※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)
2022年10月9日(日)に新居浜工業高等専門学校で行われた四国地区大会の観戦メモです。
高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。
この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。
さて、参加チーム数は少ないながらレベルの高いチームが揃う四国地区大会。
注目はやはり、2つのキャンパスで切磋琢磨し合う香川高等専門学校の高松キャンパス・詫間キャンパスでしょうか。
しかし妥当香川高専を狙うチーム、個性に全振りしたチームがどのようなロボットで挑んでくるのか、非常に楽しみです!
2022年の大会のテーマ
ミラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜
本記事はYoutubeでの四国地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。
競技ルール
ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 55:00〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです!
ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。
四国地区大会出場校
- 阿南工業高等専門学校(阿南)
- 香川高等専門学校高松キャンパス(香川高松)
- 香川高等専門学校詫間キャンパス(香川詫間)
- 高知工業高等専門学校(高知)
- 新居浜工業高等専門学校(新居浜)
- 弓削商船高等専門学校(弓削)
全6高専及びキャンパスからA、Bの2チームが出場、合計12チームで争います。
全国大会出場枠は2つです。(優勝、推薦1)
予選ラウンド 対戦結果・メモ
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、厳密に分けて書いてるわけではないのでご了承ください。
第1試合
A:弓削B vs ★新居浜B 0−1
弓削:何も機械が見えていない状態から飛行機を発射する昇降装置がお目見えする瞬間に注目してほしい。
メモ>1度飛ばすと紙飛行機充填のために戻る。遠くの得点箇所狙い。距離は十分飛ばせてたけど得点につながらず…惜しい!
新居浜:一回で10発の紙飛行機を飛ばす。元々は2種類の機械を用いて飛ばす予定だったが、重量オーバーのためギリギリまで調整し1種類で1回10発飛ばすようにした。
メモ>開始10秒で1発めの射出、得点。
B:★香川詫間B vs 阿南B 4−0
香川詫間:注目は連射。紙飛行機を送り出すタイヤの高さを何度も調整した。2分半で300以上飛ばしたい。1つのスロットに60機までセットできる。
メモ>連射はスムーズ!得点も確実に重ねていた。
阿南:コンセプトは「一気にVゴールを目指す」。9つの発射台から紙飛行機を放つ。
メモ>発射台が高く上がって9機一気に射出!テンション上がる〜。
C:弓削A vs ★香川詫間A 3−4
弓削:確実に飛ばせるように極限まで無駄を省いた。目標はとにかく動かし、1点でも多く得点すること。
メモ>3機同時に飛ばす。一度にロボットに載せられる紙飛行機は少ないけど、丁寧に飛ばし得点を重ねている。
香川詫間:一気に6発飛ばすことができる。ぶれない飛行に注目してほしい。狙うのは真ん中の透明な筒(ベースA)と奥の筒(ベースB)。
メモ>手前のスポットも確実に乗せられる。遠くに飛ばす紙飛行機はスクリュー状に回転しながら飛んでいっている。
D:★阿南A vs 高知B 1−0
阿南:よく見るとロボットに羽が生えている。こだわったのは高さと角度と速度。
メモ>高い位置から落とすようにして狙う。ふんわりなめらかに飛ばす。
高知:ロボットが自動で紙を折って飛ばすところ(その時間1秒)。織姫と彦星、天の川のデザイン。
メモ>紙詰まりのようになってしまいうまくいかない様子…難しい課題へのチャレンジ!
第2試合
A:新居浜B vs ★香川高松A 1−16
新居浜:2試合め。1回で10発紙飛行機を飛ばす。ロボットの重量オーバーで射出機構を2種類から1種類にした。
メモ>重量対策のためシンプルな構造に変更。手前のテーブル狙い。
香川高松:上下3つの発射装置があり、それぞれ遠距離・近距離のポイントを狙う。操縦に重要なのはコミュニケーションとチームワーク。大量得点ではなくVゴール狙いでいく。
メモ>発射装置は上段1、下段左右に2つ。高いところから奥を狙い、高得点の奥の筒(ベースB)に開始30秒ほどで得点!
B:★阿南B vs 高知A 0−0 (審査員判定:3−0)
阿南:2試合め。9発同時発射に期待。
メモ>一気に9機発射成功!順調に飛ばせるけど、なかなか得点につながらない…難しい!
高知:3つの射出機構があり、紙飛行機にもこだわり。狙う場所によって3種類の紙飛行機を使い分ける。
メモ>下からホップするような形で紙飛行機を飛ばす。ちょっと調子が悪い?
C:★香川詫間A vs 新居浜A 2−0
香川詫間:2試合め。ぶれない飛行に注目、狙うはベース。
メモ>一度に多くの紙飛行機を飛ばす。同じ場所を狙って打つ。奥に飛ばす飛行機はスクリューのように回転して飛ぶ。
新居浜:ベルトコンベアを使った連続発射。
メモ>スムーズな射出。ふわっと浮かびあがるような飛行機の軌道。
D:高知B vs ★香川高松B 0−19
高知:2試合目。ロボットが自動で紙を折って飛ばす。
メモ>ロボットが折った紙飛行機を飛ばすことに成功
香川高松:持ち手のない紙飛行機を自由自在にあやつるロボット。遠距離は縦に回るローラーで回転させて飛ばし、短距離は下側のローラーにビニールテープを巻き、摩擦の力を加えて安定させる。
メモ>小ぶりなマシン。奥の筒を狙う紙飛行機の飛行スピードが速い!紙飛行機の再装填も速い。
第3試合
A:★香川高松A vs 弓削B 11−0
香川高松:1試合目に大量得点。
メモ>開始15秒ほどでベースAに乗せた!ふわっと飛ばして近い位置を狙う射出、高い位置から速いスピードで遠い位置を狙う射出、同時にできる?
弓削:昇降機構のチーム
メモ>セッティングに少し手間取ってしまった?
B:高知A vs ★香川詫間B 1−6
高知:1試合目は少し焦ってしまった。まずは1点を狙いにいきたい。狙う場所によって飛行機を使い分けている
メモ>ちょっと最初手間取った?後半に1点返した!
香川詫間:マシンガン連射。2分半の間で300〜400の紙飛行機を飛ばしたい。
メモ>スタート速い!5秒で打ちはじめた。1つのスロットに60機の紙飛行機をセットできる。
C:新居浜A vs ★弓削A 0−2
新居浜:ベルトコンベアの連続発射。
メモ>ベルトコンベアの紙送り部分が調子悪そう?
弓削:確実に飛ばせるように無駄を省いたシンプルな構造。少し小ぶり。カニの装飾は2019年の先輩から受け継いだもの。
メモ>開始20秒で手前のスポットに得点!3機同時射出。一度飛ばすたびにスタートゾーンに戻って装填。
D:★香川高松B vs 阿南A 4−0
香川高松:1試合めは19得点!次は20点を目指す。
メモ>奥を狙う紙飛行機は回転しながら飛んでる?
阿南:白鷺があしらわれたデザイン。鳥が飛び上がるような優雅な軌道。
メモ>最初は飛ばせていたが、途中から動かなくなってしまった。
決勝トーナメント
準決勝
第1試合 香川高松A vs ★香川詫間A 6−9
香川高松:1機ずつの連射、上下の機構から複数箇所同時に狙えるタイプ。
メモ>すべての試合でかなり正確に、安定して飛ばせているものの、準決勝は相手も強かったため敗退…!
香川詫間:狙った一箇所に大量射出タイプ。
メモ>手前を狙うときと遠くを狙うときで、ロボットの向きを前後逆にして射出してるっぽい?
第2試合 香川詫間B vs ★香川高松B 17−23
得点力、連射力、正確性が両チームともすごかった!
見応えのある点の取り合い試合。
エキシビション
高知B
織姫・彦星があしらわれたデザイン。ロボットが自分で紙飛行機を折って飛ばすチーム。飛行機を紙送りするとき、角度がつくとうまく吸い込まれなくなってしまうのが通常だが、改良を重ねて角度があっても吸い込まれるようにした。
発射機構は1つに500のパーツが使われており、パーツも手作り!
新居浜A
本当なら360枚の飛行機を装填して飛ばせるようにしたかったが、装填のベルトコンベアがうまくいかず試合では本来の力を発揮できなかった。なのでエキシビションでは人力も使って飛ばす。
でろろろって出て見ててきもちいい!笑
高知A
3つのスポット全てに紙飛行機を乗せることを目標に!
紙飛行機を高く上げて急降下させスポットを狙う。
モーターはブラシレスモーターでドローンに使われてる。小型で高出力。
決勝戦
香川詫間A vs ★香川高松B 5−18
香川詫間:ぶれない飛行に注目してほしい。
メモ>安定してベースAに乗せる得点力があるけど、やや紙飛行機の再装填に時間がかかる?
香川高松:紙飛行機を自由自在に操るロボットが特徴。ここまでの試合、3試合中2試合は2桁得点!
メモ>再装填が速い。紙飛行機の軌道が安定しているので、滑走路に乗る軌道を見つけたら一気に大量に乗せることができる。ベースを狙って一気に3or5点を狙える力もあったけど、今試合は滑走路で点を積み重ねるスタイルに切り替え、戦略もあっての優勝!
結果
- 優勝 香川高等専門学校 高松キャンパスB「CONTRAIL」
- 準優勝 香川高等専門学校 詫間キャンパスA「Return」
- アイデア賞 香川高等専門学校 高松キャンパスA「とびうお」
- 技術賞 香川高等専門学校 詫間キャンパスB「prize」
- デザイン賞 弓削商船高等専門学校A「トバシ・ペーパージェット」
全国大会出場チーム
四国地区大会 感想
出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定2チームの皆さん、おめでとうございます!
全国大会出場は強豪校・香川高専の高松・詫間キャンパス両チームとなりましたが、四国大会は予選リーグ・決勝トーナメントを通じて0−0だった試合は1試合のみで、全体のレベルの高さを感じました。
10月もまだ2週目で準備期間は短い方なのに、すごい!
優勝した香川高松Bチームは、得点力のみならず飛行機の再装填の速さも気になりました。
また準決勝のベースBでの大量得点があったので優勝もベース狙いかと思いきや、紙飛行機の調子と戦況を見て滑走路狙いに切り替えた操縦者の方の冷静な判断も素晴らしかったです!
香川詫間Bチームも、優勝でもおかしくない得点力と怒涛の紙飛行機連射で納得の全国大会出場です!
毎試合安定して繰り出される迫力の連射も見応えがありました。
そのほかにも、紙飛行機を折る作業からロボットにさせてしまおうという高知Bチーム、急遽射出機構を2種類から1つに変更することになったものの本番までにはきっちり仕上げてきた新居浜Bチーム、また様々なチームが紙飛行機の折り方や軌道に工夫をこらし、アイデアがたくさん詰まった四国大会でした!
全国大会出場が決まった2チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!