他人の選択を神格化するつもりもない。

本来の話題とのズレが大きくなってきそうなのでこれ以上細かくは言及しないこととするが、まぁとにかく、なかなか苦しく、考えても考えても判断に迷う問題である。*1

というわけで、看護師さんの話しを聞き若干考え込んでしまったのだが、看護師さんから
「もう少し赤ちゃんが大きくなったら、超音波検査でもダウン症の可能性は指摘できるんですよ。だいたい11週くらいのエコーで赤ちゃんの首の後ろにむくみが確認できると、染色体異常の可能性ありとして妊婦さん報告するの。とはいえむくみがあっても染色体異常によるものじゃないケースも多いんです。出生前検査を受けるか受けないか自体に迷っているなら、そのタイミングを待って判断するのもいいかもしれないですね」

と言われ、「ほーほー、じゃあそうします」とあっさり答える。要するに、問題の塩漬けである。
胎嚢と心拍確認から出生前検査の検討まで、もう頭の回転と情緒がついていかなかったのよこの日は…。(もちろん看護師さんは「おうちに帰ってからゆっくり休んでから、渡した資料とか見てじっくり考えてね!まだ時間はだいぶあるから!」と優しく諭してくれました)

そしてその後、最終的にどうしたかというと、11週頃のエコーで「むくみはなさそうだねー」と言われたので結局出生前検査自体受けなかった。

出生前検査をしても事前にわかる障害は限られているし、出生前検査で陰性となっても検査ではわからない障害が出てくる可能性はゼロではない。
それこそこの先数カ月で私がすっころんだりしてお腹の打ち所が悪かったら…とか、もう不安材料をあげればキリがなく、だったらもう「とりあえず、そのまま産んでみよう」という結論に到った。

この問題に関しては「案ずるよりも産むが易し」とは言い切れないが、とりあえず、何かあってから考えることとしたのだった。

*1:まぁそもそも40歳超えて妊娠するというハイリスクを犯すこと自体自己中で考えなしだという方もいるだろう…

2023年秋、とかくこの世は産みづらい〜出産費用編(妊娠初期 その2)

前回記事はこちら↓

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photo by micheile henderson(https://unsplash.com/ja/@micheile)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

 

胎嚢と心拍を確認しふわっふわした興奮が冷めやらぬまま、「先生の診察はこれで終わりだけど、これから出産までのこととか説明するから準備できるまで待合室で待っててねー」と看護師さんに促され、移動する。

夫共々「ありがとうございました、ありがとうございました」と連呼しながら診察室を出て、改めてもらったエコー写真を見ながら「おぉお、おおお…」と言葉未満の何かを発していた。*1

ソラリスさん、ご主人も一緒にこちらへどうぞー」

診察室のお隣の部屋に通される。

「HPや問診票にも書いてあるけど、当院では分娩はやってないのね。だから妊娠中期〜後期で提携先の分娩可能な病院に転院してもらうことになるんだけど…。まず、自然分娩か無痛分娩、どちらを希望してますか?」

「あ、無痛がいいです」

私は痛みにはそんなに弱い方では無い。
むしろ忍耐してしまう方なのだが、それゆえに以前親知らずを複数本抜いた際「ソラリスさんは普通だったら『無理!』ってレベルの痛みなのに我慢しちゃうから、『あ、これ痛いなしんどいな〜』って思った瞬間に教えてください、麻酔追加します。そんなに無理して耐えなくていいんですよ…」と歯医者さんに諭されたことがある。

なので出産に関しては最初から医師の管理下で痛みと進捗を管理してほしかったし、回避できる痛みなら極力回避したい。

「無痛をご希望ですねー。となると、うちから紹介できるのはJT堂か、T大病院ね…。現時点での病院のご希望はあります?」

「今のところT大病院にしようかなと思ってます(歩いて行けるから)」

「T大ね。T大だったら分娩制限がないから、そんなに急いで予約しなくても大丈夫かなー。一応JT堂の説明も簡単にしておくと、こちらは完全に近いくらい無痛にしてくれるので、すっっごく人気で、すーーーぐ予約が埋まっちゃうのね。だからもし『痛いのは絶対に嫌!』っていうのであれば、心拍確認できた今の時点でJT堂の予約の準備を始めたほうがいいかも…。T大の無痛分娩はある程度陣痛を感じてから麻酔を入れるから、途中まではそれなりに痛みを感じるやり方ね*2。それとT大は土日夜間は無痛分娩ができないから、もしその時間帯に陣痛が来ちゃったら自然分娩するしかないの。もし帰宅後に気が変わってJT堂にしたくなったら、早めに連絡してね!予約取れなくなっちゃうから!」

そうなのか…。無痛にこだわるならJT堂の方がいいのかもなぁ…。
JT堂もバスで行ける範囲で遠いわけではないし。

「あとは費用ね。T大病院で無痛分娩となると、標準でも100万円は覚悟しておいたほうがいいかな…」

たっっっっっか!

「ちなみにJT堂はT大よりさらにもうちょっと高くて、無痛分娩なら120万以上はかかるかな…内容にもよるけどね」

たっか! たっっっか!!!

な、何なん、この無痛分娩のハードルの高さ…。

いい歳して出産及びそれに伴う金銭に関する知識がなさすぎたツケなのだが、私は「10〜15万円くらいで出産の痛みを無くしたり大幅に減らせるならいいじゃん」ぐらいに思っていた。

しかし私が住む東京は出産費用が高いとされ、公的病院の利用かつ自然分娩でも出産費用は平均56万円(2022年度)である。
さらにこれが無痛分娩となると、東京でもそれができる病院・産院数が限られ、そのためなのか無痛分娩できるところはできないところよりも出産費用の最低ラインが10万、20万円単位で高い。
JT堂やT大はそこからさらに10万円単位で高かった。*3
その上で無痛分娩費用が10〜15万くらい加算される。
加えて病室の空き状況、出産措置の内容によっては数万単位で費用が嵩んでいく。

そうこうしているうちに、あっという間に100万円越えとかになるのだ。

2024年現在出産一時金として50万円もらえるとはいえ、これは、これは…出産をほぼ想定していなかった身としては、払えなくはないがビックリしてしまうぞ…。*4

そしてT大、月〜金9〜5時しか麻酔対応してもらえないのか…。
無痛分娩希望の場合は妊娠促進剤による計画分娩になるとはいえ、陣痛って結構夜中とか朝方に来るって聞くし、なんかちょっとギャンブルだな…。
結局自然分娩になるなら、無痛分娩はできないけどT大よりさらに近く多少安いN医大の方がいいのでは?
でも痛いの嫌だしな…でもな〜、JT堂な〜、高いな〜…。

「…大丈夫です、T大病院でいきます…」

「そう? じゃあ分娩先はT大病院の方向でうちでは進めていきますね!」

そして私はこの日から、「平日の9〜5時に生まれてくるんですよ…」とお腹の中のヒトを説得する生活が始まったのであった。

*1:ちなみにこの病院結構空いており、私たちのほかには患者さん1人しかおらずかつ産科にかかってるわけではなさそうだったので、待合室でエコー写真とか見てます。「流産したのに妊娠発覚したての人や順調な妊婦さんと同じ部屋で待機になって辛かった」という話しも聞いたことがあるので、念のため…

*2:無痛分娩といっても前述のJT堂のように極力陣痛をなくすやり方と、このようにある程度陣痛が来てから麻酔を入れるやり方が混在しているらしい。その辺の誤解を生まないよう、T大のHPには「無痛分娩(産痛緩和)」の標記と解説がある

*3:まぁNICUをはじめ高度な医療設備があるので、高齢出産ハイリスク妊婦としては費用が高くてもその点は安心&納得している…

*4:日本の医療のクオリティ、そもそもの産婦人科医の少なさ、さらに無痛分娩に対応できる麻酔医の確保の大変さ等々を考えればお金がかかるのは仕方ないし、病院や医師をはじめとするスタッフが犠牲になることは絶対に避けてほしいのだが、病院によって出産費用の最低金額がこんなに違うのは正直面食らってしまう…

2023年秋、心拍を確認する(妊娠初期 その1)

前回記事はこちら↓

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photo by Ryan 'O' Niel(https://unsplash.com/ja/@ryanoniel)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

 

お腹に自分とは別の生命体がいる可能性がある、ということに狼狽しながら妊娠初診の日を迎えた。
これで胎嚢が確認できれば妊娠確定となる。

比較的周期が安定していた生理開始予定日から2週間近く経っていたし、妊娠検査薬ではっきりと陽性のラインが出ていたので、まず妊娠していると考えて差し支えないだろうな…とは思っていた。(正常に育つかは別として)

が、それとは別に私には、生理開始予定日前から「これ、もしかして妊娠してるのでは…?」と思いあたることがあった。

それは、尿の臭いが今までと明らかに違ったのだ。

どうでもいいことだが私は自分の尿の臭いに変に敏感なところがある。
アスパラガスを食べるとどんなに細かく刻まれていようが少量だろうが尿の臭いが変わるので、「さっきの料理アスパラ入ってたな…」と気づく。

※ちなみにアスパラガスを食べた後の尿の臭いの変化に気付くかは、遺伝子タイプによるそうです。へー。

www.euglena.jp

それが排卵日過ぎてしばらく経った頃から、明らかに「なんか臭いが変わった?濃いような、今までにない臭いが混じってるような気がする…」と異変を感じたのだ。

その頃はまだまだ暑い時期で、こまめな水分補給にはより一層気を使っていたこともあり尿の臭いに変化を感じることなどそれこそアスパラを食べた時以外ほとんどなかったというのに。

「臭いが変わったタイミング的にも、体調不良や何かしらの病気というより、妊娠なのでは…?」

とうっすら思っていたので、妊娠検査薬で即陽性が出たときは「やっぱり!この臭いは!妊娠していた!!」とオロオロしながらも大変に納得したのであった。

まぁ尿の話しはどうでもいいですね。

というわけで、家から一番近いおじいちゃん先生が半ば趣味でやってそうな雰囲気の産婦人科(分娩はやってない)へ向かった。

受付で問診票を渡され記入するが、

◇ 妊娠確定の場合:出産希望・出産を迷っている・出産しない

の項目で一瞬手が止まる。
夫とも話し合い【出産希望】のつもりでここに来てはいるものの、これ(出産希望)に○をつけたらもう引き返せないのだなぁ…と。

夫とは出会って10年近く経っていたしこの先2人で生きていくビジョンは漠然と浮かんでいたものの、そこに私たちの子どもが加わるビジョンはなぜかほとんど描いていなかった。
そもそも当初は別居婚だったし入籍にもそんなにこだわってなかったから、というのもあるけれど。*1

ここから一人の人間を少なくとも成人するまで育てていくとか、未知すぎる…。

そしてウッカリしていたが、一人とは限らない。すでにお腹の中にいる人が双子の可能性もあるではないか…!
双子が生まれる確率は遺伝的要素も強いと聞く。
私の家系は双子がちらほらおり、一番身近なところでは甥っ子は双子である。

ちょっと待って、双子だとまたそれは別の覚悟がいるぞ。
双子だった場合どうすんの、え、産むってことでいいの?ん??

という考えが手を止めた1秒ぐらいの間に頭の中を駆け巡っていたが、これ以上手を止めていると隣にいる夫が「え、本当は産みたくないの?え?」と不安になりそうだったので、エイやと【出産希望】に○をつけた。

いやほんと、産みたくないわけではないんだ…。
いい歳して色々未知すぎて、いちいち思考がショートするんよ…。

受付に記入済みの問診票をお返しし、順番来て呼ばれた後はあれよあれよという感じでおじいちゃん先生による問診と、経膣エコーのためにあの脚ががばっと開く台(雑な説明)に乗せられる。

「じゃあ器具入れるから、力抜いてね〜…」

この結果如何によって、いよいよ人生のターニングポイントを迎えるのだ…。

「…うん、あー、ほら、ここ。胎嚢と、もう心拍も確認できますね〜。妊娠してますね、おめでとうございます」

「…うわああああ、動いてる!なんか動いてる!!」

妊娠!確定!!

いやそうだろうと思っていたけど!
実際に胎嚢と健気に激しく動く心臓らしきものを見ると、今までの人生で経験したことのないふわふわした感動と興奮に包まれた。
と同時に、「動物系ドキュメンタリーで幾度となく見た妊娠という現場に!今私は!人間として、当事者として!存在しております!」というわけのわからない思いに満たされていた。*2

そして「心臓は…一つみたいだね、双子ちゃんじゃなさそうだね〜」という先生の発言に、今日イチ大きな声で「良かったぁあああ!!」と返してしまい、先生と看護師さんに「双子ちゃん大変だもんね〜笑」と笑われた。
へへっ、15分くらい前に「双子だった場合どうすんの」と一瞬本気で考えたからさ…へへっ。

「今は5〜6週って感じかなぁ。心拍は確認できたから、最終月経から算出した出産予定日で保健センターに申告して、母子手帳とかもらって来てね〜。次の健診から使える補助券もそのときにもらえるからね〜」

母子手帳
私のお腹の中にいる私とは別の遺伝子を持った細胞が、これからヒトとして産まれる予定の存在として社会にも認識されるのか…!
感情がバグっているので、些細なことにもいちいち「おぉお、おおお!」と感銘を受けてしまう。

そして無事経膣エコーが終わり、引き続いて別室で看護師さんからの出産までの流れについてのお話しへ。

そしてこのタイミングで、今までふわっとしていた出産までに決めなければならないこと、決意しなければならないことがいきなり現実味を帯びて押し寄せてくるのであった。

*1:信念あって事実婚を選びたいということでもなかったので良きタイミングで籍を入れたが、その後のコロナ禍において夫と法律的な家族としていられたのは余計な煩わしさが増えなかったという点で良かった

*2:私は国立科学博物館のリピーターズパスを持っている程度には自然科学が好きです