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※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。
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世の中には、つわりで全く動けなくなる人もいる。
特定の食材のみならず水さえも飲み込むのが辛くなったり、世間にごくごく一般的に漂う香り(ご飯の炊きあがった匂いとか)でも吐き気をもよおしたり、ロクに食事が取れないまま数週間、場合によっては数カ月を過ごす人もいる。
それに比べれば私のつわりはわりと軽かった。
どちらかと言えば食べてないと気持ち悪くなる食べづわりで、一見普通に食事をするので他人から見ても「つわり軽そうでよかったねー」という感じだった。
しかし重い人に比べたらマシという話しで、本人としては辛いもんは辛いのだ。
空腹がちらっとでもやってくるとすぐ「おええェェェ…」と気持ち悪くなるので、常に何かを食べていないと落ち着かない。
しかし食べ過ぎたら食べ過ぎたで、元来胃腸が丈夫でない私はすぐに消化不良を起こす。
そうなるとまた別の「おええェェェ…」状態となる。
さらに「おええェェェ」となってトイレに駆け込んでみたところで、別に吐くわけでもない。
何か出るわけでもないのに、ずっとなんとなく「おええェェェ」となってるのだ。
もちろん吐く方が胃酸で歯や食道がやられたりするし、体力も消耗するし、何より自身や胎児への栄養状態は大丈夫なのかと不安になるだろう。
それに比べたら「食べられるし吐かないならいいじゃん」というご意見はごもっともだし、私だってそう思う。
でも繰り返す。辛いもんは辛いのだ。そしてその辛さは個人で抱え込むよりほかない。
さらにつわりでは、特定の食べ物しか受け付けなくなったり、妊娠前は平気だったのに急に特定の食べ物が食べられなくなったという話しをよく聞く。
私の場合、一切受け付けなくなったのは人工甘味料であった。
妊娠前から人工甘味料の甘さは好きではなく、オ○ンジーナが「糖質25%カット、より軽やかな飲み心地を実現しました」とか言ってオラ○ジーナエアリーにリニューアルついでに人工甘味料(アセスルファムK)を使い始めたときは「人工甘味料の甘さまっず、ふざけんな」(個人の感想です)とキレたものよ。好きな人すいません。*1
とはいえ人工甘味料絶対にNGというほどではなく、調理方法によっては気にならなかったりなんなら気付かなかったり、仮に入ってることに気付いても「あー、この甘さ人工甘味料か、まぁいっか」と適度に受け入れられるシーンも多かった。
それくらいの緩い「人工甘味料あんま好きじゃない」派だったのに、つわりが始まった途端に過激な「これ人工甘味料入ってんじゃんまっずもう買わない」派に鞍替えしたのだ。
そんなのつわりが落ち着くまで人工甘味料を避ければいいじゃんという話しなのだが、繰り返すが私は「食べづわり」だった。
吐き気をコントロールするために常に食べ続けていると、体重が急激に増加する。
じゃあカロリー低くてさっぱり食べられるもの、ゼリー系飲料とか飲もう…と思うと、大抵そのようなカロリーオフ商品には人工甘味料が含まれている。
辛い…今思い出しても辛い…。
結局どうやって乗り切ったのかあんまり覚えていないが、納豆をそのまま食べたり炭酸水を飲んで気を紛らわしていた気がする。
あと港常のあんずボーを凍らせて1日1本食べていた。あんずボーがなければストレスで発狂していた可能性さえある。*2
ありがとう港常のあんずボー…。
「つわりがあるのは赤ちゃんがお腹の中でちゃんと育っている証拠★」
「ママになるために身体も変化してるんだよ★」
「ママだけでなく赤ちゃんも頑張ってるんだよ★」
「赤ちゃんの魂がママの魂と調和する過程で起こるものだよ★」(スピリチュアル寄り)
などなど、つわりの辛さを肯定するための謎の上からアドバイスが世の中には存在するが、そんなもん
うっせぇ黙っとけ!!
今私を救ってくれるのはあんずボーだけだ!!
である。なんでこんだけ西洋医学は進歩した風を装っているのに、こんなにつわりで苦しむ妊婦が多いのだ。
まぁ今でも一応つわりが重い人向けに処方してもらえる薬もあるし、2023年末のケンブリッジ大学による研究発表によってやっと具体的な原因が特定されつつあるようではあるが…。
妊婦のつわりの原因を特定、重症化予防の可能性も 英ケンブリッジ大研究 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
とにかくつわりが辛くて、上記のようなふわっとしたアドバイスには心の中で悪態をつきまくっていた。
しかし悪態をつきまくっているせいか、攻撃性が上がり頭が妙に冴え、仕事は異様に捗った。
そういう意味では、やはり振り返ってみるとつわり、総合的には軽い方だったと言えるのだろうな…。
でもこうやって自分の体験をほかの人の体験と照らし合わせてみると、つわりが重いとか軽いとか、そもそもそういう評価軸で語るものでもないのでは?という気もしてくる。
あまりにも個々の体験が千差万別すぎる。
でも食べられない起き上がれない吐き気が止まらないタイプのつわりだった人が、朝昼晩きっちり食べ合間にあんずボー食いながら仕事はガシガシやってた私のような人間から「つわりの辛さって人それぞれですよね、私も辛かったです」とか言われたら場合によっては腹立つだろうな…という気もする。*3
やはりここは、自分の体験は自分事として大切にしつつ、タイプは違えど同じ現象を味わった者として、先人やこれから体験する人に可能な限りの思いやりやいたわりを持って接していきたいね…ということで、私のつわり体験記の総括といたします(なんじゃそりゃ)。