※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)
2022年11月27日(日)東京の国技館にて行われた、高専ロボコン全国大会の出場チーム紹介記事です。
高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。
2022年のテーマは「ミラクル☆フライ〜空へ舞いあがれ!〜」です。
ロボットが飛ばした紙飛行機を得点箇所に乗せることで得点を競います。
今回は、地区大会で優勝 or 審査員推薦により見事全国大会への出場を果たしたチームの紹介とロボットの特徴、個人的推しポイントについて簡単に書いていきたいと思います。
なおロボットについては地区大会時点での情報ですので、全国大会に向けてさらなるパワーアップや多少の変更点がある場合があります。(各地区一番最初に紹介されたチームが優勝、以後は推薦です)
ルール詳細はこちらのルールブック(2022年7月28日版)よりご確認ください。
北海道地区代表
旭川高専「吹雪」(フブキ)
その名のとおり、ロボットから大量の紙飛行機を紙吹雪の如くばらまくロボット。
一度に400〜500機の紙飛行機を搭載可能!テイクオフゾーンを移動しながらの紙飛行機の発射も可。
得点箇所を狙い打ちというより、フィールド全体にまんべんなく紙飛行機をばら撒いて得点を重ねる質より量タイプ。
苫小牧高専「ツインズ」
紙飛行機をパチンコ式で一斉に飛ばす機構と、チェーンを使って1機ずつ飛ばす機構を持つ二刀流ロボット。
特にチェーンと竹ひごを組み合わせた独特な装填機構に注目。チェーンも3Dプリンタで自作したもの!(チェーンを金属ではない素材で自作したことでロボットの軽量化を実現)
東北地区代表
一関高専 「Artemis」(アルテミス)
紙飛行機を1機1秒で飛ばす、スピード&連射が持ち味のロボット!
ロボットに搭載できる紙飛行機は20機だが、紙飛行機の再装填も速いので何往復もできる。紙飛行機自体にもまっすぐに飛ぶ工夫がされており、狙った場所に着実に得点を重ねます。
福島高専 「紙頼み」(カミダノミ)
今年度の地区大会で初めて難易度高めのベースA(横向き筒)に得点したチーム!(地区大会は東北地区大会が一番最初)
ローラー射出で1分間に90機の射出が可能で、斜めの角度からベースAを中心に大量得点を狙います。
メンバーの方曰く、ベースAに入るかは「神頼み」だそう。でも安定してベースA付近に大量射出する実力で、運を力技で引き寄せてほしい!(それはもう運ではないのでは)
秋田高専 「太平」(タイヘイ)
上下左右に射出の角度が調整可能な2つの機構で、30秒で100機飛ばせる圧倒的連射力ロボット!
とにかくでかい。音もでかい。迫力がある!
一気に紙飛行機を射出するので再装填には時間がかかる印象ですが、装填するときでっかい射出機構が下向いてうなだれる感じになるのが大変可愛らしく好きです。
関東甲信越地区代表
群馬高専「SDGs」(エスディジーズ)
左右5つの発射装置が高く掲げられていく動きと、そこから繰り出される美しい軌道の紙飛行機に注目!
特にロボットの動きは迫力があります!
複数の操縦者で発射装置を細かく調整し、連射します。
東京高専「∞ ∞ ∞」(トリニティ)
左右2つの機構から、高尾山の標高に合わせた599機の紙飛行機を飛ばします。
2つの機構はそれぞれ別の操縦者がコントロールしており、手前と奥の得点箇所を同時に狙えます。また操縦システムもスマホのアプリを自作、アシスト機能が充実しているそう。
Vゴールを狙うことも可能!
長野高専「信州ずくだせランド」(シンシュウズクダセランド)
プロジェクト名のとおり、遊園地のような装飾のかわいいロボット!
上部の射出機構はアームが横回転し、サイドスローのように飛行機を飛ばします。
高専ロボコンならではの「アイデアをどうやって魅せるか?」にこだわったチームです。
小山高専「ドラム犬マッハ号」(ドラムケンマッハゴウ)
こちらもワンちゃんのかわいい装飾のロボット。こだわって厳選したまっすぐに飛ぶ紙飛行機を、ふんわりと発射させる装置で飛ばして高得点を狙います!
紙飛行機をロボットに収納するところにも工夫が成されているそうですが、それをかわいい装飾で隠してあえて見せないところも心にくいぜ…!(褒めてるよ)
東海北陸地区代表
鈴鹿高専「かみ☆うっちー」(カミウッチー)
全自動の鈴鹿!ロボットの動きがめちゃめちゃ速い!
スタートと同時にテイクオフゾーンの真ん中に即移動して紙飛行機の射出を開始します。(速すぎてロボット止まるときひっくり返るんじゃないかと心配になるほどよ…そんなことはなかったが)
全自動ですが、地区大会では細かい調整で試合を重ねるごとにどんどん得点を伸ばしていきました。国技館環境にどれだけ速く対応できるかもポイント!
石川高専「群機飛翔」(グンキヒショウ)
正確性、連射性、距離性に役割が分かれた3種類の射出口であらゆる得点箇所を狙います。
紙飛行機は一度に80機搭載可能で、狙う場所によって紙飛行機の形も変えているそう。
スタートゾーンに戻ることなく、よどみなく紙飛行機を射出し続けられる性能にも注目です!
富山高専 本郷キャンパス「SKY×FAMILY」(スカイファミリー)
某大人気作品をもじったプロジェクト名、その名の通り親子ロボットで戦います!
モーションキャプチャーを使ってオペレーターの動きを認識し、ロボットはアーム式で紙飛行機を飛ばします。投げる動きをする人、パソコン背負った人、ロボットの動きの連携が見ていて面白いです。
「人が紙飛行機を投げる動きを再現する」というのはいくつかのチームがチャレンジしていますが、ロボットに司令を送るところから人の動きを取り入れている点は必見です!
国際高専「美技成 A-Z」(ビギナーズ)
1年生3人のみ(ピットクルーもいない)の高専ロボコン初心者チームが国技館までやってきました…!
しかし侮るなかれ、地区大会では毎試合スポットに着実に得点を重ね、さらにテイクオフゾーンでのロボットの位置取りなど戦略的な面でも「ビギナーズ」とは思えぬ落ち着きで勝ち進んだチームです。
国技館でもビギナーズのチームワークと活躍にも期待です。
近畿地区代表
和歌山高専「とば~す君」(トバースクン)
射出の精度で勝負に挑む、そして宣言どおり全地区大会最高得点の102点を叩き出した、優勝候補筆頭チームです!
基本は斜めの角度からベースA狙い。一度ベースAに入る軌道を見つければ、あとは怒涛の得点ラッシュに…。
地区大会ではベースAを狙う際、自陣が赤ゾーンでもテイクオフゾーンの右側(青ゾーン寄り)まで移動して射出していたので、もしかすると右側からしかベースAを狙えないのかも?
あとすごい得点叩き出してるのに、プロジェクト名が「とば〜す君」とマヌケな感じなのもギャップが良きですね!(?)
奈良高専「三笠」(ミカサ)
こちらも全地区大会で唯一Vゴールを達成した、優勝候補チームです!
ロボットは3人全員で操縦し、すべての得点箇所を同時並行で狙います。そして狙ったところに得点するその確実性!
地区大会初戦ではあまりにもさらっとVゴールを得点していて、場内が盛り上がるというより「え?」「Vゴールなのでは?え??」とざわついていたのが印象的でした。
しかしその高性能ゆえなのか、地区大会準決勝ではロボットが動かずスタートさえできないという自体に…。
全国大会では雪辱を果たし、優勝・ロボコン大賞なるでしょうか!
大阪公大高専「AIRsROCK」(エアーズロック)
発射スピードを重視した自作のエアシリンダーと、イカ飛行機とヤリ飛行機を組み合わせ直進性を高めた細長い紙飛行機が特徴のチーム。
ロボットについてるトサカみたいな装置も特徴的。
地区大会では1試合目が9点、2試合めは10点獲得しながらも組み合わせの運もあって決勝トーナメントには進めませんでしたが、得点力のあるチームです!
中国地区代表
徳山高専 「双宿双飛」(ソウシュクショウヒ)
150機の紙飛行機を搭載できる4つの発射装置で、最大600機の紙飛行機を飛ばします!
飛ばす際、紙飛行機を確実に1枚ずつ取るためにファンで吸い上げているそう。その動きは餅つきみたいでちょっと面白いです!
呉高専 「Aspectacle」(アスペクタクル)
上と下で別々の発射装置を持ち、上の発射装置ではまとめて紙飛行機を飛ばして手前スポット狙い、下の発射装置からは2機ずつ遠くの得点箇所を狙います。
遠く狙いの紙飛行機はスピードが速い!発射時に使用するシリンダーは呉高専独自の強力なものをさらに改良した特別仕様です!
大島商船高専 「とうきくん」(トウキクン)
大島商船高専の伝統、ほとんどが木で作られたロボットです!
ロボットの足回りも木を繋げてできたキャタピラー式で、その音にも注目してほしいとのこと。
また人が投げるような動きでアームが紙飛行機を飛ばしますが、そのふんわりと優雅な紙飛行機の飛行は注目です!
四国地区代表
香川高専 高松キャンパス 「CONTRAIL」(コントレイル)
細かい工夫をほどこし紙飛行機を自由自在にあやつるロボットも必見ですが、戦況によって狙いや戦略を即座に変えるチームワークと思い切りの良さにも注目です。
また紙飛行機の再装填も速く、どれだけ多くのチャンスを掴めるかがカギになりそう!
香川高専 詫間キャンパス 「prize」(プライズ)
マシンガン連射で2分半の間に300〜400機の紙飛行機を飛ばすのが目標!
1つのカートリッジには60機の紙飛行機をセットできる。
準決勝では二桁得点を出したその得点力にも注目です。
九州沖縄地区代表
大分高専「國崩し」(クニクズシ)
4つの射出機構を搭載した、大砲・國崩しをイメージしたロボット。AI技術を用いて自動で得点箇所を狙います。
紙飛行機は開かないように工夫がされており、回転しながら飛ぶことで直進性を高めています。
最難関ベースBを狙って大量得点なるか!
熊本高専 八代キャンパス「fourtress」(フォートレス)
「正確に射出すること」をコンセプトに戦います。それを達成するために154種類もの試作で紙飛行機の形を選びぬき、さらに誰が折ってもほぼ同じものが作れる工夫、紙飛行機にバーコードをつけて作成者や何回使ったかなどのデータ収集等々…徹底的に紙飛行機の品質にこだわっています!
こちらも4つの射出機構を持ちますが、コントローラーが銃の形をしているのも注目ポイントです。
有明高専「AppRoachIng」(アプローチング)
夜の空港の滑走路をイメージしたロボットです。これは見ていてほんとうに美しい!
離陸用滑走路に到着するまでのゆっくりとした動き、離陸後の紙飛行機の優雅な飛行、目を奪われてしまいます。
大量得点は難しいかもしれませんが、ぜひランディングゾーンの滑走路にも着陸してほしい。
都城高専「華て!カババッ!」(ハナテ!カババッ!)
確かな技術力を「見ていて楽しい」のエンタメ性に全振りするでおなじみの都城高専、今大会はカバのロボットで全国大会出場です。ピットクルーの「カバが口から紙飛行機を出す夢を見た」という発言をそのままロボットにしたそう。笑
カバが口から紙飛行機を飛ばす様子はもちろんですが、ラスト20秒あたりで繰り出される「そうは言ってもとりあえず点取っておきたい」という感じの隠し玉にも注目です!
以上、全25チームとなります!
地区大会の結果を見る限りでは、やはり和歌山高専か奈良高専が優勝候補筆頭かと思われます。
しかし国技館には魔物が住むとはよく言われます…。また、地区大会終了後ロボットに改良を重ね、全国大会で大きく飛翔するチームが出てくる可能性も十分あります!
どのチームも優勝、そしてロボコン大賞を目指して頑張ってほしいです!
出場チームのみなさんが、悔いのない試合をできますように!
私は家から応援しています!(全国大会の一般観覧の抽選落ちたよ〜〜…)