Daisy Bellの憂鬱

日々の出来事の記録(秋は高専ロボコン)

高専ロボコン2022 近畿地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月23日(日)に和歌山県立橋本体育館で行われた、高専ロボコン近畿地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

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この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、地区大会の中でも特にレベルが高いと思われる近畿地区大会。
今回は、今年の難しいルールを極めたような戦略とそれを着実に実現するロボットが複数出てきます!!
あと10月後半の開催ということもあり、装飾や機構が見ていて面白いチームも多かった印象です。
注目は2019年「らん♪ RUN Laundry」と2016年「ロボット・ ニューフロンティア」でロボコン大賞を受賞した奈良工業高等専門学校でしょうか。
あと個人的には、2018年「Bottle-Flip Cafe」で登場したロボット『江楠(エクス)マキナさん』を作った和歌山工業高等専門学校を推したい。マキナさん、失敗したときのヘドバン謝罪がめっちゃ好きだったのよ…。

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの近畿地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

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競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 18:15頃〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

近畿地区大会出場校

全7高専からA、Bの2チームが出場。合計14チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝、推薦2)
なお本大会の解説は、大阪大学大学院准教授の南裕樹さんです。

予選ラウンド 対戦結果・メモ

近畿地区大会の予選ラウンドはA〜Dの4グループに分けて行われました。
各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する4チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ>...」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「実況・解説>...」→実況・解説のやりとりの要約。
としておりますが、予選第3試合あたりから細かく分けようがない感じになってきて全部ベタ書きになったりします。そのへんはご了承ください。

第1試合

A:近大B vs ★奈良B 0−2
近大:2箇所の射出装置を用意していたが、重量の関係で現地入りしてから急遽1つに変更。ロボットの下部とメンバーのヘルメットには3つの魚がデザインされている(マグロ・ヒラメ・クエ)。
メモ>魚たちのデザインがかわいい!急遽の変更もあったけど、1日で調整して順調に発射できてた。
実況・解説>前日のテストランでは打ち出しのところで(パーツが間に合わず)詰まってたりしていたが、今回間に合った。
奈良:ロボット作りの経験が少ない分、デザインにこだわった。ゴミ箱をモチーフにしたロボット。ペットボトルやプラスチック専用のゴミ箱なので、分別されていない紙飛行機は回収されずに飛ばされる!
メモ>安定した動き。近く、遠くときちんと打ち分け、集中して得点箇所を狙う。
実況・解説>ロボットの中にはシリンダーで打ち出すタイプの発射機構が3つ、ローラータイプのものが2つ。

B:神戸市立A vs ★和歌山A 2−102
神戸市立:質より数。ローラーで大量の紙飛行機を飛ばす。そのために用意した紙飛行機の数は4,000機以上!
メモ>開始30秒ほどで大量連射開始!移動しながらまんべんなく紙飛行機を飛ばすことができる。紙吹雪のようで迫力がある!1人のヘルメットのペンギン?がかわいい。
和歌山:射出の精度で勝負。1箇所から正確に連射できるロボットに仕上げた。前日のテストランでは60点以上…。
メモ>開始45秒ほどで横向きの筒ベースAに向けて射出開始。狙いはベースAのみ。一度角度が決まるとどんどん乗り始めるし、紙飛行機が積み重なることによってさらに乗りやすくなり怒涛の得点ラッシュに…!まさかの102点!!
実況・解説>1つの打ち出しの機構で調整を重ねた。
実況・解説(試合後)>
シンプルな和歌山と、量で勝負の神戸市立、白熱の試合だった。
神戸市立はローラータイプで打ち出すが、3台の打ち出し機構に250機ずつ装填。紙飛行機を折りたたんだ状態で装填し、打ち出すときに紙飛行機の形にして飛ばすので大量に装填できる。しかしあれだけ撃ってもなかなか得点できないところに「飛行機を乗せる」という難しさを感じる。
和歌山は集中して狙いを定めるタイプだが、ロボットの止まる位置が大事。さらに角度も調整できるのでそこでうまく合わせていった。

C:★明石A vs 舞鶴A 0−0(審査員判定2−1)
明石:7つの発射機構がありすべて連射可能。大量得点を目指して打ち続ける。上の5つの機構ではベースを狙い、下の2つの機構からは滑走路を狙うが、狙う場所によって紙飛行機の形状を微妙に変えている。
メモ>ベース狙い。連続して安定して飛ばせているが、なかなか思う位置に飛ばず…。
実況・解説>ローラータイプ。上についてる5台は飛行機の翼の部分にローラーを押さえつけて飛ばす。
舞鶴:量より質にこだわった。紙飛行機一つ一つを大切に扱っていて、左右の発射のところにふんわり優しく装填するところも見てほしい。外装もこだわった。
実況・解説>シリンダーで空気の力で紙飛行機を飛ばしている。装填する装置は、ファンの風の力で紙飛行機を吸い付けている面白い仕組み。

D:★大阪公大B vs 和歌山B 15−0
大阪公大:花びらのように紙飛行機を散らせるローラー発射機構。ローラーは自作。フィールドを埋め尽くすほどの大量発射、派手で見ごたえのあるパフォーマンスに期待してほしい。
メモ>もう雨のような紙飛行機の飛ばし方…!わりと高い位置に打ち上げて、滑走路上で落とす感じ。
実況・解説>2箇所から同時に飛ばす連射。ローラーが紙飛行機の形に合わせたものになっており、下側がそろばんの玉のようになっていて、それを受けるローラーが上側についている。
和歌山:ロボコンにはロマンが大切。マシンガンのようなベルト状のカートリッジに飛行機を装填して連射する。飛行機が飛ぶたびにカートリッジが分離する動きや音にも注目してほしい。
実況・解説>モーター音の迫力がすごい。飛行機は蛇腹折りになっていて、打ち出すときに羽が広がる。装填するときは棒状だが、打ち出されたあとは開くので紙飛行機の規定も満たす。
実況・解説(試合後)>
大阪公大は真上に打ち出して紙飛行機に落とす、その軌道も素晴らしかった。打ち出し機構が前方に2つ、後方に3つあるので試合の前半と後半で使い分けていた。
和歌山のインパクトはすごかった。面白い。打ち出したあとにリンクが外れてカラーンとした音がするのがだが、モーター音が大きくて聞こえないのが残念。

第2試合

A:神戸市立B vs ★舞鶴B 0−3
神戸市立:目指すはVゴール。9機の射出機構から9つすべての得点場所を狙って最速のVゴールを決めたい。
メモ>セッティングタイム終了〜試合開始までの間に、間違って紙飛行機を射出させてしまった?スタートしてから装填し直し。1分ほど経過したところで最初の射出開始。1機ずつ、違う場所を狙って射出。
実況・解説>向きはいいが少し勢いがつきすぎている。打ち出しはバネの力で飛ばしている。
舞鶴:プロジェクト名は「カフェインの虜」の意味。高専生のお供にはカフェインが欠かせないから…。
メモ>高い位置からやや落とすように紙飛行機を射出。開始20秒ほどで手前のスポットに得点!
実況・解説>エアシリンダーでの打ち出し。装填する部分が回転する機構になっており、円柱状のカートリッジに紙飛行機がついている。それを1個ずつ落としながら打ち出している。

B:明石B vs ★大阪公大A 9−9(審査員判定 0−3)
明石:中央の大きなガトリング型機構を見てほしい。輪ゴムの力強いパワーで紙飛行機を素早く遠くに打ち出す。またスポット上の相手の紙飛行機を撃ち落とすことも可能。
実況・解説>斜めの位置から紙飛行機を射出(ベースA狙い?)。紙飛行機の装填はカートリッジを取り替えるだけなので素早くできる。
大阪公大:圧縮空気と巨大なエアタンクをイメージした。発射のスピードを重視して自分たちで作ったエアシリンダーとそれを用いた3機の発射機構で、直進性を高めた紙飛行機を飛ばす。
実況・解説>トサカのような装置。奥の筒ベースBを集中的に狙う。また紙飛行機は飛んだ時に回転している。得点はベースAで獲得。
実況・解説(試合後)>
明石のガトリング機構はかっこいい。男心をくすぐる。名前もジェネバ機構(連続的な回転を断続的な回転に切り替える機構)とかっこいい。ローターと輪ゴム2種類の飛ばし方を用意していた。

C:舞鶴A vs ★奈良A 5−Vゴール達成(参考得点33点)
舞鶴:2試合目。外装にお札を模したデザインのついてるロボット。
実況・解説>シリンダーで撃ち出すタイプ。こつこつ着実に得点を重ねる。
奈良:テーマは現場対応力。3人全員が操縦する。お互いの声掛けを大切にすることで一人一人の視野が広がり、様々な状況にも柔軟に対応できるようになった。Vゴール、大量得点、相手への妨害どれも可能。
メモ>開始すぐに一気に連射。真ん中の筒ベースAを重点的に狙っているかと思いきや、同時にスポットA、Bにも得点。さらにいつの間にか滑走路にもベースBにも得点しており、2分ほどでなんとVゴール達成!!(ふわっと達成していた…)
実況・解説>3つの飛ばす機構があり、200枚紙飛行機を装填できるので装填に戻らず打ち続ける。さらに角度の調整もできるので、3人分担して角度を合わせていっている。
実況・解説(試合後)>
Vゴール達成の要因は3人分担してそれぞれ独立して狙えるというところ。角度調整も何度も練習したと思う。
舞鶴のロボットは本当は真ん中のローラーの入った射出機構、ロジャーアームが搭載され上に伸びて打つものがあったのだが、それが見られなくて残念。

D:和歌山B vs ★近大A 0−2
和歌山:2試合目。マシンガンのようなベルト式カートリッジを使うロボット。カートリッジが外れるときの音にも注目してほしい。
メモ>すごい音!だけどそれがかっこいい!蛇腹で装填されていた紙飛行機は、打ち出したあと広がる。結構順調に飛ばしてたけど、惜しくも得点ならず…。
近大:忍者が描かれた外装。伊賀忍者にちなんで、忍者が手裏剣やくないを投げる動きをイメージした発射機構を作った。テストラン後に紙飛行機の形を修正せざるを得ないということになった。
メモ>最初に上に高く掲げられた射出機構で複数機を同時に射出、スポットを狙う。その後下の発射機構から高めに打ち上げて広範囲を狙う。
実況・解説>最初の発射は板バネの力で紙飛行機を押し出す。下の機構はローラータイプで3機。
実況・解説(試合後)>
近大はピットでトラブルがあったと聞いたが、うまく改善しすべての機構が動いていた。

第3試合

A:近大B vs ★神戸市立B 0−1
急遽機構を1つに変更したお魚デザインロボットの近大と、9つの機構で9つの得点箇所を狙いVゴールを目指す神戸市立の対決。
近大はうまく紙飛行機が送れていない様子。それでも調整をし直し、何機かは無事飛ばすことができた!
神戸市立は搭載した9機は無事できたものの、なかなか得点できず。終盤に手前のスポットに1機乗せた!操縦はパソコンで行っている。

B:★神戸市立A vs 明石B 3−0
質より数、最大750機の紙飛行機が搭載可能(準備した紙飛行機は4,000機以上!)で大量発射する神戸市立と、ガトリング式機構がかっこいいと解説の南先生に評判の明石の対決。
神戸市立は序盤スポットに乗せたものの、紙飛行機を飛ばしすぎて自分で落としてしまった(大量連射の弊害…)。
明石は足回りのトラブルか、ロボットが動かず…。
実況・解説(試合後)>
試合を重ねてくると、ネジが緩んできたり電源を入れ忘れたりでうまく動かない時もある。
明石の紙飛行機は、溝のついた板を作って溝に合わせて折り目をつけるといった個体差を減らすための工夫も成されていた。

C:★奈良A vs 明石A 41−16
初戦でVゴールを達成し圧倒的な力を見せつけた奈良Aと、7つの発射機構(すべて連射可能!)で大量得点を目指す明石の対決。
スタート直後から両チームの紙飛行機が飛び交う熱戦!両チームとも主にベースA狙いで得点を重ねる。
最終的に41−16というハイレベルな戦い!負けちゃったけど明石の16点もかなりすごい…!
実況・解説>奈良の紙飛行機は回転がかかっており、直進性を高めている。
実況・解説(試合後)>
奈良は今回はVゴールよりも、得点を稼ぐことを重点においていたのでは。ロボットの操作を3人で分業するのは珍しい。1つの打ち出し機構につき一人が担当しているので、同時に違う場所を狙うことができスピードが出る。
明石は打ち出しの機構が7個、モーター数トータルで24個とかなりの数を使っていたが、市販のものでは性能が足りないので自分たちのロボットに合わせたモーター(を動かす回路)を自作していた。

D:近大A vs ★大阪公大B 0−14
忍者が描かれた外装の近大と、ローラーで撃ち出す機構5台で大量得点を狙う大阪公大の対決。
近大は上の板バネを使った射出機構と下のローラーを使った射出機構の2種類がある。
大阪公大は初戦と同様、高めに打ち上げて落とすような軌道で紙飛行機を飛ばし得点。
試合中盤は近大陣寄りのテイクオフゾーンへ移動、相手側の滑走路に向けて飛行機を飛ばし得点を重ねる。
近大も安定して射出するものの、なかなか得点に繋がらず…。

第4試合

A:★奈良B vs 舞鶴B 2−0
ゴミ箱モチーフの奈良と、「カフェインの虜」の舞鶴の対決。
両者ともシリンダーで押し出して打ち出す方式。奈良はシリンダーが3つ、舞鶴はシリンダーが1つ。
その他にも奈良はローラータイプのものが2機、舞鶴はゴムで飛ばすものが6機ついている。
奈良は最初の射出でスポットに得点!
舞鶴は試合序盤は紙飛行機が射出できていたものの、中盤以降ちょっと不調に?最後はまた射出できていたけど、得点ならず…。
スポット2箇所に丁寧に乗せた奈良が勝利。
奈良の飛行機の装填方法、ゴミ箱に手突っ込んでるように見えて面白いなぁ、コンセプト好き。

B:★和歌山A vs 大阪公大A 41−10
1試合目で驚異の102点を叩き出したベースA一点集中狙いの和歌山と、トサカのような機構を持つロボットの大阪公大の対決。
各校の紙飛行機は、和歌山は回転しながら飛んでいく(尾翼のところを折り曲げている)もの、大阪公大はイカ飛行機とヤリ飛行機を組み合わせた長細い飛行機で直進性を極めたもの。
開始直後、大阪公大はテイクオフゾーン真ん中に移動し奥の筒ベースBを狙って射出開始。1機はベースBに入ったけど、勢いがありすぎて跳ね返ってしまった?でも試合中盤にベースBに得点!
和歌山は試合序盤は自陣に近い滑走路を集中的に狙い大量得点、その後相手側に近いスポット前(テイクオフゾーン右側)に移動し、ベースAを狙った怒涛の追加得点!
和歌山、もしかしてテイクオフゾーンの右側からしかベースAを狙えない…?

 決勝トーナメント

準決勝

第1試合 奈良A vs ★奈良B 0−2
予選1試合めでVゴール、2試合めは41点の大量得点で勝ち進んできた奈良Aと、1年生を中心とした安定した動きと堅実な試合運び(かつゴミ箱デザインかわいい)でベスト4入りした奈良Bの同校対決。
奈良A、順調にスタートゾーンから出発したかと思いきや射出ができずに戻るを繰り返しまさかの0点…!マシンが高性能すぎるがゆえ、試合の間にメンテナンスしきれず不具合が起きたのか…。(奈良の超高性能ロボットって前もそんなことあったような…)
ジャイロセンサーがおかしくなってしまい、その影響かすべての射出ができなくなってしまったそうです
奈良Bは強すぎる先輩チームに臆することなく、ロボットのポテンシャルを十分引き出した試合運びで安定の得点!

第2試合 大阪公大B vs ★和歌山A 9−99
ばらまき型大量射出で大量得点を狙う大阪公大と、一点集中狙いで大量得点を叩き出し続けている和歌山の対決。
大阪公大はスタート直後、相手陣に近いテイクオフゾーン右側寄りにまで移動して射出開始。和歌山の紙飛行機の進行を自身の紙飛行機で妨害しつつ得点する作戦か。
和歌山はそれでもベースAに着実に得点を重ねる。1回軌道が決まってベースAに入り始めるとどんどん入る…。
実況・解説(試合後)>
和歌山は機構がシンプルなので部品点数も少なく、細部まで細かい調整ができているのが勝因なのでは。
大阪公大はローラーが自作。材質にもこだわり、摩擦力を細かく調整した。

エキシビション

紙飛行機キャッチ。ロボットが射出した紙飛行機を人が虫取り網でも何でもいいからめっちゃいっぱいキャッチしよう〜!!のコーナー。(赤チーム側はみんなで「ヨシ!」ポーズしてたね…)
青チーム、ロボットが打った紙飛行機を真正面からほぼダイレクトキャッチしてるの声出して笑った。その後やりすぎたと感じたのか後ろに下がったけど、結局前に戻ってきたのウケる。笑
最終的に全員手で紙飛行機投げるのも最早なにがなんだか…でしたが、関西ノリ感じて面白かったです!
エキシビションルールも各地区個性があって面白いですよね!

勝戦

奈良B vs ★和歌山A 2−84
ゴミ箱デザインのロボットで安定して得点し勝利してきた奈良と、異次元の得点力の和歌山の対決。
和歌山は開始後ベースAにロックオン!怒涛の連射で得点を重ねていく。ここまで一度も紙飛行機が詰まることもなく進んできたのすごい…。
奈良もマイペースでスポットに得点。この安定感、風格すら感じるよ…。

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉和歌山高専Aチーム「とば~す君」(トバースクン)
  • 〈推薦〉奈良高専Aチーム「三笠」(ミカサ)
  • 〈推薦〉大阪公大高専Aチーム「AIRsROCK」(エアーズロック

近畿地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定3チームの皆さん、おめでとうございます!

いや〜〜〜〜、予選での奈良高専AチームのVゴール達成、しびれましたね!!
気づいたら達成していて、マイクに拾われない「VゴールVゴール!」の声が飛び交っているのが現場の混乱を表していましたね。笑
解説の南先生も仰ってましたが、興奮とともに「Vゴール、ほんとに達成できるもんなんだなぁ…」と感動しました。配信だけどリアルタイムで見られてよかった…!

そして優勝で全国大会出場を決めた和歌山高専Aチームも、絶望的なほどの得点力ですごかったです!1試合目の102点とか一瞬なにかのバグかと…。
紙飛行機がほぼ同じ軌道でベースAに吸い込まれるように乗っていく様は、もう見とれてしまうレベル…。そして毎試合それを繰り返す安定感。非常に機能美を感じるチームでした!

奈良高専Aチームは、先にも書きましたがなんと言ってVゴール!!
3人全員が操縦担当、それぞれが別の発射装置を操縦し違う場所を同時に狙えるとか、なにそれもうロボットアニメじゃん!しかもVゴールとか実力まで伴いすぎてやばいじゃん!!とおばちゃんはびっくりしすぎて見ていて語彙力ゼロの感想しか浮かばなかったですよ…。
準決勝ではまさかの展開ではありましたが、やはり超高性能ロボットには耐久性やメンテナンスの難しさといった課題がつきまといますよね。
奈良高専はたしか2016年のときのロボット「Δ(デルタ)」も、箱の自動積み上げ機能で圧倒的な綺麗さ・強さで勝ち進んできたけど、準決勝あたりでそこに不具合が発生し手動積み上げに切り替え試合には負けてしまったような…。急遽手動に切り替えてもまともに戦えたのがすごいし、やはり全体的な性能が評価されロボコン大賞だったけど。
この年は決勝戦も非常に甲乙つけがたい展開でまさかの再試合だったし激アツだったわ…(語りまくり)
そんな奈良にまつわる私の思い出回想は別にいいのだ。
きっとめちゃめちゃ悔しかったと思う(文字にすると薄っぺらくて申し訳ない)ので、全国大会での再びのVゴール、楽しみにしてます!

大阪公大高専Aチームは、トサカのような不思議な機構で、ほとんどの学校が得点できなかったベースBに得点(しかも2機!)した底力がすごかったです!
予選2試合は9点,10点となかなかの高得点(しかもベースA,Bでの得点)だったのに決勝トーナメントに進めなかったのは運もあったかと思います。
全国大会ではさらなるベースBでの得点を期待してます!

いや〜〜しかし、近畿地区大会は本当に見応えがあって特に面白かったです。

ギミックがめちゃめちゃかっこよかった明石Bや和歌山B、ロボットの装飾も近畿地区は凝ってるチームが多くてパッと見ただけでも楽しいですよね。(ロボットの重量制限でどうしても装飾までつけられなかったチームも多いと思いますが…)

準優勝の奈良Bも、先輩チームのAがVゴール達成という派手さだったので控えめに見えてしまいますが、すべての試合で絶対2得点獲得するというのはやっぱり実力あってのことだし強いチームだったと思います!

全国大会出場が決まった3チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

高専ロボコン2022 関東甲信越地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月16日(日)に栃木県立県南体育館で行われた、高専ロボコン関東甲信越地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

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この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、地区大会も第3週目。今回は全部で20チームが参加する関東甲信越地区大会です。
「ロボットが紙飛行機を飛ばす」と一口にいっても、射出機構や装填機構はどうするか、戦略は大量得点を狙いかVゴール狙いか、耐久性と重さ制限のバランス…などなど、何を重視するかはチームによって全く違ってきます。
関東甲信越地区は参加チームが多いので、一度にたくさんの戦略やこだわりが見られる大会になりそうですね!
注目は昨年の「超絶技巧」でロボコン大賞、2020年の「はぴ☆ロボ自慢」でも超優秀賞に輝いた小山工業高等専門学校でしょうか。小山高専はいつも人間や自然界にあるものの動きを落とし込んだロボットを作っている印象があり、個人的にちょっと応援しています。笑(2017年のメンダコがめちゃかわいくて…)

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの関東甲信越地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

youtu.be

競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 47:45〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

関東甲信越地区大会出場校

全10高専・キャンパスからA、Bの2チームが出場。合計20チームで争います。
全国大会出場枠は4つです。(優勝、推薦3)
なお本大会の解説は、小山高専OBの和田義久さんです。

予選ラウンド 対戦結果・メモ

関東甲信越地区大会の予選ラウンドはA〜Eの5グループに分けて行われました。
各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する5チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ>...」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「実況・解説>...」→実況・解説のやりとりの要約。
としておりますが、予選第3試合あたりから細かく分けようがない感じになってきて全部ベタ書きになったりします。そのへんはご了承ください。

 第1試合

A:★群馬B vs 産技品川B 1−0
群馬:一発一発を丁寧に打ち出すことがコンセプト。手前の3つのスポットを確実にゲットすることを狙う。スタートすると内部に収まった射出機構がせり上がって3つの紙飛行機が飛び立つ。
産技品川:紙飛行機ひとつひとつを丁寧に飛ばすコンセプト。手で投げるようなスナップで得点を狙う。
実況・解説(試合後)>
群馬は紙飛行機を叩いて飛ばすというユニークな機構。
2チームとも非常に紙飛行機を丁寧に扱っていて、飛ばすこと自体はしっかり機能していた。
産技品川は昨日の練習ではセッティングに苦労していたが、調整し改善してきた。

B:木更津B vs ★東京A 0−0(審査員判定 0−3)
木更津:下段の射出機構ではすでに折ってある紙飛行機も飛ばすが、上段はロボットの内部で紙を折って紙飛行機を飛ばすこともできる。
メモ>上段の紙を折る装置が紙詰まりでうまく折れず…下段からの射出で得点を狙う。
東京:最初の一撃でVゴールを目指している。9つの射出機構を備えており、中でも注目はくるくると回転しながら連続で発射する円形の射出機構。
実況・解説>大量の射出機構で一気にVゴールを目指す東京と、技術的に難しい課題にチャレンジした木更津、考え方が全然違うコンセプト。

C:★小山B vs 長野A 6−1
小山:紙飛行機の性能にこだわった。テストを何度も繰り返し、まっすぐ飛ぶ紙飛行機を今日は揃えてきた。ふんわりと発射する装置と組み合わせ、得点の高い筒に着地させ高得点を狙う。
メモ>横向きの筒に入れた!安定して同じ軌道に連続で飛ばせてる。
長野:ロボット上部にある射出機構はまるで遊園地のよう。LEDに彩られた6つのアームが回転し、先端につけた紙飛行機を飛ばす。
メモ>上部の射出機構はサイドスローで紙飛行機を飛ばす。同じ方向に飛ばせるのすごい!
実況・解説>紙飛行機は電磁石で掴んで離すという、(回転時に)落ちにくい工夫をしている。
実況・解説(試合後)>
両チームともちゃんと得点を取り、目指していた姿を実現できたのでは。
小山は、試合中一度も詰まらずに紙飛行機を飛ばし続けるのは非常に難しいことだったと思う。紙飛行機も(装飾の覆われていて見えないが)、立体駐車場のようにメカニカルに収納されていて面白い。
長野のロボットは、(高専ロボコンのコンセプトである)勝ち負けだけでなくアイデアをどうやって魅せるか、それを体現しているロボットだった。

D:産技荒川B vs ★長岡B 0−0(審査員判定 0−3)
産技荒川:注目は飛行機の描く軌跡。横に飛ばして大きくカーブを描くようにして得点を狙う。航空科の専門知識をフル活用。紙飛行機にも細かな工夫を凝らして、遠くの滑走路と筒を狙う。
メモ>奥を狙うときは射出機構を高く伸ばし、高い位置から飛ばす。
実況・解説>2つの射出機構があるが今回は1つの機構で挑む。
長岡:左右二段の射出機構。下の方は手前の円形スポット狙い。素早く動ける足回りを生かしてベストポジションに到達する。射出機構は投げるように飛行機を飛ばして、ぶれない軌道で手前を狙う。
実況・解説>左側の射出機構は投げるように飛ばす。右側はローラーで奥まで飛ばせる。
実況・解説(試合後)>
長岡は昨日のテストランでは、学校と会場の湿度が違うということで装填機構の調整に苦戦していたようだがしっかり合わせてきた。
荒川は前日の計量で本来やりたかったことができないことが判明。本来ならばローラー式の射出機構でスクリューのように回転をかけた紙飛行機の飛ばし方をする戦略もあった。

E:★サレジオA vs 木更津A 0−0(審査員判定 3−0)
サレジオ:注目はデザイン。鮮やかなカニが飛行機を飛ばす。LEDに彩られた美しい射出機構から繰り出される紙飛行機に注目してほしい。
実況・解説>2種類の射出機構が合計3つある。紙飛行機は真ん中と左右で3機搭載。
木更津:2種類の射出機構を使い分ける。上はゴムを弾く力で遠くの滑走路や筒を狙う。下は回転するローラーで連続発射して手前のスポットを狙い、さらに紙飛行機の最後の仕上げはロボットが行う。
実況・解説>紙飛行機の折りの最後はロボットが行う。非常に難しいが魅せるというところでチャレンジしてきた。(が、なかなかうまくスタートゾーンから出発できず…)
実況・解説(試合後)>
今大会は重量など色々な要因があり、なかなか見た目の部分にまでこだわりを持って作れるチームが少ない印象があったが、サレジオはその中でもかわいらしいデザインでコンセプトを持って作ってきてくれたのは嬉しい。
木更津はロボットとコントローラーとの通信の部分に苦戦しているように見えたので、次の試合に期待。
実際の大会だと携帯電話などで通信への影響が出るとはよく言われている。(コロナもあって)実際のフィールドでの試合を経験したことがない子もたくさんいると思うので、試合の臨場感の中で学んでいってもらえれば。

第2試合

A:★長岡A vs 小山A 1−1(審査員判定 3−0)
長岡:モチーフは2階建て新幹線Maxとき。特徴は紙飛行機を自動で折る仕組みを内蔵していること。嵩張らずたくさん積むことができるので再装填のために発射を中断することがない。発射態勢を取ると胴体に隠れている機構が上に出てくる。
メモ>ヘルメットにトキのぬいぐるみついてるのかわいい。上段のローラーによる紙飛行機の射出はうまく動いて滑走路に乗せることができたが、自動で折る部分はうまくいかなかった?
小山:注目は中央部にある白い円筒形の射出機構。バネの力を利用して紙飛行機を押し出して発射する。1試合で150機を飛ばせる。
実況・解説>一度に大量の紙飛行機を押し出して、手前のスポットを確実に狙う戦略。
実況・解説(試合後)>
長岡は滑走路にも2機めを乗せていたが、あとから飛ばした紙飛行機で自分で落としてしまっていた。競技性が出た試合だった。紙飛行機を折る部分は見せたいところだったと思うが、勝ち進まないといけない側面もあるので、後半はローラーで試合を進めていくといううまい戦略だった。

B:産技荒川A vs ★サレジオB 0−0(審査員判定 1−2)
産技荒川:こだわっているのは紙飛行機。翼の調整に努力を重ねた。近くを狙うときにはロボットの前面に備えた射出機構から急降下するような軌跡で飛ばし、遠くを狙うときには射出機構が高くせり上がる。
メモ>順調にスポット付近に飛ばせてるけど、少し手前すぎる場所に落ちててなかなか得点できず…。
サレジオ:飛ばす飛行機がいわゆるイカ飛行機。ロボットの装飾もイカがフライにされているようなデザイン。人が紙飛行機を飛ばすようにスナップを効かせて飛ばす。
メモ>一回に飛ばせるのは1機のみ。
実況・解説>アームの根本はローラーで回しており、ブレーキの反動で飛ばす。
実況・解説(試合後)>
産技荒川は学校での射出はほぼ100%の精度が出ていたそうだが、現地入りしてから紙飛行機を掴む強さの調整を詰めていた。あと微調整もう少しといったところで惜しかった。
ロボットを現地に移動させるときの振動でロボットに影響が出てくることもあり、ロボットをどうやって運ぶか(どれくらいバラバラにして運ぶのか、もしくはロボットの形そのままで持ってくるのか)、紙飛行機の収納自体にこだわっているチームもあった。

C:茨城B vs ★群馬A 1−6
茨城:ロボットの外見は、茨城県の特産品レンコンを入れるコンテナ。見どころは高速連写で紙飛行機を打ち出すところ。紙飛行機にも微妙な調整が加えてあり、多くのスポット狙っていく作戦。
実況・解説>1回で100機ほど紙飛行機を搭載できる。
群馬:スタートしてから見せる動きが注目ポイント。発射装置を左右に高く掲げる。紙飛行機の飛び方もきれいな軌跡を描いて飛行する。
メモ>群馬も連射!左右5つの射出機構で高いところから遠くの滑走路を狙う。
実況・解説(試合後)>
群馬は発射機構が左右で5つあるが、複数の操縦者で調整して紙飛行機を飛ばせる。
茨城はうまく出ないときもあったが、紙飛行機の弾道が美しい連射だった。観客を魅了する飛行機の飛ばし方だと思う。

D:★東京B vs 長野B 9−0
東京:見どころは連続発射。大会に向けて1,400の紙飛行機を用意。1秒に5発打つことも可能で、Vゴールを狙っていく。3人がかりで操作する。
メモ>試合開始すぐに連射開始!スポット3箇所、滑走路、ベースAといろんなポイントで得点。
長野:美しい鶴。鶴から鶴を飛ばしたいという願いを形にしたロボット。紙飛行機も鶴のはばたきをイメージした。徹底的に美しさにこだわった。黒い台は信州産の漆を塗っている。
メモ>こだわっただけあって造形がめっちゃきれい!得点はできなかったけど、装填された鶴は無事全部飛ばせた。
実況・解説(試合後)>
東京は2つの射出機構に100機ずつ搭載できる。非常に戦略的に動いていて、Vゴールを狙えるところまで見える試合だった。599機(高尾山の標高に合わせた)飛ばすのが目標。
操縦システムにも工夫があり、スマホのアプリケーションを自作しアシスト機能も充実している。
長野はアイデア精神、一芸に秀でたロボットで、「これが見せたい!」という強い思いを持ってロボット作りに取り組んでいたチーム。より美しく見せるために透明なワイヤーを使うなど、徹底的にこだわっていた。

E:茨城A vs ★産技品川A 0−3
茨城:モチーフはひばり。射出機構は7つ。見どころは翼を広げること。メインの射出機構がにょきにょきと上昇してくるところも見もの。Vゴールを目指す。
メモ>移動はできるけど、射出までできず…。
産技品川:海の生き物の装飾。注目は高速の射出。最大で10秒100個の紙飛行機を射出できる。
メモ>上下段の射出機構で手前のスポット狙い!
実況・解説>落ち着いた操縦。手前すぎたらロボットの位置を調整するなど、柔軟な対応。
実況・解説(試合後)>
産技品川は大量連射が特徴のチームだった。ロボットの位置も重要だが、それプラス紙飛行機が詰まらないというのも重要。これだけの数の紙飛行機をロボットに乗せると詰まりやすくなったり難しい部分があるが、非常にスムーズだった。

第3試合

A:産技品川B vs ★小山A 0−2
紙飛行機を1機ずつ投げるような動きで飛ばす産技品川と、1回で24機飛ばす大量射出でスポットを狙う小山の対決。
メモ>産技品川、今回は射出がうまくいかず…。
実況・解説>小山は回数を稼いで得点を取りに行く戦略。重い機構をハンドルしてるので重さの重心が上がってしまい操縦が難しい。発射装置はバネで引っ張って飛ばしているので、どのくらい引っ張るかで手前か奥か、狙いを選択できる

B:★木更津B vs 産技荒川A 0−0(審査員判定 3−0)
ロボットの内部で紙飛行機を折って飛ばすロボットの木更津と、紙飛行機を打ち上げて急降下させるようにしてスポットを狙う産技荒川の対決。
メモ>木更津の紙飛行機を折る機構は今回もうまく動作せず…。産技荒川はかなりスポットに近いところにまで落とせているものの、うまく乗せられず。

C:★長野A vs 茨城B 3−0
遊園地の遊具がモチーフ、サイドスローで投げる長野と、レンコンモチーフの連射ロボットの茨城の対決。
メモ>装飾にこだわってるチーム対決!長野は1試合目とエリアが変わったが、手前スポットに開始1分もかからずに2点得点。遠くの滑走路でも得点(回転数の違いで投げ分け?)。茨城は若干連射がうまくいかず…。

D:産技荒川B vs ★長野B 0−0(審査員判定 0−3)
大きなカーブを描く軌道の紙飛行機を飛ばす産技荒川と、とにかく鶴のデザイン・動きに細部までこだわった長野の対決。
メモ>産技荒川は今回は戦略を変えてまずは高い位置からの手前のスポット狙い。鶴のデザインの長野は、今回もすべての紙飛行機を飛ばした!(得点にはならんけどそれだけでなんか感動)

E:木更津A vs ★茨城A 0−0(審査員判定0−3)
上段下段、2種類の違うタイプの射出機構を使い分けて試合に挑む木更津と、ひばりモチーフで7つの射出機構を持つロボットの茨城の対決。
メモ>木更津は半自動で中で紙飛行機を折ることができ、ローラーは動いていたが飛ばせず…。
実況・解説>茨城はロボットにカメラがついていて、ロボットの目線で狙いを定めることができる。

第4試合

A:★群馬B vs 長岡A 1−0
一発一発を丁寧に打ち出すことがコンセプトの群馬と、紙飛行機を内部の機構で自動で折って飛ばすことができる(今はなき2階建て新幹線Maxときがモチーフの)長岡の対決。
メモ>群馬はスタートと同時に真ん中のスポット前まで移動し、15秒ほどで得点。長岡はロボット内部で1枚の紙から折って飛ばすところまで成功!その後長岡は連射を何度か続けるも得点ならず…。

B:★東京A vs サレジオB 3−0
9つの射出機構で一発Vゴールを狙う東京と、人が飛行機を飛ばすような動きで1機ずつ丁寧に飛ばすサレジオの対決。
メモ>東京、ベースAに得点!Vゴール狙いの一斉射出とは別に、各射出機構から連射もできるっぽい?いろんな戦略が取れそうなつくり。サレジオのロボットは投擲態勢の途中で紙飛行機が落ちちゃう…。

C:小山B vs ★群馬A 3−3(乗せた場所の数 1−2)
ワンちゃんのかわいい装飾と飛ばす紙飛行機の性能にもこだわった小山と、左右5つの射出機構から大量連射の群馬の対決。
メモ>小山は3点のベースA狙い、群馬は滑走路で得点を重ねる作戦。
2分30秒終了時点で3−3の同点だったが、小山はベースAの1箇所で3点、群馬はスポットと滑走路に乗せて3点。同点の場合より多くの場所に乗せたチームが勝利のため、群馬の勝利。

D:長岡B vs ★東京B 0−1
左右二段に(左:投げるように、右:射出角度が変更可能なローラー式で飛ばす)長岡と、軌道がきれいな連続射出で大量得点を狙う東京の対決。
メモ>東京は2つの機構を別々の操縦者でコントロール。ゆっくりとした速度で手前を狙うのと速いスピードで遠くを狙うの同時にできる。長岡は途中からうまく前に飛ばせなくなってしまった…。

E:サレジオA vs ★産技品川A 0−3
カニロボットが1機ずつ丁寧に得点を狙うサレジオと、タコがスミを吐くように紙飛行機を連続射出する産技品川の対決。
メモ>カニ対タコ対決!カニサレジオは機動性も高く、紙飛行機もスポットの近くにまで飛ばせていたが惜しくも得点ならず。タコの産技品川は、安定した連続射出で手前のスポット3箇所全て得点。

決勝トーナメント

準々決勝

東京A vs ★群馬B 2−2(乗せた場所の数 1−2)
全9箇所に向け同時射出で最速Vゴール狙う東京と、1機1機丁寧に叩くように飛ばす群馬の対決。
東京はスタート開始後自動で移動する。群馬は長距離かつ正確な射出で確実に得点につなげる。
メモ>群馬は初動でテイクオフゾーンの真ん中を取った!けど、ロボットに搭載できる飛行機数が少ないので、戻るのにちょっと時間かかりそう(けど素早い)。先に得点したのは東京!
試合終了時に2−2で同点だったが、東京が1つの滑走路で2点、群馬はスポット2箇所で2点だったため、群馬の勝利。ほんの少しの戦略の差で勝敗が分かれた試合!
実況・解説>東京は見た目が美しいロボットだった。見た目のこだわりはどれだけ丁寧に作っているかに直結してくる。

準決勝

第1試合 産技品川A vs ★群馬A 0−8
タコの連続射出の産技品川と、左右5つの機構から連続射出の群馬。連続射出対決!
メモ>産技品川はスタートするも射出がうまくいってない様子。群馬は滑走路に乗る軌道を見つけてから一気に得点を重ねた!
実況・解説(試合後)>準決勝、決勝と勝ち進んでいくとどんどんロボットを駆使していくことになる。いかに壊れずに正確に動くように作ってあるかもポイントになってくる。

第2試合 ★東京B vs 群馬B 3−0
左右2つの機構から大量射出の東京と、ひたすら丁寧な射出と細やかな戦略で勝利を重ねた群馬の対決。
メモ>準々決勝と同様テイクオフゾーンの中央に移動し得点を狙う群馬。東京は自陣側のサイドからほとんど動かず。同じ場所からすべての場所を狙う作戦?ベースAに乗せて得点!

エキシビション

長岡A
MaxときモチーフのFaxとき!自動折り機の機構を再び。2D,3Dのプリンターを研究して応用した。上の連射できる機構は、ラックとギアで紙飛行機の装填部分を昇降させ、紙を上部にあるローラー部分に下から押し付けて射出する。
自動折り機の折りと射出も成功!

木更津B
木更津も自動で紙飛行機を折れる機構を搭載。ベルトコンベアで紙を送りながら折る。タイヤで運んで三角部分を折ったあと、上下に動く機構で折り目をつける。ローラー5個くらい使ってる複雑な作り。

産技荒川B
弾丸のように出ていく射出機構。飛ぶとき紙飛行機がくるくる回っているが、これはロボット側ではなく紙飛行機に工夫をして回転を作っている。まっすぐ飛ぶ!
残念ながらルール上の問題でこの機構は試合では使えなかった…。

長野B
鶴から鶴を飛ばしたいの思いで作ったロボット。何度見てもきれいな造形!
外からは機構が見えないようにこだわった。
真ん中の箱から出てくる鶴はふわふわと舞うように飛ぶ。

勝戦

東京B vs ★群馬A 0−5
左右2つの機構から599(高尾山標高)機飛ばす東京と、左右5つの機構から両腕を掲げるように連射する群馬、パワー系の対決!
メモ>東京が先に射出開始。でも両方とも15秒以内に連射スタート。
東京は射出に最初若干のトラブル。東京は初めて相手側に近いスポット前まで移動して、奥の滑走路に乗った群馬の紙飛行機を落としつつ得点する作戦?射出も試合中に復活。
その間に群馬は東京チーム側のスポット前に移動し、滑走路で得点を追加!

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉群馬高専Aチーム「SDGs」(エスディジーズ)
  • 〈推薦〉東京高専Bチーム「∞ ∞ ∞」(トリニティ)
  • 〈推薦〉長野高専Aチーム「信州ずくだせランド」(シンシュウズクダセランド)
  • 〈推薦〉小山高専Bチーム「ドラム犬マッハ号」(ドラムケンマッハゴウ)

関東甲信越地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定4チームの皆さん、おめでとうございます!

優勝は安定した連続射出で毎試合得点を重ねてきた、群馬高専Aチームでしたね
両腕を高く掲げるように大きく持ち上がる射出機構とそこから繰り出される連続射出、大迫力のロボットでした!
ロボットだけでなく、決勝戦で東京が仕掛けてきた駆け引きにも臨機応変に対応した落ち着きぶりも勝因のひとつだと思います。
いやー、大きいロボットがガシャガシャ動くの、ロマンありますよね!かっこいい!

東京高専Bチームも、決勝では惜しくも得点できませんでしたが大健闘!
試合中に射出がうまくいかなくなるなんて相当焦ると思うのですが、試合中に復帰しただけでなく、さらに相手の滑走路の飛行機を落としつつ得点する戦略に即座に切り替えたのは、事前の細かい調整と練習、シミュレーションの積み重ねの結果だと思います!

長野高専Aチームは、装飾イメージから射出機構考えたのか、射出機構ありきで装飾を仕上げたのか、とにかく夢があってかわいいロボットでした!
そのかわいさのみならず、サイドスローから繰り出される紙飛行機が同じ場所に正確に飛ぶのも衝撃でした。素人が見ると「こんなんあっちゃこっちゃにすっ飛んでっちゃいそう」と思うもので…。
「ずくだせ」というワードチョイスもセンスあって良き。

小山高専Bチームは、こちらもかわいいロボット!
筆者はおばちゃんなので、マッハGoGoGoとチキチキマシーン猛レースのケンケンを思い出しました(さすがにリアルタイムで見た世代ではないけども…)(もっと最新でイケてるアニメとかからモチーフ持ってきてたらごめんね…)(マッハGoGoGoもチキチキマシーンもイケてるけど…)。
装飾だけでなく、安定して同じ方向に飛ぶ紙飛行機の選別へのこだわりも試合を見ていて感じました。

そんなこんなで、20チームあるとロボットも戦略も様々でおもしろかったですね!

関東甲信越地区大会は、第3週目に実施ということもあり紙飛行機を飛ばすだけでなく、「戦略」も考慮し始めたチームがいくつか出てきたのも興味深かったです。
また解説の小山高専OBの和田さんの語り口も、良きアニキといった感じで優しく温かくとても勉強になりました。
やっぱり、実際に出場した方にしかわからない緊張感や醍醐味ってありますよね…!

全国大会出場が決まった4チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

高専ロボコン2022 北海道地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月16日(日)に旭川工業高等専門学校で行われた、高専ロボコン北海道地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

official-robocon.com

この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、地区大会も第3週目、北海道地区大会です。
注目は昨年の北海道地区大会優勝校、旭川工業高等専門学校でしょうか。
コロナの影響でロボット製作のスケジュールに大きな影響が出た学校もあるそうですが、どの学校も試行錯誤と練習の成果が発揮できるよう祈ります!

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの北海道地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

youtu.be

競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 40:00〜 頃から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

北海道地区大会出場校

全4高専からA、Bの2チームが出場。合計8チームで争います。
全国大会出場枠は2つです。(優勝、推薦)
なお本大会の解説は、公立はこだて未来大学の鈴木恵二教授です。

 予選ラウンド 対戦結果・メモ

北海道地区大会の予選ラウンドはA,Bの2グループに分けて行われました。各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する4チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「実況・解説>...」→実況・解説のやりとりの要約。
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、予選第3試合あたりから細かく分けようがない感じになってきて全部ベタ書きになったりします。そのへんはご了承ください。

第1試合

A:★旭川B vs 釧路A 0−0(審査員判定 3−0)
旭川:射撃型ロボット。上段2つ下段1つ計3つの射出機構。大量に紙飛行機をセット。
メモ>上の射出機構からスムーズな連射!しかしなかなか得点はできず…。
解説者談>紙飛行機の打ち出し方としては、ピッチングマシンのように2つのローラーで挟んで射出していた。問題は、束になっている紙飛行機から1機ピックップして射出口にセットするか。これが大変むずかしい。紙飛行機の折り目をうまく引っ掛けることによって1機ずつピックアップする技術とアイデアは素晴らしい。
釧路:シンプルな構造。エアタンクを使い空気の力で押し出して紙飛行機を飛ばす。1度にセットする紙飛行機は3機。
メモ>新型コロナの影響で学校が1ヶ月弱閉鎖…。
解説者談>床のゆがみのせい?でロボットのタイヤが空回りして想定の位置につけない様子。その後調整しテイクオフゾーンに進みスポットを狙うが、うまく乗らず。
解説者談(試合後)>
紙は素材として非常に扱いにくい。例えばプリンター(にセットされている状態の紙)だと折っていないのでだいたい性質は同じだが、折ってしまうと1枚1枚、1機ずつ性質が変わってしまう。なのでピックアップするのが非常に難しくなってくる。

B:★釧路B vs 苫小牧B 0−0(審査員判定 2−1)
釧路:昨日のテストランでは飛行機が上空に浮いてしまう感じだったが、今日はロボットにカバーをつけた。ピッチングマシン型で紙飛行機を射出するが、この方法は飛行機が揺れてしまいうまく飛ばない。それを抑え込むためにカバーをつけた。射出口の角度は45°。
メモ>何度かスポットに乗りかけるも、惜しくも落ちてしまった…!
解説者談>釧路のシンプルな機構で丁寧に狙うのも、戦略上のひとつの優位性になる。
苫小牧:円形に飛行機をセットし、エアの力で射出する。下側がパンタグラフになっているので、高さ調整もできる。もうひとつロボット下部にも射出機構がある。
メモ>ロボット下部の射出機構からは上向きに打ち上げるように紙飛行機を飛ばす。パンタグラフ付の射出機構からは、高さを出し上から下へ着陸態勢のような角度で飛ばす。
解説者談>エアを使った射出は、手首でスナップを効かせるような動きで射出。

第2試合

A:★函館B vs 苫小牧A 1−0
函館:ピッチングマシーン式の射出ロボット。1回に2つの紙飛行機をセット。丁寧に1機ずつ飛ばす作戦。2種類の紙飛行機を用意。
メモ>開始10秒でスポットに乗せた!ふんわり、まっすぐとした軌道。安定した動きで何度もチャレンジ。
実況・解説(試合後)>2つのチームで同じゾーンで争うので、思うような位置にロボットを持っていけないこともある。その中で戦略的にどう位置取りをするのかも重要なポイント。うまい位置に移動できればさらなる得点の可能性もあった。
苫小牧:二刀流型のロボット。パチンコ式で一斉に飛ばす方式と、チェーンを使って1機ずつ装填しながら飛ばす方式の2種類で挑む。
メモ>まずテイクオフゾーンの中央に移動。パチンコ式で一気に紙飛行機を射出!もう一つのチェーンを使った装置には不具合?なかなかうまく飛ばない。
実況・解説(試合後)>たくさんの紙飛行機を乗せるために竹ひごをチェーンの上に指し、チェーンを回しながら装填していく発想はなかなかできない。チェーンも3Dプリンタで作ってきた技術力も素晴らしい。チェーンを金属ではない素材で自作することで軽量化にもつながる。

B:函館A vs ★旭川A 2−9
函館:カタパルト式射出機構(空母で飛行機を飛ばすのに使われている方式)。1機ずつ射出。スマホがコントローラー。
メモ>ロボットの顔かわいい。大きな紙飛行機で手前のスポットにふわっと乗せてる。旭川のロボットが大きいので、相手チーム陣寄りの位置まで移動し動きを封じる作戦も?
旭川:紙吹雪型ロボット。相当な数の紙飛行機をセット。
メモ>あらゆる方向に、移動しながら紙飛行機を飛ばす様はまさに紙吹雪!函館のロボットが旭川のロボットの移動を邪魔するような動きをしたが、その後ろからお構いなしで大量射出…。片付け大変!笑
実況・解説(試合後)>上段のピッチングマシーン型の発射機構は数百の紙飛行機を載せられる。下のカードリッジと呼ばれる箱には400〜500機セットできる。テストランでは飛行機を重ねて射出しているという指摘があった(2枚以上重ねて飛ばすのはルール違反となる)が、本番までに修正してきた。

第3試合

A:釧路A vs ★苫小牧A 0−1
空気の力で飛ばす釧路と、パチンコ式とチェーンを使う射出の二刀流の苫小牧の対決。
苫小牧は第1試合ではうまく動かなかったチェーンの機構がうまく動作。ラスト10秒でパチンコ式の射出から得点!
釧路は途中でロボットが回転するなど、操作不能?に…。
実況・解説(試合後)>
釧路は1年生チーム、さらにコロナで1ヶ月近く学校が閉鎖するなど十分な準備をする時間がなかったと思う。その中でも動くロボットを作ってここまで来たことは褒め称えたい。

B:苫小牧B vs ★函館A 0−0(審査員判定0−3)
八角形&パンタグラフの苫小牧と、カタパルト式射出機構の函館の対決。
苫小牧、1試合めで足回りが壊れてしまい動けず、ほかの機構は動くのにスタートゾーンから全く出られず…これは悔しいよね…。
函館は10秒で2回めの射出など動きが素早い!揚力の高いA3の紙を使ってスポットを狙う。
実況・解説(試合後)>
何試合もやると耐久性も問題になる。見てる方は「もっとしっかり作ってこいよ」と思うかもしれないが、重量制限等があるため、しっかり作りすぎると重量制限に引っかかってしまう。軽量化しつつ動かすとなると、どうしても耐久性が落ちたりする。
苫小牧は円形の装填装置をパンタグラフに乗っけるなど、見ていても面白いものを作ってきてくれたところにロボット作りへの挑戦的な態度を感じた。

第4試合

A:旭川B vs ★函館B 0−2
上段2、下段2の3つの射出機構で連射する旭川と、シンプルな射出とスマホでコントロールできる函館の対決。
旭川は足回りのトラブルでスタートゾーンから出られず。なんとか起動しようとするが、時間切れ…。
函館はイカ型の紙飛行機で手前のスポットから狙う。丁寧にスポットにのせて2得点!
実況・解説(試合後)>
旭川は残念な結果になったが、非常によくできてるロボットだった。たくさん重ねた紙飛行機は前と後ろで厚さで変わってしまう。それをちょっと変わったカーブの台座で抑えるというアイデア、重なった紙飛行機を1機ずつピックアップしていく技術と思いつき(折ったところを針のような機構で引っ掛ける)は素晴らしいと思う。どうピックアップするかというアイデアを出せる能力が、我々の社会の未来において便利で安く大量にいつでも買えるようになるという未来を築いてくれる。我々の生活をもっと便利にしてくれる技術者に育ってくれると思うと非常に楽しみ。

B:釧路B vs ★旭川A 2−5
ピッチングマシーン型のシンプルな機構で丁寧に狙う釧路と、数で勝負の紙吹雪・旭川の対決。
テイクオフゾーンの位置取り、旭川が再装填のためスタートゾーンに戻っているスキに慎重に得点するなど、戦略も駆使して得点をする釧路。
それに対し、場所も狙いもお構いなしで撃ちまくる旭川
対照的すぎて面白い!
実況・解説(試合後)>
釧路は(コロナで)学校が閉鎖されこみ入ったことができない、かつ難しい課題であったにも関わらず、それでも得点できたという経験は来年以降に活かしてほしい。シンプルであっても工夫がないわけではなかった。射出もただローラー回しただけだと噛んだ紙飛行機が暴れてちゃんと飛ばないのだが、安定して前に射出でき、得点を重ねられた。それは最後まで諦めずに工夫を重ねた成果だと思う。

決勝トーナメント

準決勝

第1試合 ★函館B vs 函館A 2−1
どちらも丁寧に飛ばす戦略の函館Aチーム、Bチームの同校対決。
紙飛行機も安定して飛ぶものを選りすぐりで選んでいる。どちらも手前のスポット狙い。
実況・解説(試合後)>
最後はちょっとした安定性で差がついた。
限られた時間の中でどう時間を重ねるか、臨機応変に対応できるかの判断力がBチームは良かったのかも。
Aチームのカタパルト式は、普通に作ると上に舞い上がってしまいちゃんと紙飛行機が押せない。それをこれだけ安定して飛ばしてたのはいろんな工夫が重なってのこと。

第2試合 苫小牧A vs ★旭川A 1−7
二刀流の苫小牧と紙吹雪の旭川の対決。
旭川の紙吹雪が出てる間は、苫小牧は紙飛行機を飛ばしても得点できる可能性が著しく低くなりそう…。(気流が変わるし…)
旭川がスタートゾーンに戻っている間に、苫小牧は旭川のロボットの進行の邪魔をするような位置(旭川側に近いスポット前)にまで移動していた。
実況・解説(試合後)>
苫小牧はチェーンを使っての射出もパチンコ式での大量射出も、「こんな手があったのか」というなかなか思いつかないアイデアを実現してきたアイデア力は高かった。

エキシビション

第1試合 釧路B
ロボットの移動は前後左右、左右回転が可能。紙飛行機の軌道はきれいな放物線。
ロボットはブルーのライトの装飾でかっこよく仕上げた。

第2試合 苫小牧B
上の八角形の機構はモクレンに似ていたのでそれに合わせて装飾も仕上げた。(プロジェクト名もマグノリア
メモ>エアーがなくなってしまい上段の機構の飛行機は飛ばせず!でも装飾といい動きといい、見る人を楽しませようという気概を感じるロボットでした。

第3試合 旭川B
紙飛行機を1枚1枚取り出すところが難しい点だった。
紙飛行機の形状は5月から30種類くらい試行錯誤して、コントロールしやすいものを選んだ。いわゆる槍飛行機をベースに、先端の形状などを調整した。紙飛行機もなるべく個体差が出ないようにしている。

第4試合 苫小牧A
二刀流のチーム。
精度はチェーンを使って飛ばす向かって右側の機構、数で勝負はパチンコ式で飛ばす左側機構というコンセプト。
右と左はコントローラーが別になっているので、左右で別の動きができる。移動は両方のコントローラーともできる。ロボットの進路は事前に打ち合わせしてる。

勝戦

函館B vs ★旭川A 1−5
確実にひとつひとつスポットを狙って得点を重ねてきた函館と、紙吹雪の大量得点の旭川の対決。
スタートと同時に函館は一気に旭川陣営側のスポットまで進出。旭川のロボットの動きを邪魔しながら得点を狙う。
旭川は故障することなく、今までどおりの大量射出。
函館は終盤、足回りにトラブル?スタートゾーンに戻ってから再スタートができなかった。

実況・解説(試合後)>
非常に戦略の違うもの同士の戦いだった。(今回の課題は)「紙飛行機を飛ばすロボットをどうやって実現するか」という難しい課題だった。一方で「こんなふうに作るのでは?」と思う作り方が、こんなにも難しいのかと。旭川高専のロボットはこれだけ高速に紙飛行機をピックアップして射出するロボットを、しかも何試合も安定しているものを作れたというのは本当に高い技術力がある。
(ロボットの外側だけでなく)見えない部分、ソフトウェアが非常に大きな役割を担っていて、単純に発射しているように見えるが実は細かくソフトウェアでコントロールしている。(函館の)操縦者はスマホ用のアプリを作り込んでそれで微調整をしていた。みなさんもスマホからロボットを動かせる未来を想像していると思うが、今日ここにいた学生さんたちがそういった未来を作ってくれると感じさせてくれる試合だった。

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉旭川高専Aチーム「吹雪」(フブキ)
  • 〈推薦〉苫小牧高専Aチーム「ツインズ」

北海道地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定2チームの皆さん、おめでとうございます!

優勝はまさに紙吹雪を散らす勢いで紙飛行機を飛ばし続けた、旭川高専Aチームでしたね。
すべての試合で不具合もなく、安定して連続大量射出を達成し続けた技術力とロボットの安定性、素晴らしかったです!
動かしながら紙飛行機を飛ばすことも可能で、本当に舞台装置のような紙吹雪っぷり。笑
全国大会でも北海道の吹雪を吹かしてくれることを期待しています!

もうひとつの全国大会出場校は、二刀流の苫小牧高専Aチーム。
全く違う2つの発射装置を作ってやろうという気概、そして自作のチェーンと紙飛行機の装填方法など、解説の鈴木教授からの評価も高かったですね!
全国大会でも二刀流で紙飛行機が空を切ることを楽しみにしています!

また北海道地区大会は、公立はこだて未来大学の鈴木教授による解説も印象的でした。
技術的なお話しはもちろんですが、勝ったチームのみならず、負けたチーム、ひいては出場した全高専生への愛と優しさが感じられる解説で勉強になる&心が温まりました。

全国大会出場が決まった2チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

高専ロボコン2022 中国地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月9日(日)に東広島運動公園体育館で行われた、高専ロボコン中国地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

official-robocon.com

この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、8高専16チームで争う中国地区大会。
注目は全国大会常連校・呉工業高等専門学校でしょうか。しかし中国地区大会は、年によって結構全国大会出場校が変わる印象です。つまり、どのチームにも全国大会出場の可能性が十二分にあるということ!
どんなロボットが出てくるのか楽しみです。

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの中国地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

www.youtube.com

競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 15:05〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

中国地区大会出場校

全8高専からA、Bの2チームが出場。合計16チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝、推薦2)

予選ラウンド 対戦結果・メモ

中国地区大会の予選ラウンドはA〜Dの4グループに分けて行われました。
各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する4チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、予選第3試合あたりから細かく分けようがない感じになってきて全部ベタ書きになったりします。そのへんはご了承ください。

第1試合

A:★広島商船A vs 米子B 2−0
広島商船:ロボットは左と右で狙いを変えている(左は遠く、右は手前)。移動は自動制御で四輪で縦横無尽で移動するスピードにも注目してほしい。
メモ>近くは高めに打ち上げて狙う。
米子:タッチパネル式のコントローラー。タッチパネルをスクロールして操作することで、発射の強さ・角度を細かく調整できる。また1つのラックにたくさんの紙飛行機を積むことができ、入れ替えも簡単なので、スピーディーな補充にも注目。近くに確実に得点を重ねたい。
メモ>1回で2発ずつ紙飛行機を射出。

B:宇部B vs ★松江B 0−0(審査員判定 1−2)
宇部:弓矢のように紙飛行機を遠くまで飛ばす。狙うは5点のベースB!
メモ>一回で装填・射出できるのは1機のみ。弓で矢を飛ばすような大掛かりな動きでの射出は見てて面白いかった!
松江:横一列に7機の紙飛行機が並ぶ。ゴムの弾力で一斉に飛び立ち、広範囲の得点を狙う。
メモ>7機同時射出は安定。近くも遠くも狙えてたので、うまくいけば乗せてた可能性高かった!

C:米子A vs ★宇部A 0−0(審査員判定 0−3)
米子:2つの発射装置。左はバネで大型の紙飛行機を、右はローラーで小型の紙飛行機を飛ばす。鳥取をPRするために作った鬼の妖怪のロボットとヘルメットにも注目してほしい。
メモ>鬼の頭部分から飛び出す大きな紙飛行機が迫力あった!滑走路を狙っていたけど、なかなか届かず…。
宇部:やりたいことを詰め込んだロボット。モーターひとつで飛行機の装着から発射までができる仕組み。大会直前に飛行機を補充する部分が壊れてしまい(!)今回補充部分は断念。横向きのベースAを狙って得点を積み上げたい。
メモ>2機ずつ射出。得点できなかったけどスポットに何回かかすったりと惜しい!

D:★呉B vs 津山B 2−0
呉:上と下で別の発射装置を使う。まずは上の発射装置で手前のスポットを確実にとり、その後上下の装置で遠くの滑走路・ベースを狙いたい。発射時に使用するシリンダーは呉高専独自の強力なものを更に改良。その発射のスピードにも注目してほしい。
メモ>手前を狙うときは一度にたくさんの紙飛行機を飛ばす。遠く狙うときは2機ずつ。遠く狙いの紙飛行機はスピード速い!
津山:カラフルな装飾と個性豊かな飛ばし方が特徴。飛ばし方は3つで、ヘリコプターの羽を参考にした回転式、遠くのポイントを狙う竹板のバネ式、カーブを描く滑走路プレートではベースを狙っていく。
メモ>今日ロボットが完成してぶっつけ本番!スタートできず…。戦隊レンジャーモチーフのデザインは凝っててかわいかった。

第2試合

A:★徳山A vs 呉B 16−0
徳山:発射装置は4つ。1つに装填する紙飛行機は150機!合計600機の紙飛行機を連続で飛ばせる。紙飛行機が詰まることを防ぐため、ファンで吸い上げることで確実に一番上の紙飛行機を掴む。
メモ>上段2つ、下段2つの射出機構から連射!飛行機掴むときの動きが餅つきみたい。得点力も高い!
呉:2種類の発射方法でVゴールを狙う。200機近くの紙飛行機を搭載できるので、とにかく数で圧倒したい。
メモ>連射はスムーズだし遠くのベースBを狙えるだけの距離も速度もあった。運要素もあるのかなかなか得点に繋がらず…。

B:津山A vs ★大島商船B 0−0(審査員判定 0−3)
津山:今年の狙いはみんなの視線を集めること。バネを使ってまるでやり投げのように紙飛行機を飛ばす。紙飛行機の形にも注目してほしい。
メモ>アームで飛ばす途中で飛行機が落ちてしまい、なかなか前に飛ばせず…。けどなんか健気で好き。
大島商船:大島商船の伝統、木で作られたロボット。ロボットの足回りは重機のように帯状に板をつないで回転させながら進むキャタピラー式。木の音にも注目してほしい。発射部分は手で紙飛行機を飛ばすようにアームを使って得点を狙う。
メモ>アームの動きがゆっくり。紙飛行機の軌道が人がふんわり投げてるみたいにゆるやかですごくきれい!

C:松江A vs ★広島商船B 0−3
松江:左と右の異なる発射方法で、主に遠くの滑走路とベースBを狙う。左はローラーで右は機械の上にあるフックで紙飛行機を引っ掛けて飛ばす。連射スピードにも注目。
メモ>ふわっと浮かせて手前を狙ったり、遠くを狙ったり一度に3機飛ばしたり、色々な戦い方ができるロボット。
広島商船:ロボットと同じくらいこだわったのが紙飛行機の折り方。紙飛行機を折るために型から作成。熱したアイロンで紙飛行機を折った。
メモ>ベースA狙いで得点!紙飛行機の形にブレが少ないからか、同じ場所に連続して狙えていた感じ。

D:★大島商船A vs 徳山B 1−0
大島商船:9月までリモート授業…なので去年の部品なども使って1ヶ月で作製。ゴムの力を使って3機ずつ飛ばす。正確な発射に注目してほしい。
メモ>順調に飛ばせてるし、動きも軽いので何往復もできる
徳山:1ヶ月に及ぶ校内の停電(!)に見舞われながらも作製。車輪の部分は前後左右自由な動きができるメカナムホイールを採用。角度を変えることなく平行に移動することができる。滑走路一点集中で大量得点を狙う。
メモ>移動はできるものの、紙飛行機を射出できず…。次は打っているところをぜひ見たい!

第3試合

A:米子B vs ★呉A 1−11
両チームとも1試合めは0点だったものの、ロボットは順調に動き紙飛行機も飛ばせていたので今試合ではぜひ得点してほしい!
呉、今大会で初めてのベースBに得点!ベースAにも2機得点。ベース狙いの戦略がうまくいった感じ。

B:★宇部B vs 津山A 0−0(審査員判定 2−1)
両チームともアームをぶん回して紙飛行機を飛ばすスタイル。
宇部は一貫してベースBの一点狙い。射出シーン、なんか見入ってしまう魅力があるよね。
津山の紙飛行機は植物の種に着想を得た、飛ぶというよりはハラハラと舞い落ちるような形のものも使っている。今回は前方に飛ばせてて、あと少しで得点という紙飛行機も多かった!

C:米子A vs ★松江A 0−0(審査員判定 0−3)
米子は鬼のロボット。マシンも紙飛行機も大きい!愛嬌あるよね。
松江は紙飛行機を装填するときがスッと入っていって気持ちいらしい(アナウンサー談)。遠くまでふわっと紙飛行機を飛ばして滞空時間が長い。

D:津山B vs 徳山B 0−0(審査員判定 0−3)
津山の3つの発射方法がある戦隊ロボと、徳山の350機の紙飛行機大量搭載ロボの対決。
津山はスタートできず、徳山はテイクオフゾーンに行くものの飛ばせず…。

第4試合

A:広島商船A vs ★徳山A 1−10
確実性重視の広島商船と、大量射出の徳山の対決。
広島商船がスタート時にトラブル。40秒ほどで復帰、射出成功。
その間に徳山はどんどん大量の紙飛行機を飛ばす。主に滑走路を狙いで得点を重ねる。ベースAに乗せるのも成功!

B:★松江B vs 大島商船B 3−1
松江は紙飛行機を(どこを狙うというわけではなく)色んな方向にばらまくスタイル。
大島商船は一投にかける!
先に得点したのは大島商船。ふんわりときれいな軌道でスポットへの着地成功。しかしその後すぐに松江がベースAに乗せて逆転。

C:宇部A vs ★広島商船B 0−3
大会直前に装填部分が壊れてしまい最低限の紙飛行機の搭載で挑む宇部と、紙飛行機の折り方(アイロンで折ってる)にとことんこだわった広島商船の対決。
宇部はベースAを狙いつつ、その流れでロボットから対角線上にある遠くの滑走路も狙えるという感じ。狙い通りベースAで得点!

D:★呉B vs 大島商船A 2−0
両チームとも最初の試合ではスポットで得点したチーム。
呉はスタートと同時に相手から一番近いスポットを狙いに行った。呉は紙飛行機の再装填なしで3箇所のスポットAを連続で狙いにいけるので、自陣に近いスポットから狙うより先に相手陣に近いスポットまで行って戻ってくるルートの方が操縦が楽だし、ロボット同士の衝突・進路妨害のリスクも減りそう!(その戦略を可能にするロボットのスムーズな動きとスピードもすごい)

 決勝トーナメント

準決勝

第1試合 ★徳山A vs 松江B 12−3
開始10秒ほどで徳山が大量の紙飛行機の射出開始。その後松江もベースAに乗せて得点。
徳山は滑走路で得点を大量に稼ぎつつ、ベースAも同時に狙うため得点力が高い!
でも松江も再装填のためスタートゾーンに戻ることも多かったのに、毎回安定した7機同時射出で第4試合に引き続きベースAに乗せたのもすごかった!

第2試合 呉B vs ★広島商船B 3−6
呉、開始20秒でスポットに2点分乗せた!広島商船も開始40秒すぎにベースAに得点。
確実に点を取れる場所を序盤で狙っていく呉の戦略と、終始ベースAを狙う広島商船の戦略対決。
呉も後半ベースA付近を狙って何回か射出するものの、飛行機の曲がり方がうまくベースAにハマらず…!

エキシビション

第1試合 津山A vs 米子B 0−0
バネを使ったやり投げスタイルで紙飛行機を飛ばす津山と、タッチパネル式のコントローラーを使う米子の対決。
津山、どうしても上に投げちゃう…!ふわっと落ちる紙飛行機の形が変わってる。
米子はふわっと紙飛行機を飛ばせてるけど、スポットに乗らず…!でも装填機構から射出機構に紙飛行機移すときの動きがシンプルだけど見てて面白かった。

第2試合 ★広島商船A vs 呉A 2−0
左右で別の場所を狙える射出機構&自動制御の移動の広島商船と、予選でベースA,Bに乗せた実績のある呉の対決。
広島商船は遠くの滑走路狙いの射出を試みたけど、うまく届かなかったので近距離狙いに素早く切り替え。
呉はひたすらベースB狙い!得点はできなかったけど、惜しいものも多く見ていて面白かった!

勝戦

★徳山A vs 広島商船B 10−0*
徳山は安定の大量射出で滑走路で大量得点。
広島商船も今までの試合と同様、1機ずつの連続射出でひたすらベースAを狙う作戦でしたが、得点ならず…。
徳山がとにかく大量に紙飛行機を飛ばしてくるので、空気の流れが変わるのか視野が遮られるのか広島商船は今までよりもベースAが狙いづらそうな印象を受けました。

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉徳山高専Aチーム 双宿双飛(ソウシュクショウヒ)
  • 〈推薦〉呉高専Bチーム Aspectacle(アスペクタクル)
  • 〈推薦〉大島商船Bチーム とうきくん(トウキクン)

中国地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定3チームの皆さん、おめでとうございます!

優勝は全試合ふた桁得点で勝利した、圧倒的得点力の徳山高専Aチームでしたね!
紙飛行機吸い上げ方式(勝手に私が呼んでるだけ)が可能にしたスムーズな連続大量射出、お見事でした!飛行機吸い上げるときの動きがなんか健気で好き。

高専Bチームは、ロボットの上段下段で全く異なる射出、テイクオフゾーンの位置取りなど多彩な攻撃が魅力的でした。
「呉高専独自の強力なシリンダーをさらに改良」したとのこと、全国大会でもその発射スピード楽しみにしています!

大島商船高専Bチームは、なんといってもあの美しい紙飛行機の軌道!ロボットが紙飛行機を投げた瞬間、時間がゆっくり過ぎていくかのような感覚に陥りました。
ほとんど木で作られているというロボットのデザイン性も素敵。
全国大会でもぜひ、国技館に優雅な時間をもたらしてください!

そのほかのチームも、造形にすごく凝っていたり、奇抜な発想でワクワクさせてくれた中国地区大会でしたね!
全国大会出場が決まった2チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

あと、会場の応援にティラノサウルスの着ぐるみ来てたね?(ティラノサウルスリレーのある鳥取高専の応援…?)

高専ロボコン2022 四国地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月9日(日)に新居浜工業高等専門学校で行われた四国地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

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この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、参加チーム数は少ないながらレベルの高いチームが揃う四国地区大会。
注目はやはり、2つのキャンパスで切磋琢磨し合う香川高等専門学校の高松キャンパス・詫間キャンパスでしょうか。
しかし妥当香川高専を狙うチーム、個性に全振りしたチームがどのようなロボットで挑んでくるのか、非常に楽しみです!

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの四国地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

www.youtube.com

 競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 55:00〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです!

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

 四国地区大会出場校

全6高専及びキャンパスからA、Bの2チームが出場、合計12チームで争います。
全国大会出場枠は2つです。(優勝、推薦1)

予選ラウンド 対戦結果・メモ

・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、厳密に分けて書いてるわけではないのでご了承ください。

第1試合

A:弓削B vs ★新居浜B 0−1
弓削:何も機械が見えていない状態から飛行機を発射する昇降装置がお目見えする瞬間に注目してほしい。
メモ>1度飛ばすと紙飛行機充填のために戻る。遠くの得点箇所狙い。距離は十分飛ばせてたけど得点につながらず…惜しい!
新居浜:一回で10発の紙飛行機を飛ばす。元々は2種類の機械を用いて飛ばす予定だったが、重量オーバーのためギリギリまで調整し1種類で1回10発飛ばすようにした。
メモ>開始10秒で1発めの射出、得点。

B:★香川詫間B vs 阿南B 4−0
香川詫間:注目は連射。紙飛行機を送り出すタイヤの高さを何度も調整した。2分半で300以上飛ばしたい。1つのスロットに60機までセットできる。
メモ>連射はスムーズ!得点も確実に重ねていた。
阿南:コンセプトは「一気にVゴールを目指す」。9つの発射台から紙飛行機を放つ。
メモ>発射台が高く上がって9機一気に射出!テンション上がる〜。

C:弓削A vs ★香川詫間A 3−4
弓削:確実に飛ばせるように極限まで無駄を省いた。目標はとにかく動かし、1点でも多く得点すること。
メモ>3機同時に飛ばす。一度にロボットに載せられる紙飛行機は少ないけど、丁寧に飛ばし得点を重ねている。
香川詫間:一気に6発飛ばすことができる。ぶれない飛行に注目してほしい。狙うのは真ん中の透明な筒(ベースA)と奥の筒(ベースB)。
メモ>手前のスポットも確実に乗せられる。遠くに飛ばす紙飛行機はスクリュー状に回転しながら飛んでいっている。

D:★阿南A vs 高知B 1−0
阿南:よく見るとロボットに羽が生えている。こだわったのは高さと角度と速度。
メモ>高い位置から落とすようにして狙う。ふんわりなめらかに飛ばす。
高知:ロボットが自動で紙を折って飛ばすところ(その時間1秒)。織姫と彦星、天の川のデザイン。
メモ>紙詰まりのようになってしまいうまくいかない様子…難しい課題へのチャレンジ!

第2試合

A:新居浜B vs ★香川高松A 1−16
新居浜:2試合め。1回で10発紙飛行機を飛ばす。ロボットの重量オーバーで射出機構を2種類から1種類にした。
メモ>重量対策のためシンプルな構造に変更。手前のテーブル狙い。
香川高松:上下3つの発射装置があり、それぞれ遠距離・近距離のポイントを狙う。操縦に重要なのはコミュニケーションとチームワーク。大量得点ではなくVゴール狙いでいく。
メモ>発射装置は上段1、下段左右に2つ。高いところから奥を狙い、高得点の奥の筒(ベースB)に開始30秒ほどで得点!

B:★阿南B vs 高知A 0−0 (審査員判定:3−0)
阿南:2試合め。9発同時発射に期待。
メモ>一気に9機発射成功!順調に飛ばせるけど、なかなか得点につながらない…難しい!
高知:3つの射出機構があり、紙飛行機にもこだわり。狙う場所によって3種類の紙飛行機を使い分ける。
メモ>下からホップするような形で紙飛行機を飛ばす。ちょっと調子が悪い?

C:★香川詫間A vs 新居浜A 2−0
香川詫間:2試合め。ぶれない飛行に注目、狙うはベース。
メモ>一度に多くの紙飛行機を飛ばす。同じ場所を狙って打つ。奥に飛ばす飛行機はスクリューのように回転して飛ぶ。
新居浜:ベルトコンベアを使った連続発射。
メモ>スムーズな射出。ふわっと浮かびあがるような飛行機の軌道。

D:高知B vs ★香川高松B 0−19
高知:2試合目。ロボットが自動で紙を折って飛ばす。
メモ>ロボットが折った紙飛行機を飛ばすことに成功
香川高松:持ち手のない紙飛行機を自由自在にあやつるロボット。遠距離は縦に回るローラーで回転させて飛ばし、短距離は下側のローラーにビニールテープを巻き、摩擦の力を加えて安定させる。
メモ>小ぶりなマシン。奥の筒を狙う紙飛行機の飛行スピードが速い!紙飛行機の再装填も速い。

第3試合

A:★香川高松A vs 弓削B 11−0
香川高松:1試合目に大量得点。
メモ>開始15秒ほどでベースAに乗せた!ふわっと飛ばして近い位置を狙う射出、高い位置から速いスピードで遠い位置を狙う射出、同時にできる?
弓削:昇降機構のチーム
メモ>セッティングに少し手間取ってしまった?

B:高知A vs ★香川詫間B 1−6
高知:1試合目は少し焦ってしまった。まずは1点を狙いにいきたい。狙う場所によって飛行機を使い分けている
メモ>ちょっと最初手間取った?後半に1点返した!
香川詫間:マシンガン連射。2分半の間で300〜400の紙飛行機を飛ばしたい。
メモ>スタート速い!5秒で打ちはじめた。1つのスロットに60機の紙飛行機をセットできる。

C:新居浜A vs ★弓削A 0−2
新居浜:ベルトコンベアの連続発射。
メモ>ベルトコンベアの紙送り部分が調子悪そう?
弓削:確実に飛ばせるように無駄を省いたシンプルな構造。少し小ぶり。カニの装飾は2019年の先輩から受け継いだもの。
メモ>開始20秒で手前のスポットに得点!3機同時射出。一度飛ばすたびにスタートゾーンに戻って装填。

D:★香川高松B vs 阿南A 4−0
香川高松:1試合めは19得点!次は20点を目指す。
メモ>奥を狙う紙飛行機は回転しながら飛んでる?
阿南:白鷺があしらわれたデザイン。鳥が飛び上がるような優雅な軌道。
メモ>最初は飛ばせていたが、途中から動かなくなってしまった。

決勝トーナメント

準決勝

第1試合 香川高松A vs ★香川詫間A 6−9
香川高松:1機ずつの連射、上下の機構から複数箇所同時に狙えるタイプ。
メモ>すべての試合でかなり正確に、安定して飛ばせているものの、準決勝は相手も強かったため敗退…!
香川詫間:狙った一箇所に大量射出タイプ。
メモ>手前を狙うときと遠くを狙うときで、ロボットの向きを前後逆にして射出してるっぽい?

第2試合 香川詫間B vs ★香川高松B 17−23
得点力、連射力、正確性が両チームともすごかった!
見応えのある点の取り合い試合。

エキシビション

高知B
織姫・彦星があしらわれたデザイン。ロボットが自分で紙飛行機を折って飛ばすチーム。飛行機を紙送りするとき、角度がつくとうまく吸い込まれなくなってしまうのが通常だが、改良を重ねて角度があっても吸い込まれるようにした。
発射機構は1つに500のパーツが使われており、パーツも手作り!

新居浜A
本当なら360枚の飛行機を装填して飛ばせるようにしたかったが、装填のベルトコンベアがうまくいかず試合では本来の力を発揮できなかった。なのでエキシビションでは人力も使って飛ばす。
でろろろって出て見ててきもちいい!笑

高知A
3つのスポット全てに紙飛行機を乗せることを目標に!
紙飛行機を高く上げて急降下させスポットを狙う。
モーターはブラシレスモーターでドローンに使われてる。小型で高出力。

勝戦

香川詫間A vs ★香川高松B 5−18
香川詫間:ぶれない飛行に注目してほしい。
メモ>安定してベースAに乗せる得点力があるけど、やや紙飛行機の再装填に時間がかかる?
香川高松:紙飛行機を自由自在に操るロボットが特徴。ここまでの試合、3試合中2試合は2桁得点!
メモ>再装填が速い。紙飛行機の軌道が安定しているので、滑走路に乗る軌道を見つけたら一気に大量に乗せることができる。ベースを狙って一気に3or5点を狙える力もあったけど、今試合は滑走路で点を積み重ねるスタイルに切り替え、戦略もあっての優勝!

結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉香川高専高松キャンパスBチーム CONTRAIL(コントレイル)
  • 〈推薦〉香川高専詫間キャンパスBチーム prize(プライズ)

四国地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!
そして全国大会出場決定2チームの皆さん、おめでとうございます!

全国大会出場は強豪校・香川高専の高松・詫間キャンパス両チームとなりましたが、四国大会は予選リーグ・決勝トーナメントを通じて0−0だった試合は1試合のみで、全体のレベルの高さを感じました。
10月もまだ2週目で準備期間は短い方なのに、すごい!

優勝した香川高松Bチームは、得点力のみならず飛行機の再装填の速さも気になりました。
また準決勝のベースBでの大量得点があったので優勝もベース狙いかと思いきや、紙飛行機の調子と戦況を見て滑走路狙いに切り替えた操縦者の方の冷静な判断も素晴らしかったです!

香川詫間Bチームも、優勝でもおかしくない得点力と怒涛の紙飛行機連射で納得の全国大会出場です!
毎試合安定して繰り出される迫力の連射も見応えがありました。

そのほかにも、紙飛行機を折る作業からロボットにさせてしまおうという高知Bチーム、急遽射出機構を2種類から1つに変更することになったものの本番までにはきっちり仕上げてきた新居浜Bチーム、また様々なチームが紙飛行機の折り方や軌道に工夫をこらし、アイデアがたくさん詰まった四国大会でした!

全国大会出場が決まった2チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!

 

 

 

高専ロボコン2022 東北地区大会 ネット観戦メモ

※本記事は当サイト管理人が過去に別サイトで掲載していたものを転載・一部修正したものです。(元サイトは閉鎖予定)

photo by Philip Myrtorp(https://unsplash.com/ja/@philipmyr)

2022年10月2日(日)に仙台高等専門学校広瀬キャンパスで行われた、高専ロボコン東北地区大会の観戦メモです。

高専ロボコンとは、全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。 

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この記事はただの高専ロボコン好き文系出身女が、備忘録代わりに対戦結果と自分なりの考察をメモしたものです。そのため、ロボットに関する専門知識はありません。
また結果もベタ書き状態なので、見づらい・わかりにくい点はご容赦を。

さて、2022年の東北地区大会はコロナの影響で残念ながら一般客の観覧は見送り。
しかし久しぶりに各高専が会場に集まって競い合う、2年ぶりのリアル大会での開催となりました。
注目はやはり、全国大会出場常連校であり2018年の『Bottle-Flip Cafe』では全国優勝も果たした一関工業高等専門学校でしょうか。
でも毎年アイデアを凝らしたロボットがたくさん登場するので、どのチームも楽しみです。

2022年の大会のテーマ

ラクル☆フライ 〜空へ舞い上がれ!〜

本記事はYoutubeでの東北地区大会LIVE配信、及びアーカイブの観覧により作成しています。

youtu.be

競技ルール

ロボットが紙飛行機を飛ばして5箇所の円形スポット、2箇所の滑走路、2箇所の筒状ベースに着地させる競技です。(競技時間2分30秒、1試合で赤・青に分かれての対戦形式)
紙飛行機が着地した場所によって得点が異なり、より高得点を獲得したチームが勝利します。
またすべての円形スポット、滑走路、筒状ベースに1機以上紙飛行機を着地させることに成功した瞬間にVゴール達成となり残り時間に関係なく勝利となります。
(上のリンクの動画 19:10〜 から、実際のフィールドを使ってのルール説明あり)
紙飛行機の数に制限はないので、数撃ちゃ当たるの大量に飛ばすスタイルか、狙ったところに着地させる精度を高めていくか、はたまた相手のチームが乗せた紙飛行機を自分のチームの紙飛行機で落とし妨害するか…?などなど、各チームの戦略とそれを実現する技術のせめぎあいも見ものです。

ルール詳細については、公式サイトで配布された以下のリンクのpdfからご確認ください。

ルールブック

FAQ

 

東北地区大会出場校

全7高専及びキャンパスからA、Bの2チームが出場。合計14チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝、推薦2)
なお本大会の解説は、東北大学大学院の田所諭教授です。

予選ラウンド 対戦結果・メモ

東北地区大会の予選ラウンドはA〜Dの4グループに分けて行われました。
各チームは予選ラウンドで2試合を戦い、勝敗数や得点数などで決勝トーナメントに進出する4チームが決定します。

下記記述内容は
・★マーク付チームが勝利
・「(チーム名):...」→ アナウンサーが説明する、事前の取材によって判明しているロボットの特徴。試合を見てわかった特徴。
・「メモ> …」→ 私が見て感じた感想、考察(妄想とも)
・「解説者談>...」→ 解説者による説明、考察(解説者がいない大会の場合、記述はありません)
としておりますが、厳密に分けて書いてるわけではないのでご了承ください。

第1試合

A:★八戸B vs 鶴岡B 0−0 (審査員判定 3−0)
八戸:ポイントは射出機構。ピッチングマシーンのように回転するローラーから紙飛行機を飛ばす。
鶴岡:左右2つに金属バネを使った射出機構があり、遠距離・近距離の打ち分け可能。1機ずつ飛ばすスタイル。

B:★仙台広瀬B vs 仙台名取B 0−0 (審査員判定 3−0)
仙台広瀬:確実に、正確にを目標に。高速連射で大量得点を狙いつつ、相手の飛行機に自らの飛行機を当てるカウンターでも相手の得点を防ぎたい。
仙台名取:一機一機丁寧に飛ばすために、射出機構は輪ゴムを利用したパチンコ方式。垂直・平行それぞれの角度の変更機構を搭載。ロボットがせり上がり高さを出して高い位置から得点を狙う。
解説者談>高いところから低いところに飛ばすのは飛行が安定するので、正しい戦略。

C:秋田B vs ★一関A 0−3
秋田:ポイントは射出機構。上下左右に射出の角度を調整可能。連射をコンセプトにマシンを作成。
解説者談>30秒で100機飛ばせる
メモ> 一気に飛ばせる数は多いけど、その分紙飛行機の装填にやや時間がかかる印
一関:こちらも連射がポイント。紙飛行機は一度に20機装填できる。1秒1機ペースで連射。紙飛行機自体にまっすぐ飛ぶ工夫がされてるらしい。
メモ>ロボットの動き、紙飛行機の充填が速い! 狙った場所へ飛ばす精度も高め。
解説者談>
紙飛行機の装填の時間も大きなファクター。それがいかに早くできるか。

D:鶴岡A vs ★八戸A 1−1(審査員判定 0−3)
鶴岡:複数種類の紙飛行機と、様々な飛ばし方ができる。射出はゴムを使ったパチンコ方式で1機ずつ飛ばす。長距離型、近距離型2種類の紙飛行機。丁寧に得点箇所に乗せる作戦。
八戸:大小2種類の紙飛行機を使う。紙飛行機はバネで飛ばす。バネを引っ張ったあと、圧縮空気で飛行機を押し出す。ほかのチームのVゴールを防ぎつつ大量得点を狙いたい。5機一度に飛ばす。

第2試合

A:★仙台広瀬A vs 仙台名取A 0−0 (審査員判定 3−0)
仙台広瀬:3種類ある射出機構のバリエーションの多さに注目してほしい。滑走路狙いのメイン射出機構、スポットに乗った相手の紙飛行機を落とすための輪ゴムを使った射出機構、ベースを狙う射出機構がある。
仙台名取:射出機構と装填機構を2つずつ搭載。相手チームの着地を防ぐ紙飛行機と、自分たちが得点するための紙飛行機2種類準備。花びらのような円形の装填機構(空気圧で飛行機を押し出す機構がうまく動かず今回は射出できず…)
解説者談>
紙は湿度、温度でうまくいかなくなる。非常にデリケート。

B:★福島A vs 秋田A 9−1
福島:見た目も大きく音も大きい迫力とローラー射出の力強さがポイント。1分間に90機の射出が可能。
メモ>難易度高めの横向きの筒、ベースAに初めて乗せた!しかも3機!
秋田:ベルトとモーター、2種類の発射機構と3種類の紙飛行機を使用。正確性と幅広い攻撃でVゴールを目指したい。

C:★一関A vs 福島B 2−2
一関:一足先に2試合め。2試合目も安定した動きで着実に得点を重ねる。
福島:自分たちのかっこいいを実現したい。試合は勝ちに、見る人を魅了させる両立を目指したい。リンク機構を使って人が紙飛行機を飛ばすときの動きを再現。連射可能
解説者談>
高いところから飛ばす機構が、人が紙飛行機を飛ばすときの動きを再現している。
勝敗についての審判からの説明>>
一関は紙飛行機を3箇所のスポットに乗せたが、うち1機がルールで規定された紙飛行機の基準を満たしていなかったため、その分の得点が認められず試合終了時で2−2。
同点の場合、より多くの場所に紙飛行機を乗せたチームが勝利となるため、
・一関:2箇所のスポットに1機ずつで2点
・福島:1つの滑走路に2機で2点
の比較となり、一関高専の勝利。

D:★八戸A vs 一関B 0−0(審査員判定 3−0)
八戸:こちらも2試合め。一度に5機飛ばす。八戸のイカをイメージした紙飛行機。
一関:一度に88機、1試合で440機飛ばすことが理論上は可能。装填機構は板にストローをひたすら刺した剣山のようなもの。ストローに挟むように飛行機を装填する。板ごとバネで押し出して、押す力で飛行機を飛ばす。
メモ>飛ばすというか、落とすというか…。笑 でも発想面白い!

第3試合

A:★鶴岡B vs 仙台名取A 0−0(審査員判定3−0)
鶴岡:活動時間が限られていたため、簡単に作ることができる材質・機構に工夫した。左右2つに射出機構があり遠近距離使い分けることができる。
メモ>スタートしてすぐ出ていったけど、最初の射出まで約1分。一度の装填で飛ばせるのが2機なので慎重に飛ばしたいのかも?
仙台名取:大きい飛行機でベースを塞いで相手チームの紙飛行機の着陸を防ぐ作戦もできる。2試合めも射出がうまくいかず…。
解説者談>
マシントラブルを減らすにはいかに時間をかけて潰していくかが通常だが、今回はコロナで夏休み部活ができない、早く帰らないといけないといった事情がある高専もあり、最後の詰めまでいけなかったのでは。学生さんたちは悔しい思いをしたと想像する。

B:仙台名取B vs ★秋田A 0−0 (審査員判定0−3)
仙台名取:チーム全員で一機一機丁寧に飛ばしていきたい。
解説者談>空気圧シリンダーで押し出して飛行機を飛ばす。この方式自体が条件の変化に弱い性質を持っているのかも。
秋田:ロボットの魅力を最大限見ている人に伝わるように全力を尽くしたい。
メモ>飛行機の軌道はとてもきれい。試合を重ねるごとに狙ったところの近くに落とす精度は上がってきている様子。

C:★福島B vs 秋田B 4−1
福島:自分たちのかっこいいを実現したい。紙飛行機は1機ずつ、連続で射出可能。滑走路に3つ乗せた。
メモ>わりと遠くの滑走路、ベースのあたりを狙う作戦?(でも手前スポットにも乗ってた)
秋田:戦略は圧倒的な連射力。2つの射出機構から手前に大量連射で紙飛行機を飛ばす。
メモ>手前に大量に飛ばす傾向。角度を変えて低い軌道で遠くにも飛ばせるみたい。動くとどよめきが起きる…。笑

D:一関B vs ★鶴岡A 0−0 (審査員判定1−2)
一関:大量射出が持ち味。装填機構が板+ストローのチーム。
メモ>1発めの射出で紙飛行機がテイクオフゾーンに大量に落ちてしまうと、2発目以降の射出の際落下した紙飛行機が邪魔でロボットの進行の妨げになってたような。
解説者談>紙飛行機を射出するとき、初速はあるが装填機構のストローに引っかかって遠くまで飛ばないように見える。
鶴岡:一度に装填できるのは1機。紙飛行機の形で飛距離を調整。

第4試合

A:★八戸B vs 仙台広瀬A 0−0 (審査員判定3−0)
八戸:これまで蓄積してきたアイデア、知識、経験で見ている人をあっと驚かせるロボット作りを目指したい。
メモ>スタートから射出までが20秒くらいで早め!ロボットの動きも素早い。
解説者談>射出は連射を見越してのローラー方式を採用。が、装填の機構がうまくいかず連射まではたどり着けなかったそう。
射出の速度は速いが、下に向けて射出してしまっているのでうまく遠くまで飛んでいない。そこの調整ができれば決勝ではさらなる得点が見込めるかも。
仙台広瀬:安定した得点の獲得、楽しんでもらうパフォーマンスが狙い。滑走路狙い、相手の紙飛行機を落とす、上空のフィールドを大きく広く使う、この3つのポイントで戦っていきたい。
メモ>トラブルか、スタートゾーンからスタートできず…。

B:仙台広瀬B vs ★福島A 0−0 (審査員判定0−3)
仙台広瀬:装填部分が少し揺れながら装填される。
福島:ベースAに入るかどうかは神頼み!斜めの角度からとにかく連射でベースA狙い
解説者談>飛行ルートが右曲がりの傾向にあるような?撃ち出している箇所の傾きや紙飛行機の形でそうなっているのかも。(のちのインタビューでメンバーからは「左右による違いはない」とのこと)

決勝トーナメント

準決勝

第1試合:★福島A vs 八戸B 3−0
福島:開始10秒ほどでベースAに得点。終盤、テイクオフゾーンの中央にマシンが移動し遠くのベースBを狙う動きもあったけど、そちらは不発のまま試合終了。
メモ>基本はベースAの3点狙い?あまりほかの場所は狙っていないような。
八戸:何かしらのトラブル?が発生して予選のような動きができなかったもよう。
解説者談>たくさん打つ戦略がこのルールには合っているように思う。

 

第2試合:八戸A vs ★一関A 1−3
八戸:定荷重バネを用いた装填装置が3つ。10機から20機セットできる。大小の紙飛行機を準備。Vゴールを防ぐ戦略も用意している。射出は1回で5機同時。
一関:手前のスポットを確実に狙い、得点を重ねる戦略。紙飛行機は1つの機構から同一方向に連続射出可能。

エキシビションマッチ

秋田B vs 福島B 1−3
秋田:音がでかい!一気に射出!迫力!
メモ>充填するとき装填機構が下向くの、本体がでかいからちょっとかわいい…。
福島:上部にある射出機構は高い位置から手投げのように飛行機を飛ばす。

勝戦

福島A vs ★一関A 0−1
福島:やっぱりベースA狙いは運要素が強い?今回は1機も入らず、得点ならず。
メモ>ベースAを狙いつつ、おこぼれで滑走路とかにも乗せられると良いのだけど…。(遠くを焦点に飛ばしているように見えるので、手前のスポットには乗せづらそう)
一関:ロボットの動きや射出の精度に安定感がある。充填に戻るときの動きが速い。
メモ>毎試合同じ高クオリティの試合ができていた印象。ただ一関Aは毎回試合終了時に審判による紙飛行機の確認が入るので、紙飛行機の形はルールギリギリのところを攻めてるのかも。(ほかのチームよりも全体的に細長い紙飛行機の印象)決勝戦も3機乗せたものの、1つしか得点が認められなかった。

解説者による総評(要約)
今回はルール自体がとても難しい。紙飛行機の気ままさをどう抑えるかが大きなポイントだった。
多くのチームが数によって確率は低くても得点を上げられる工夫をしていたが、それだけではなく紙飛行機の気ままさを抑える工夫がたくさん成されていた。(折る際のミリ単位での工夫、曖昧性がなくなるような折り方、翼の不安定さをルールの範囲内で減らす、ローディング中に紙飛行機の形が崩れないといった試行錯誤)
また射出機構を制御する、目に見えないアルゴリズムやタイミングといった工夫も非常に重要。それは膨大なデータをとり、実験を繰り返し改良を重ねてきたのが実のところ。
過去に優勝したチームの多くは2ヶ月間はマシンの調整、改良、練習を重ね確実性の上昇を徹底的にやってきた。
今回はコロナでそれがなかなかできないチームも多かったと思う。それがもどかしく悔しい思いをしたチームもあると思う。その中で精一杯頑張ったことは素晴らしいこと。すべてのチームの皆さんにエールを送りたい。

 結果

全国大会出場チーム

  • 〈優勝〉一関高専Aチーム Artemis(アルテミス)
  • 〈推薦〉福島高専Aチーム 紙頼み(カミダノミ)
  • 〈推薦〉秋田高専Bチーム 太平(タイヘイ)

 東北地区大会 感想

出場チームの皆さん、おつかれさまでした!そして全国大会出場決定の3チームの皆さん、おめでとうございます!
東北地区大会は全国に先駆けて開催され、準備期間も他の地区に比べ短いので大変だと思います。さらにまだまだコロナの影響もあり、思うように集まれなかったり練習できなかったチームも多かったとのこと…。
でもその中できちんとルールに則り、試合ができるロボットを作り上げてくるのは本当に素晴らしいです!

優勝した一関Aチームは「安定感」が素晴らしかった!紙飛行機が規定に合わず得点が無効になることが多かったので、全国大会に向けては紙飛行機の調整も必要?紙飛行機を何機乗せても1点にしかならないスポットに複数機乗せるのも、最初は「もったいないな〜」と思っていたのですが、紙飛行機の形で得点無効になる可能性があるのなら、複数乗せておくのも戦略的にありだな!と思いました。
紙飛行機を全国大会に向けてルールに合致するようきっちり仕上げてくるのか、もしくはあくまでルールギリギリを攻め続けるのか、楽しみです。
紙飛行機の装填も早く機動性も高いので、全国大会でも活躍を期待しています!

福島Aチームは「ベースAに入るかは神頼み」とおっしゃってましたが、ベースA方面に向けて確実に大量に射出できる技術はすごい。
「ベースAとかどうやって入れんのよ」と大会前は思っていましたが、入った瞬間「おぉおお」と声出ました。入るもんなんやね…。9点入った最初の試合はめちゃ気分上がりましたよ…。

秋田Bチームはでっかいロボットがでっかい音たててパワフルに動くの、それだけで見てて楽しい!笑 上でも書きました紙飛行機を充填するとき装填機構がうなだれるみたいに下向くの、なんかかわいいのよね。

全試合を見終わって思うのは、数撃ちゃ当たるの大量射出方式でいくか、狙ったところに紙飛行機を飛ばす確実性を追求するか、どっちの戦略取るか悩ましいよね〜!というところ。
大量に飛ばすには大量に紙飛行機を装填できる機構が必要、でもそうなると重さが…とか、紙飛行機なくなったときの再装填に時間かかる…とか。
あと紙飛行機を1枚ずつ送り出す仕組みも必要になるし。
1機1機確実に狙ったところに飛ばす丁寧方式は、大量射出戦略チームとの対戦だと弾幕張られてるみたいになって精度一気に下がりそうだよな〜とか。
その中でVゴールを狙うには、ロボットの移動スピードや装填時間の短縮が必要になりそう〜とか。
また紙がさぁ…湿度だのなんだので扱いづらいよね…。

まぁ素人が適当に思いを巡らせているのでトンチンカンなこと言ってるかもしれませんが、高専ロボコンは「これどうやって解決すんの?」な課題を毎回毎回「なるほど!!」なアイデアで解決するチームがたくさん出てくるのも楽しみなところ。

全国大会出場が決まった3チームの皆さん、国技館での試合も楽しみにしています!