公式からの大会実施結果はこちら(四国地区大会)
全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のこと。
高専ロボコンでは毎年違った競技課題が与えられ、全国の高専チームが競い合います。
2024年の競技課題は?
『ロボたちの帰還』
今年の競技のミッションは、「着地」、そして「回収と帰還」です。
前半は「着地」。ロボット1がロボット2を飛ばして、エリアCに着地させると得点です。
一番高い得点の着地スポットは、エリアAからの距離が5mにもなります。
後半は「回収と帰還」。ボールを回収してロボット1に届け、さらにボックスを持って、エリアBを越え「帰還」します。ロボット2が自力で戻るのもよし、ロボット1と連携&協力するのもよし。
まさにアイデアの見せどころとなります。競技時間は2分30秒です。ルールブック(7月9日修正版)P.2より引用
本記事は、Youtubeでの全国大会LIVE配信及びアーカイブ視聴により作成しています。
2024年の競技課題
『ロボたちの帰還』
開催概要
日時:2024年9月29日(日)
場所:香川高等専門学校高松キャンパス第一体育館
担当校:香川高等専門学校(高松キャンパス)
審査員:
川崎医療福祉大学 臨床工学科 教授 逸見知弘氏
産業技術総合研究所四国センター 所長 大西芳秋氏
NHK高松放送局 局長 おかもとゆきえ氏
解説:岡山理科大学工学部機械システム工学科 教授 衣笠 哲也氏
競技ルール
公式配信動画の 47:15頃 から実際のフィールドを使ってのルール説明があります。
詳細については以下の資料をご確認ください。
最新ルールブック・FAQ
以下に文字ベースでも基本的なルールを記述します。
フィールド
競技フィールドは長方形でA,B,Cの3つのエリアに分かれており、以下のようになっています。
A:スタートゾーン含む。
B:ロボットの接地不可、上空への侵入は可。(AとCに挟まれたこのエリアBを如何に飛び越えるかが今回のポイントの1つ)
C:オブジェクトゾーン、円形の着地スポット含む。
ロボット
各チームはロボットを2種類(ロボット1、ロボット2)用意します。
各ロボットの役割は、
ロボット1:エリアAを自由に移動できる。ロボット1はエリアAから、ロボット1自身の動力によってロボット2をエリアCに飛ばす。
ロボット2:ロボット1から射出後、エリアCに着地する。ロボット2はエリアCに着地後、オブジェクトゾーンにあるオブジェクト(ボール、ボックス)を回収し、エリアBに接地することなくエリアAのロボット1にボールを届ける、もしくはロボット2自身とともにエリアAにボックスを持ち帰る。なおロボット2はエリアCで複数台活動可能だが、ロボット1が一度の射出で飛ばせるロボット2は1台のみ。
ミッション
以下の3つのミッションの達成を目指します。
着地:ロボット2がエリアBを飛び越えエリアCの着地スポットに着地する。
ボールの回収:ロボット2がエリアC内にあるボールを回収し、エリアAにいるロボット1に届ける。
ボックスを保持したロボット2の帰還:ロボット2がエリアC内にあるボックスを回収し、保持したままエリアAに帰還する。
得点
着地:エリアCにロボット2が着地した場所に応じて得点を獲得できる。ただし得点となるのは最初の着地のみ。(ロボット2を複数台飛ばしても、着地得点は最初の1台分のみ)着地スポットは円形となっており、円の中央から100点、40点、10点、着地スポット以外は1点となる。複数の得点圏に跨がって接地した場合は、得点の少ない方が採用される。
ボール:競技終了時にロボット1が持っている、またはチームがフィールド内に保管している*1ボールが得点となる。ロボット2から1への受け渡しの際、ボールがエリアBに接地すると得点は無効となる。1個につき10点。全部で7個。
ボックス:ボックスを保持した状態のロボット2がエリアA(上空含む)に完全に入った時点で得点となる。エリアCからAへの移動の際、ロボットおよびボックスがエリアBに接地した場合は得点は無効となる。1個につき60点。全部で3個。
勝敗
以下の順に勝敗を決定する
1)より早くすべてのミッションを完了、すなわち着地得点100点、ボール10点×7個、ボックス60点×3個の合計350点満点を達成したチームを勝利とする*2
2)競技終了時に得点の高いチームを勝利とする
3)両チームの得点が同点の場合は以下の順で勝敗を決定する。
a)より多くのボックスをエリアAに持ち帰ったチーム
b)より高い得点の着地スポットに着地したチーム
c)上記で決定できない場合は審査員判定とする
その他
ロボットがエリアBまたはフィールド外に接地した場合、相手フィールドの上空に侵入した場合、相手チームの競技進行を妨げた場合などは強制リトライとなる。
以上のルールをベースに、青ゾーンと赤ゾーンに分かれて対戦形式で試合を行います。競技時間は2分30秒です。
四国地区大会 出場校
- 阿南工業高等専門学校(阿南)
- 香川高等専門学校詫間キャンパス(香川詫間)
- 新居浜工業高等専門学校(新居浜)
- 弓削商船高等専門学校(弓削商船)
- 高知工業高等専門学校(高知)
- 香川高等専門学校高松キャンパス(香川高松)
※入場順、かっこ内は試合中の略称
各高専・各キャンパスからA,Bの2チームが出場、合計12チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝1、推薦2)
試合結果
予選ラウンド
第1試合
Aグループ 高知A VS 新居浜B 試合動画
ロボットについて:
高知A リーダーは全国経験を活かしてチームを率いてきた。操縦を担うのは1年生。
新居浜B 5日前に急遽ロボットの方向性を変更。テストランで部品が壊れるアクシデントも。修正に修正を重ね、より良いロボットを生み出そうと試行錯誤の中挑む。
結果:10-0 高知Aの勝利
高知A:着地10点
Bグループ 弓削商船B VS 香川高松A 試合動画
ロボットについて:
弓削商船B エリアAにいるロボット「やけくそ大将」には顔が。レース中のロボットの気持ちがロボットに映し出される。
香川高松A 先輩から受け継いだ強力なバネでロボットをダイナミックに発射。大量にボールとボックスを回収する滑らかさを追求した動きも必見。
結果:0-260 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地10点、ボール70点、ボックス180点
Cグループ 新居浜A VS 香川詫間B 試合動画
ロボットについて:
新居浜A 難易度の高い今大会のルールでも投げやりにならずに頑張ろうという思いでつけたロボット名が「なげやりくん」。ほかにも「はこぶくん」「玉投げくん」「つかみくん」など、それぞれの機構に名前がついている。様々なロボットを飛ばしてテンポ良くエリアCに届ける。
香川詫間B メンバーのイニシャルを取って「KKO」、「カカオ」。直前までこだわり抜いたロボットが形になったのはおよそ1週間前。優勝に向けて飛び出すロボットたちは無事に帰還できるか?
結果:10-40 香川詫間Bの勝利
新居浜A:着地10点
香川詫間B:着地40点
Dグループ 阿南A VS 香川高松B 試合動画
ロボットについて:
阿南A 月面探査機「SLIM」にかけて名付けたチーム名。ロボットにそれぞれ惑星の名前をつけるなど、コンセプトにこだわり抜いた。一番の見どころは空気の力を使った発射。火星を意味する「マーズ」と名付けたロボットがまるで流れ星のように飛び出す。
香川高松B とにかく発射の精度が高い。テストでは10回中8回100点を記録。エリアAからCに飛び出すロボットにはスポンジがついていて、衝撃への耐久性もばっちり。翼をつけた赤い飛行機が100点めがけて飛び出す。
結果:40-100 香川高松Bの勝利
阿南A:着地40点
香川高松B:着地100点
第2試合
Aグループ 新居浜B VS 香川詫間A 試合動画
ロボットについて:
香川詫間A まず発射されるのは大型のロボット。エリアCからエリアAに橋を架けるロボット。ダイナミックに宙を舞って大量得点の着地を狙う。さらに注目はボールやボックスの回収速度。
結果:0-1 香川詫間Aの勝利
香川詫間A:着地1点
Bグループ 香川高松A VS 阿南B 試合動画
ロボットについて:
阿南B 去年に引き続きコンセプトは昆虫の蜂。エリアCに飛ばされたロボットが蜂のように素早くボールを投げる動きに注目。ロボットはタイヤにも工夫があり、六角形の蜂の巣型を採用するなどこだわり抜いた。
結果:290-10 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地40点、ボール70点、ボックス180点
阿南B:着地10点
Cグループ 香川詫間B VS 高知B 試合動画
ロボットについて:
高知B 「魚群」というチーム名のとおり魚をイメージした形のロボット。高知名物カツオが宙を舞う。カツオは最大5つのボールやボックスを回収することが可能。カツオを発射するのはエビフライという名の大型ロボット。カツオが帰還するのを手助けする橋をかけるのはカニパン。
結果:40-0 香川詫間Bの勝利
香川詫間B:着地40点
Dグループ 香川高松B VS 弓削商船A 試合動画
ロボットについて:
弓削商船A 2年生中心のチーム。特徴はパンタグラフから着想を得た橋。長さが2m近くあるが、蛇腹を活かしコンパクトに収納することが可能に。大会1週間前までロボットが未完成と苦戦をした。
結果:100-0 香川高松Bの勝利
香川高松B:着地100点
第3試合
Aグループ 香川詫間A VS 高知A 試合動画
結果:1-0 香川詫間Aの勝利
香川詫間A:着地1点
Bグループ 阿南B VS 弓削商船B 試合動画
結果:10-0 阿南Bの勝利
阿南A:着地10点
Cグループ 高知B VS 新居浜A 試合動画
結果:0-40 新居浜Aの勝利
新居浜A:着地40点
Dグループ 弓削商船A VS 阿南A 試合動画
結果:0-40 阿南Aの勝利
阿南A:着地40点
決勝トーナメント
準決勝
香川高松A VS 香川詫間A 試合動画
結果:290−10 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地40点、ボール70点、ボックス180点
香川詫間A:着地10点
香川詫間B VS 香川高松B 試合動画
結果:1−100 香川高松Bの勝利
香川詫間B:着地1点
香川高松B:着地100点
エキシビション
決勝
香川高松A VS 香川高松B 試合動画
結果:40−100 香川高松Bの勝利
香川高松A:着地40点
香川高松B:着地100点
最終結果・各賞
優勝 香川高等専門学校高松キャンパス Bチーム
準優勝 香川高等専門学校高松キャンパス Aチーム
デザイン賞 阿南工業高等専門学校 Aチーム
特別賞
阿南工業高等専門学校 Bチーム
香川高等専門学校高松キャンパス Aチーム
高知工業高等専門学校 Bチーム
新居浜工業高等専門学校 Bチーム
弓削商船高等専門学校 Aチーム
弓削商船高等専門学校 Bチーム
新居浜工業高等専門学校 Aチーム
高知工業高等専門学校 Aチーム
全国大会出場校
[優勝]香川高等専門学校高松キャンパス Bチーム「橋をかける少女」
[推薦]阿南工業高等専門学校 Aチーム「★SLIAC★」
四国地区大会 感想
いやぁ〜、決勝戦の同校同キャンパス対決!最後まで目の離せない劇的な展開でしたね!
ここまで安定して高得点をたたき出してきた香川高松Aチームだったので、決勝では今年度初のVゴールの可能性も…?と思っていましたが、やはり勝負の世界は最後まで分かりませんね。
特に今年度はロボットを飛ばすというルールの特性上、ロボットへのダメージは勝ち進めば進むほど相当なものになるのでしょう…。ロボットの重量、耐久性、戦略など…今年度の課題は本当に色々な要因が絡んでくるのだなと改めて感じました。
そんな中見事優勝した、香川高松Bチームのみなさん!おめでとうございます!!
ご本人たちは「まさかAチームに勝てるとは…」とびっくりなさっていたみたいですが、予選から決勝までずーーっとビタ止め着地の完璧な100点!その性能と安定性は優勝も納得のロボットです。
全国大会ではエリアCからAに橋をかけての帰還も期待してます!
そして全国大会推薦枠1つめは、香川詫間Bチーム。
大会1週間前にやっと形になったというこだわりのロボットたち。初戦ではあとちょっとでボックスを持っての帰還というところでしたね!
発射ロボット、橋架けロボット、円柱形ロボット(大)(小)、全国大会ではそれぞれのロボットのコンビネーションが見事にハマりますように。
推薦枠2つめは、阿南高専Aチーム。
前日にロボットが全く動かないというかなり大きなトラブルに見舞われたそうですが、本番では見事復活して2試合とも着地を成功させました!
全国大会ではでっかいロボット、マーキュリーを飛ばして橋をかけるところが見たいです!
四国地区大会も、どの試合も見どころのある面白い展開でした。
出場チームのみなさん、お疲れ様でした!
全国大会出場チームのみなさん、国技館でのご活躍を楽しみにしています!