2024年高専ロボコン東海北陸地区大会のネット観戦メモです。
公式の大会実施結果はこちら(東海北陸地区)
全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のこと。
本記事は、Youtubeでの全国大会LIVE配信及びアーカイブ視聴により作成しています。
2024年の競技課題
『ロボたちの帰還』
開催概要
日時:2024年10月6日(日)
場所:プラサヴェルデ多目的ホール
担当校:沼津工業高等専門学校
審査員:
東京科学大学工学院システム制御系 教授 田中正行氏
沼津工業技術支援センター センター長 飯野修氏
NHK静岡放送局 局長 ほんごうてつ 氏
ゲスト:タレント 前田亜美さん
競技ルール
公式配信動画の 51:35頃 から実際のフィールドを使ってのルール説明があります。
詳細については以下の資料をご確認ください。
最新ルールブック・FAQ
以下に文字ベースでも基本的なルールを記述します。
フィールド
競技フィールドは長方形でA,B,Cの3つのエリアに分かれており、以下のようになっています。
A:スタートゾーン含む。
B:ロボットの接地不可、上空への侵入は可。(AとCに挟まれたこのエリアBを如何に飛び越えるかが今回のポイントの1つ)
C:オブジェクトゾーン、円形の着地スポット含む。
ロボット
各チームはロボットを2種類(ロボット1、ロボット2)用意します。
各ロボットの役割は、
ロボット1:エリアAを自由に移動できる。ロボット1はエリアAから、ロボット1自身の動力によってロボット2をエリアCに飛ばす。
ロボット2:ロボット1から射出後、エリアCに着地する。ロボット2はエリアCに着地後、オブジェクトゾーンにあるオブジェクト(ボール、ボックス)を回収し、エリアBに接地することなくエリアAのロボット1にボールを届ける、もしくはロボット2自身とともにエリアAにボックスを持ち帰る。なおロボット2はエリアCで複数台活動可能だが、ロボット1が一度の射出で飛ばせるロボット2は1台のみ。
ミッション
以下の3つのミッションの達成を目指します。
着地:ロボット2がエリアBを飛び越えエリアCの着地スポットに着地する。
ボールの回収:ロボット2がエリアC内にあるボールを回収し、エリアAにいるロボット1に届ける。
ボックスを保持したロボット2の帰還:ロボット2がエリアC内にあるボックスを回収し、保持したままエリアAに帰還する。
得点
着地:エリアCにロボット2が着地した場所に応じて得点を獲得できる。ただし得点となるのは最初の着地のみ。(ロボット2を複数台飛ばしても、着地得点は最初の1台分のみ)着地スポットは円形となっており、円の中央から100点、40点、10点、着地スポット以外は1点となる。複数の得点圏に跨がって接地した場合は、得点の少ない方が採用される。
ボール:競技終了時にロボット1が持っている、またはチームがフィールド内に保管している*1ボールが得点となる。ロボット2から1への受け渡しの際、ボールがエリアBに接地すると得点は無効となる。1個につき10点。全部で7個。
ボックス:ボックスを保持した状態のロボット2がエリアA(上空含む)に完全に入った時点で得点となる。エリアCからAへの移動の際、ロボットおよびボックスがエリアBに接地した場合は得点は無効となる。1個につき60点。全部で3個。
勝敗
以下の順に勝敗を決定する
1)より早くすべてのミッションを完了、すなわち着地得点100点、ボール10点×7個、ボックス60点×3個の合計350点満点を達成したチームを勝利とする*2
2)競技終了時に得点の高いチームを勝利とする
3)両チームの得点が同点の場合は以下の順で勝敗を決定する。
a)より多くのボックスをエリアAに持ち帰ったチーム
b)より高い得点の着地スポットに着地したチーム
c)上記で決定できない場合は審査員判定とする
その他
ロボットがエリアBまたはフィールド外に接地した場合、相手フィールドの上空に侵入した場合、相手チームの競技進行を妨げた場合などは強制リトライとなる。
以上のルールをベースに、青ゾーンと赤ゾーンに分かれて対戦形式で試合を行います。競技時間は2分30秒です。
東海北陸地区大会 出場校
- 富山高等専門学校 本郷キャンパス(富山本郷)
- 富山高等専門学校 射水キャンパス(富山射水)
- 石川工業高等専門学校(石川)
- 福井工業高等専門学校(福井)
- 岐阜工業高等専門学校(岐阜)
- 沼津工業高等専門学校(沼津)
- 豊田工業高等専門学校(豊田)
- 鳥羽商船高等専門学校(鳥羽商船)
- 鈴鹿工業高等専門学校(鈴鹿)
- 国際高等専門学校(国際)
※入場順、かっこ内は試合中の略称
各高専・各キャンパスからA,Bの2チームが出場、合計20チームで争います。
全国大会出場枠は4つです。(優勝1、推薦3)
試合結果
※「ロボットについて」は会場の実況が話している内容を書き起こし・要約しています。
予選ラウンド
第1試合
Aグループ 富山本郷B VS 国際B 試合動画
ロボットについて:
富山本郷B 投石器を参考にした上投げのロボットが安定した飛距離を生み出す。着地を狙うロボットには衝撃を吸収するクッション性のあるタイヤを制作。安定した着地で高得点を狙う。
国際B 1,2年生のみのチーム。バネを用いた投石機構、上投げでロボット2の着地を目指す。今回はボックス回収は狙わずボール回収にフォーカスして準備してきた。
結果:10-10(審査員判定2−1) 富山本郷Bの勝利
富山本郷B:着地10点
国際B:着地10点
Bグループ 鈴鹿A VS 石川A 試合動画
ロボットについて:
鈴鹿A 鈴鹿高専は(地区大会)3連覇中だが、過去の大会経験者がほとんどおらず挑戦者の気持ちで臨んでいきたい。ボールの回収を目指して得点を狙っていきたい。
石川A プロジェクト名「ネクスト・バンガード」のバンガードは「先駆け」 という意味。次に橋渡しをするイメージを名前にした。実際に今回のロボットは橋をかけてロボットたちがエリアCからAに戻ってくる。
結果:10-40 石川Aの勝利
鈴鹿A:着地10点
石川A:着地40点
Cグループ 豊田B VS 沼津B 試合動画
ロボットについて:
豊田B ロボの帰還に釣り竿を使っている。竿を伸ばして橋をかけることで軽量で丈夫な橋にした。
沼津B 注目してほしいポイントはスピード。とにかくスピードにこだわった。
結果:10-0 豊田Bの勝利
豊田B:着地10点
Dグループ 福井A VS 岐阜B 試合動画
ロボットについて:
福井A 学校の近く動物園から着想を得た。動物園の一番人気はレッサーパンダ。(レッサーパンダのロボット1は手を挙げた威嚇のポーズでボールをキャッチする。そのほかにもテナガザルとクジャクがロボット2としてフィールドを駆け回る。
岐阜B プロジェクト名は冬馬(とうま)の複数形。岐阜の白川郷や冬のイメージと馬を組み合わせた。ロボット同士の連携をしてロボットCからロボットAにオブジェクトを持ち帰りたい。
結果:10-0 福井Aの勝利
福井A:着地10点
Eグループ 富山射水B VS 富山本郷A 試合動画
ロボットについて:
富山射水B 名前の由来はリーダーが大のニンジン好きだから。ロボット1には旗がついていて、ニンジンのオリジナルキャラクターが描かれている。
富山本郷A 今大会唯一、ロボット1の射出がアームを高速回転させて遠心力で飛ばす。どれだけ飛ぶかはメンバーも未知数。
結果:0-0(審査員判定3−0) 富山射水Bの勝利
第2試合
Aグループ 鳥羽商船A VS 鈴鹿B 試合動画
ロボットについて:
鳥羽商船A かぐや姫が登場する竹取物語をコンセプトにした。1つめに飛ばすロボットは大きな翼のグライダー型で、ふわりと飛んでエリアBを飛び越える。
鈴鹿B プロジェクトメンバーの女子学生がロボット1の前面の黒猫を描いた。バネを用いてロボット2を発射する。ボックスの回収方法はロボット2からアームを伸ばしてエリアAに運ぶ。
結果:1-40 鈴鹿Bの勝利
鳥羽商船A:着地1点
鈴鹿B:着地40点
Bグループ 国際A VS 豊田A 試合動画
ロボットについて:
国際A プロジェクト名はモンゴル語。リーダーはモンゴルからの留学生。チームの共通語は英語。メンバーはピットクルーなしの3人だけ。すべての作業を3人で行う、今大会最少人数のチーム。
豊田A ほとんどのメンバーが去年に続き出場。去年は準優勝で全国大会にも出場しているチーム。ロボット1は移動・射出共に自動で行う。
結果:0-10 豊田Aの勝利
豊田A:着地10点
Cグループ 石川B VS 福井B 試合動画
ロボットについて:
石川B ロボット1は中華鍋をイメージして、チャーハンを炒めるときの躍動感を表現している。ロボット1は効率の良い発射で発射台が3つある。
福井B 宇宙のジュース屋をイメージ、店員は織姫と彦星。エリアBを天の川と見立てて、オブジェクトゾーンの四角い氷や丸いゼリーをエリアAのコップに持っていく。
結果:10-0 石川Bの勝利
石川B:着地10点
Dグループ 沼津A VS 富山射水A 試合動画
ロボットについて:
沼津A 地元の駿河湾から探査にいくイメージ。ロボット1は圧縮した空気を押し出してロボット2を飛ばす、エアシリンダーを用いた射出に注目。
富山射水A 数学者の名前からつけた。バネを使った安定感のある射出で着地100点を狙いたい。エリアCに送るロボット2を大切に運ぶため、黒いスポンジのカゴに入れて衝撃を吸収したい。
結果:20-100 富山射水Aの勝利
沼津A:着地10点、ボール10点
富山射水A:着地100点
Eグループ 岐阜A VS 鳥羽商船B 試合動画
ロボットについて:
岐阜A 星空がテーマ。空を越えるという思いを込めて射出されるロボット2を星に見立てた。まるで流れ星のようにボールやボックスが飛翔する様子に注目。
鳥羽商船B 地元の地名が入っているプロジェクト名。ロボは全部で5台。それぞれ動物のイメージしており、カラス、ワラジムシ、カタツムリ、シャチ、バッタと個性豊かなロボットが躍動していく。
結果:0-0(審査員判定2−1) 岐阜Aの勝利
第3試合
Aグループ 国際B VS 鳥羽商船A 試合動画
結果:10-1 国際Bの勝利
国際B:着地10点
鳥羽商船A:着地1点
Bグループ 鈴鹿A VS 国際A 試合動画
結果:40-0 鈴鹿Aの勝利
鈴鹿A:着地40点
Cグループ 沼津B VS 福井B 試合動画
結果:0-10 福井Bの勝利
福井B:着地10点
Dグループ 岐阜B VS 沼津A 試合動画
結果:10-10(審査員判定1−2) 沼津Aの勝利
岐阜B:着地10点
沼津A:着地10点
Eグループ 富山本郷A VS 鳥羽商船B 試合動画
結果:0-0(審査員判定1−2) 鳥羽商船Bの勝利
第4試合
Aグループ 富山本郷B VS 鈴鹿B 試合動画
結果:40-1 富山本郷Bの勝利
富山本郷B:着地40点
鈴鹿B:着地1点
Bグループ 石川A VS 豊田A 試合動画
結果:40-0 石川Aの勝利
石川A:着地10点
Cグループ 豊田B VS 石川B 試合動画
結果:1-10 石川Bの勝利
豊田B:着地1点
石川B:着地10点
Dグループ 福井A VS 富山射水A 試合動画
結果:10-100 富山射水Aの勝利
福井A:着地10点
富山射水A:着地100点
Eグループ 富山射水B VS 岐阜A 試合動画
結果:0-0(審査員判定0−3) 岐阜Aの勝利
決勝トーナメント
準々決勝
石川B VS 岐阜A 試合動画
結果:50-10 石川Bの勝利
石川B:着地40点、ボール10点
岐阜A:着地10点
準決勝
富山本郷B VS 石川A 試合動画
結果:0-40 石川Aの勝利
石川A:着地40点
富山射水A VS 石川B 試合動画
結果:40-10 富山射水Aの勝利
富山射水A:着地40点
石川B:着地10点
エキシビションマッチ
豊田A VS 福井B 試合動画
沼津A VS 豊田B 試合動画
福井A VS 富山本郷A 試合動画
決勝
富山射水A VS 石川A 試合動画
結果:10-10(審査員判定3−0) 富山射水Aの勝利
富山射水A:着地10点
石川A:着地10点
最終結果・各賞
準優勝 石川工業高等専門学校 Aチーム
アイデア賞 豊田工業高等専門学校 Bチーム
技術賞 沼津工業高等専門学校 Aチーム
デザイン賞 福井工業高等専門学校 Aチーム
特別賞
豊田工業高等専門学校 Aチーム
国際高等専門学校 Bチーム
福井工業高等専門学校 Bチーム
鳥羽商船高等専門学校 Aチーム
鈴鹿工業高等専門学校 Aチーム
鈴鹿工業高等専門学校 Bチーム
富山高等専門学校本郷キャンパス Aチーム
国際高等専門学校 Aチーム
全国大会出場校
[優勝]富山高等専門学校射水キャンパス Aチーム「プトレマイオス」
[推薦]沼津工業高等専門学校 Aチーム「駿河」
[推薦]石川工業高等専門学校 Bチーム「天舞逸品」
[推薦]豊田工業高等専門学校 Aチーム「機関車投〼」